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〔小説〕朝起きたらアザラシになっていた その33 伝言ゲーム
※この話はフィクションです。実在する人物・団体名とは何ら関係ございません。100%作者の脳内妄想のみで構成されています。
朝起きたらアザラシになっていた俺は企画を思いついたので信用金庫ビル3階会議室のミーティングに向かう。
ミーティングの相手は人の紹介できょう初対面する。
開けると俺を見て軽く驚いて人物がいる。
彼が初対面のHだろう。
フレンドリーに挨拶すると
「イメージより目がかわいいですね」
と怪談語りの活動をされているタコス八郎さんの第一声と同じことを言うから、
「俺をどうイメージしたの?」
聞くと。
紹介者が俺のことを
「毛もじゃヒゲモジャ」
「潮の香りのする」
「野獣」
と聞いたHは映画『パイレーツ・オブ・カリビアン』でいつもジョニー・デップと対決する海賊バルボッサ船長をイメージしていた。
子分と酒盛りしてそうな荒くれ海賊かと思いきや、どこにでもいる「一般人」ならぬ「一般アザラシ」だったので拍子抜けしたのも当然だ。
貸会議室の退室時間が決まっている以上は無駄話はいったんやめて企画の話をした。
せっかく本題に入ったのに、Hは受動的にうんうんうなずくだけ。
早く終わってほしいのがうかがい知れる。
ミーティングが終わると脱兎のごとく帰っていった。
失礼なやつだなと思っていたらずっと待合室にいる人と目が合う。
彼が通話アプリをいじると俺のスマホに着信音が鳴る。
「はじめましてHです。なんで連絡くれないんですかっ!」
俺にキレて突っかかる。
確認したら俺が部屋番号を間違えていた。
見知らぬアイツ!
人違いなら言えよ!
つづく。
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