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Sudbury Valley School


Sudbury Valley School との出会い

 私が初めてSudbury Valley School ( 以下Sudbury と記します)にであったのは、初めて母親になった頃でした。NHK教育テレビ(今は名前がかわったのでしょうか、浦島太郎ですのでどうぞお許しください)のETV 特集で紹介されたのです。今回これを書くにあたってもう一度みることができないかと探しましたらアップされていて、久しぶりに観ることができました。

あげてくださった方に感謝です。本当になつかしい。
1997年放送ということですので、第一子の長男が3歳の頃かと思います。

トモエ学園みたい。。。

 わたしがこの放送をみて最初に感じた気持ちでした。
トモエ学園といえば、黒柳徹子さんを育んだ学び舎として有名です。

 窓際のトットちゃんが上梓されたのは1981年、校内暴力の嵐が吹き荒れている時代、わたしは中学生でした。理不尽なストレスに打ちのめされながらも学校へ行かないという選択肢などありえない。そんな学校生活を送っていた私には、綴られている学校や先生方との思い出は夢物語のように感じたことを覚えています。

ボストンへ移住

 このドキュメンタリーを見た頃には予想だにしていなかったことですが、2000年の春、私たち家族はボストンへ移住することになりました。
ボストンの中心から西へおよそ10キロ アーリントンという小さな街です。

 Sudbury のことは気になりましたが家からは遠く、我が家には私学に通わせる余裕はありません。我が家の3人の子供達、そして長男のお嫁ちゃんもこの街の公立学校で育ちました。ですから、私はSudbury に通わせた保護者ではありません。
それでもこの放送された特集は、私にとても勇気を与えてくれました。
夫と3人の子育てを振り返る時、我が家は「自主的ゆとり教育」だったね。と笑い合うことがあります。子供たちの生きる力を信じて見守る。私たちはそんな気持ちで子育てをしてきました。

 初めて母親になって不安がいっぱいの中で、このSudbury の思想が私に示してくれた道しるべはとても大きかったと、動画をみて改めて思いました。

日本での広がり

Sudbury について懐かしく思いながら調べていると、youtube channelがあることがわかりました。

ああ、あの校長先生お元気でご活躍、うれしいなあ。。などとおもいながら色々眺めていたら生徒さんの中に、日本のお名前を見つけたのです。
https://www.youtube.com/watch?v=z43XCGBZ5RQ

日本人のお子さんも通ってるかな?って思った時、ふっと、いつだったか日本人の友人にSudburyのことを話題にした時、私と同じNHKで放送された番組をみて感動した有名作家さんのご家族が入学されたらしいという噂話を聞いたことを思い出しました。

どなたなのかなあ。。。などと検索してみたらこんな記事をみつけたのです。

日本でもサドベリーということばで、このように広がっていることに驚きました。


ちょっとお話から逸れますが、吉本隆明さんのこと

吉本ばななさんもサドベリーの理念に共感されていたのですね。
吉本ばななさんが幼い頃の写真で、お父様の吉本隆明さんがウルトラマンだか仮面ライダーだったか、 そんな本をお膝のうえで読んでらした写真に感動したことを思い出しました。

 今では日本が世界に誇るポップカルチャーとして位置する Mannga , Anime ですが、吉本ばななさんとほぼ同世代の私がそだった空気を思い出すならば、あの時代に、戦後思想に大きな影響をあたえた吉本隆明さんが父親としてウルトラマンや仮面ライダーの本をお子さんに読んであげている構図など、考えられないような気がするからです。だからこそ私はその写真を見た時、さすが吉本隆明だな。と感動したことを覚えているのです。

 そんな育ちをされた吉本ばななさん。サドベリーの思想に共感されたことが理解できる気持ちがします。


オープンハウスにお邪魔してきました


学校が好き?あたりまえでしょ


ありがたいことに、設立当初からの保護者メンバー、奥様は学校の事務仕事もなさっていたマイクさんが構内をゆっくり案内してくださいました。

こちらは校庭の様子です。

敷地のなかには自然の大きな池があったり、落雷があった木がそのまま自然の状態におかれていたり。ニューイングランドらしい大きな岩はまるで自然のジャングルジムのようです。



1992年からのアメリカ暮らし、ボストンはそろそろ四半世紀になりました。 「取材」と称していろいろ経験したり、観光ガイドも楽しんでいます。 https://locotabi.jp/loco/hyacinth 応援していただけたらとても励みに思います。