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「また、読み返したい。」note保存記事

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また読み返したいような、noteの記事を保存していきます。
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“よい”記事と“よくない”記事の差

何気なくリンクを開いて読むWeb記事でも、グッとくるものと、なんとなく途中で読む気が失せてページを閉じてしまうものがある。 ふと立ち止まり、よい記事とよくない記事の差を考えてみる。 まず記事の良し悪しは構造的に上から順番に、企画(コンセプト)→取材(インタビュー)→構成(原稿化)で決まる。 根っこの企画が破綻しているといい取材はできないし、取材が微妙だと、原稿が仕上がるはずもない。 いい企画には意外な切り口、独自の視点、企画者の仮説がある。往々にして、擦られた二番煎じ

『365日、僕は「これ」しかやっていない』  ベストセラー連発の編集者が語る“作り手”のベーシックスキルとは /編集者 柿内芳文さんインタビュー

昨年8月に47歳の若さで逝去されたエンジェル投資家、瀧本哲史(たきもと てつふみ)さんの著書が出版され現在13万部を超えるベストセラーとなっている。タイトルは『2020年6月30日にまたここで会おう』。8年前の6月30日に行われた瀧本さんの“伝説の東大講義”を収録した本である。 編集担当は柿内芳文(かきうち よしふみ)さん。『さおだけ屋はなぜ潰れないのか?』『嫌われる勇気』『漫画 君たちはどう生きるか』と、ミリオンセラーを3つも生み出しているスーパー編集者だ。そんなヒットメ

言葉のセンスの磨き方

今年に入ってから、社内でかんたんなライティング講座と、これまでの成果を発表する機会が続けてあった。ありがたいことにどちらも評判が良くて、「うちの部にもライティングという特殊スキルを持ったプロフェッショナルが入ってきてくれて嬉しい」と言ってもらえた。自分がジャンプ漫画の特殊能力を持った人間(幽遊白書の禁句の能力者海藤的な)になれたみたいでとても嬉しかったのだけれど、最近考えているのは、何故自分が能力者になれたのかということだ(能力者ではない)。 ライティング講座でも「ライティ

コピーライターがひらがなを使う理由とUXライティングの漢字ひらがな問題

まずはこちらの文章をお読みください。 毎年、いまごろになると「鬼が笑うけど」というようなことを考えます。だってねぇ、今年やることなんてあと10日分しかない。 来年は、今年の続き…だと、ふつうは思うじゃない?だけど、そういうことにはならないよ、たぶん。ただの続きのつもりでやってても、だめだよ、きっと。 これは、とある日のほぼ日に掲載された、糸井重里さんが書いたエッセイ「今日のダーリン」の冒頭部分です。皆さん、この文章を読んで何か気付きませんか?そうです、ひらがなが多いのです

読者を惹き込む「リード文・締め文」って?良記事に学ぶ方法論と心構え

個人で出したこちらの記事が広く読まれ、うれしい限りです。 弊社モメンタム・ホースで本日、良記事の「リードや締めを学ぶ」勉強会を開催したのですが、そこで各メンバーからオススメ記事が多数挙がったので、こちらでもシェア。 まず僕から。(作り手のメタ視点から、自分なりのスゴポイントをちょこまかと書きます) ※あくまでそれぞれのメンバーの選好による部分も大きいので、参考までに。 染まることを恐れるな 森山未來という「表現の化け物」ノンフィクション調の文章から、テレビのドキュメン

ライターのアイデンティティって?落合(陽一)さんとのこと覚書

僕がまだ学環にいた頃、落合さんがまだMCになる前に、宇都宮大学で『Fairy Lights in Femtoseconds』の取材をさせていただいたこともあります。 (→最新作『Fairy Lights in Femtoseconds』と"メディアアート"の定義とは) こちらは絶賛、書籍化に向けて編集作業の詰めが行われているようです。 僕がライティングさせていただいた、堀江貴文さんとの共著『10年後の仕事図鑑』は4月刊行予定です。 『Homo Deus』の批判記事はおそ

タイトル付けは「2つの意識」を持つだけで劇的に良くなるという結論に行き着いた

↓このnoteを購入してくださった方の感想↓ Webメディアの記事のリーチは、タイトルひとつで劇的に変わる記事のタイトル付けに悩む人は多いと思いますが、それは正しい行為です。 なぜなら、僕自身これまで長らくWebメディアを運営してきて、タイトルひとつで記事のリーチが10倍以上変わる事例を何度も見てきているからです。 ※そういった経験もあり、新R25でも記事の入口となるタイトル(およびサムネイル)は一切の妥協なく、丁寧に、時間をかけて考えています。 記事のタイトリングに

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一気に読ませる文章を書くための7つのポイント

「週刊文春」は、毎週買っている。  真っ先に読むのが、林真理子さんのコラム「夜ふけのなわとび」だ。時事ニュースに絡めた話や林さんの近況などが書かれているのだが、これがおもしろい。  なんてことのない文章のように見えて、一気に読ませてしまう魔力を持っている。他の人のコラムもいろいろあるが、林さんのだけは途中で飽きるようなことはまずない。  そのおもしろさのポイントを僭越ながら分析してみた。 ①体重を乗せて感情で書く まずなにより、林さんのコラムは「感情」が乗っている。そ

彼女が書くと、ニュースはもうニュースじゃなくなる

あまり、読むのが得意ではなくなってしまった。小学生の頃は、お昼休みも図書館にこもりきりの本の虫だったのに。大人になっていつのまにか読むことが苦手に、というか、"へたくそ"になってきた。 興味のない分野の読みもの、とりわけニュースなんかは、読むのが億劫である。SNSで著名人や頭の良さそうな人のあいだでシェアされる、いわゆる"バズってる"記事があると「読まなきゃいけないんだろうな」と思ってページを開くも、数行読んだだけで一気に下までスクロールし、先が長いことを確認すると、「もう

ストーリーの文章、ストラクチャーの文章

起業家のけんすうさんが、ブログの書き方についてとても興味深いツイートをされていた。 これでハッと書きかけのnoteの下書きを思い出したので、急いでまとめておく。 ◇         ◇ 編集者がライターを選んだり文章のディレクションをするとき、あるいはライターになろうとする人にも役に立つんじゃないかと思う考え方がある。 それは、文章を ◎ストーリーの文章  ◎ストラクチャーの文章 の2種類に分ける考え方だ。 日本語にすれば、ストーリー=物語、ストラクチャー=構造にな