オリジナル漫画「scope」原作（第二部）#2
【 --- 半年後 --- 】
この国では政権を握った人間が事実上の国のTOPとなり、その思想の元、世の中を1から創り上げて行く。現国を創り上げたとされる“前”政権は、民衆からの高い支持もあり、長年続いて来たが、総裁の予告無い突然の失踪により、昨年その任期に終止符が打たれた。あまりに突然且つ退任理由も全く考えられない失踪劇であったため、陰謀論を疑う者も多く現れた。しかし、失踪以降、メディアも一切取り上げる事が無かったため、真相は闇に包まれた。
…巷では20年振りの大総裁選挙が開催されており、いよいよ大詰めを迎える。総勢11名の候補者の中で、抜きん出て最有力とされる2名の政治家。
蟻醤 弾善 ＜ アリジョウ ハズヨシ ＞
容姿は、50代後半の男性で、陽気で情熱的な性格
通称 「 鬼喰いアリージョ 」
馬卓 梨世 ＜ バショク リセイ ＞
容姿は、30代半ばの男性で、冷静沈着でドライな性格
通称 「 鋼鉄のドライホース 」
2名の白熱する選挙演説を、VIPルームより、オンラインにて閲覧している 「 皇桜＜ コウオウ ＞」 先祖代々伝わる、皇族であり、国の象徴である。2年に渡る選挙運動も、いよいよ今月で終結という、クライマックスに差し掛かって来ている。 自宅にて、筋トレをしながらタブレットでニュース流し見している条。
条 「 政治には興味はねぇな。 闇撲滅を提唱する輩なんて、出て来るわけねぇし。 …どうせ揃って面の皮厚い症候群だろ？ 政治家なんてよ。 」
片目を瞑り、演説している政治家に向かって、指で作った拳銃の照準を合わせる。
＜ スーッ ＞
演説している政治家の後ろで警護している、ひと際ごついSPと画面越しに目が合う。＜ ！？ ＞ 完全に偶然だが、ただならぬ殺気に、ゾクっとして寒気を感じる、条。この男、表面上はSPを名乗って警護をしているが、その素性は闇界隈で超有名な、闇の用心棒界きってのエリート用心棒 オザキであった。
条 「 …何だ、この眼力は。 SP？ どこぞの用心棒臭がダダ漏れしてるぜ。（ まさかこいつ、あの時の？） …政治も中々面白そうじゃねぇか！！ 」
＜ バンッ！＞
指で作った拳銃を、モニター越しに”SPの皮を被った何者か”に向けて放った。
（つづく）
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