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〔小説〕朝起きたらアザラシになっていた その43 猫カフェ

※この話はフィクションです。実在する人物・団体名とは何ら関係ございません。100%作者の脳内妄想のみで構成されています。

朝起きたらアザラシになっていた俺はモーニングを食べに猫カフェにいった。

マスターも客も自転車旅行で撮影した猫たちだ。
猫カフェなのでネギ科の食材が出てこない。
猫カフェなのでコーヒーがぬるい。
猫カフェなのでミルクもない。

最初はクレームを入れた俺だが、よくよく調べるとミルクも猫に害を及ぼすので食べさせてはいけないのだと知る。

なので…
TKGこと卵かけご飯もダメ。
トーストもダメ。
ベーコンエッグもダメ。

なにを食えばいいんだっ!!

食いたいものがなくて不貞腐れていると猫店員が俺のところに寄ってきてサンマの刺身を勧めてくれた。

なるほどっ!塩が薄ければサンマの刺身はありだなっ!!

サンマの刺身は岩手県と北海道が有名らしいが、
俺の地元青森県でも食べられる。

いまごろのサンマは脂がのってておいしいのだけど、気候変動のせいで高級魚になりつつある。

3分の1食べたところで腕時計をみる。

いや、アザラシなのでヒレ時計と訂正。

ヒレ時計を見るとそろそろ新幹線に乗る時間だ。
惜しいけど会計を済ませて出る。

「あざ~っすっ!」

やから系の猫が体育会系の元気な声で俺に感謝を述べてから残したサンマの刺身に食らいつく。

今日も猫が営む猫カフェを後にして電車に乗るのだった。

つづく。


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