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〔小説〕朝起きたらアザラシになっていた その34 夢十夜その6 (魚の)死屍累々
※この話はフィクションです。実在する人物・団体名とは何ら関係ございません。100%作者の脳内妄想のみで構成されています。
朝起きたらアザラシになっていた俺は2度寝した。
ドアを乱暴にノックする音がする。
何かの勧誘だろうから無視して寝転がる。
爆竹を鳴らす音に体を起こすと同時にドアをけ破られ、
「警察だ!手をあげろ!!」
怒号あげる集団に囲まれた。
撃たれたくないので手を上げようにもヒレしかないし、手があっても五十肩なので無理。
動かずおとなしく様子見すると警察官が裁判所と書かれた令状を見せてから、
「死体があると通報があった」
述べたあと死体を探しに家宅捜索された」。
警察の活躍により死体が続々と押収され運ばれてゆく。
さばの死体。
イワシの死体。
アジの死体。
根こそぎ持っていかれた。
カフカの『審判』よろしく不条理な法執行が行われ残ったのはミイラ化したイカの死体1枚のみ。
腹が減ったのと証拠隠滅のためにイカのミイラに醤油を垂らしてからライターの火で焙(あぶ)り、醤油の焦げる匂いと七味マヨネーズで胃袋へ隠した。
禁煙成功して3年たつが、スルメ焙るためだけに今も100円ライターを持つ。
イカのミイラで飲む麦スカッシュはうまい!
コロナも収まったら自転車で海岸へむかい
また朝6時の太陽を眺めながら麦スカッシュ飲みたい。
ツマミはコンパクトで安いチーズタラがいい。
晩酌ならぬ朝酌の夢を見ながら再び眠りにおちた。
つづく。
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