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情報の価値を見つめる

皆さまこんにちは!ヒューマングループnote 編集担当 朝永です(^o^)/

今回のヒューマントークVol.29は、ビジネス作家 美崎 栄一郎様との対談をお送りいたします。

まずは弊社社長 内海と美崎様との出会いからご覧ください!

美崎さんとの出会い

ビジネス書籍を数多くだされている美崎さんとは専務の紹介でお会いする機会を頂きました。

時代の先端をつねに研究し、そのハードの使い方を学び身に着け、その知識を世の中に発信する(本という手段で)情報発信力は見事です。

わざわざ来社して頂き、対談を実現することができました。

※対談の本文は、2012年12月にヒューマンニュースレターに掲載したトークを当時の文章で掲載いたします。

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note ノート 記事見出し画像 アイキャッチ (18)

<ヒューマンニュースレターVOL.40(2012年12月発行)より転載>

ビジネス作家 美崎 栄一郎 様
ヒューマングループ 代表取締役 内海 和憲

内海カ:私は、以前はパソコン中心でビジネスをしていましたが、最近ではipad・iphoneを持ってビジネスに取り組むようになりました。このipad・iphoneは、使えば使うほど、もっと画期的な良い使い方ができるのではないかと常々思っています。
美崎さんはその最先端を行かれていて、そういう疑問を解決できる、ipad・iphoneの活用術の本を出されているということと、そして今までにはなかったようなネットワークづくりをされているところに非常に興味深く思っておりまして、今回、このヒューマントークで美崎さんとの対談をすごく楽しみにしておりました。
早速ですが、美崎さんのプロフィールと、現在どういうビジネスをどういうかたちでされているのか教えていただけますか?

美 崎:私は大学での専攻が、化学工学の紛体工学という分野でして、ケミカルの物質で粉を専門的に学んできました。 
大学卒業後は、大学での知識を活かせる会社にと思い、花王に入社しました。花王に入社して、色んな部署、色んなプロジェクトで商品担当をさせてもらいましたが、その中でも20年に1回画期的に変革をするという洗濯洗剤アタックの担当となり、その画期的な変革の一部に携わることになりました。この洗濯洗剤の一番最初の変革は、大きな箱から小さい箱に変更するというのがまず最初の変革でして、次に私たちが携わったときの変革は、洗濯機の時短モードや、節電、服を傷めないで洗う、エコ、そういった時代でしたから、3分かけて洗濯機で解かしていた洗剤を30秒くらいで解けるように根本的に変えるという一大プロジェクトでした。

  そのプロジェクトが上手くいき、今度は化粧品のファンデーションという女性をきれいにする仕事を担当しました。それがまた洗剤の仕事とはまったく違っていまして、洗剤の仕事と化粧品の仕事は、粉を扱うことは同じなのですが、180度違う粉で、洗剤の場合は服を白く綺麗にすれば良かったのですが、化粧品は女性を綺麗にしないといけない。でもファンデーションをつけて女性がきれいになるということが私には全くわかりませんでした。そこでまずは、過去の売れた商品、評価された商品が、どういう理由で評価されたのかということを、アンケートの調査結果をとことん読みましたが、「仕上がりがきれいになっている」とか書いてあるのですが、やっぱりそのへんがまったくわからないんですね。使ったことがありませんから。ただ唯一わかったのが、周りの方から褒められたときに「良い」という高い評価をあげていた方が多かったんですね。それがいいヒントになって、「ああそうか、周りの人に褒められるような商品を作れば、ファンデーションとしての評価は高くなるんだな」と考えるようになったんです。

人に褒められるようなものをどうやって作ればよいのか・・・これも全くわからなかったので、まずは女性の顔を正面や横、上、端とか同時にカメラで撮影をして、どの角度から見てもきれいに仕上がっているかどうかを科学的にチェックするという方法、自分が見てもよくわからないので、記録に残して誰かにチェックしてもらえばいいかなということを思ったのが一番最初の発想でした。 

デジタルカメラを同時に20台くらい繋いで同時にシャッターをきるような撮影装置で撮影をして、評価をしてもらっていくと、若い人のきれいな肌の色と少し年配の人の肌の色では、角度がかわったときに色が違って見えるところが測定で出た数字でわかるようになってきましたので、そこのポイントの角度の色だけを変更するようにしたのです。そうやって作ったファンデーションは、発売して2年間は、日本で発売されているファンデーションの中で一番販売個数が多いファンデーションになりました。

そういう仕事がいろいろなところで評価されるようになってから、会社の外での活動、勉強会や交流会を始めるようになっていきました。自分の同業以外の人の仕事ぶりとかを見る機会が多くなり、その中でふと、本を出している人がいるということに気づいたんですね。「そういえば私は子供のころに作家になりたいと思っていたよな~」とか思い出して・・・。 
それからですね。自分も本を書くことを真剣にやれないだろうかと思ったのは。結局、「結果を出す人はノートに何を書いているのか」という本を2009年に出させてもらって、それから大体毎年6~7冊で分析すると19冊ほど書かせてもらっています。

内海カ:本を出版するとなると、いろんなアプローチがあると思うのですが、美崎さんの場合はどういう形のアプローチだったのですか?
 
美 崎:プロジェクトをやるときに必ず必要になるのはプロジェクトのキーマンになるリーダーをつくらないといけないのですが、本の場合のプロジェクトリーダーは編集者なんですね。成功しているプロジェクトリーダーは成功する方法論を知っていますので、ベストセラー作品を出している編集者を数人紹介してもらいました。編集者の方にインタビュー形式で面談させてもらって、どうやれば成功するのか成功論を聞いていくうちに、自分の中でどうやればヒットするのかというのが何か見えてきて、そうこうしている時に「うちから本をだしませんか」と編集者からオファーがあり最初の本をだすことになったのです。

内海カ:ビジネス書というのはどのくらい売れればよしと言われているのですか?

美 崎:ビジネス書は大体1万部を売れれば今は良いと言われていますね。景気が悪くなっているので、なかなかあたらなくなっているんですが、最初5千部からスタートするのが基本で、ある程度売れると重版して、2千部刷って7千部にする・・・。 またそのあと2千部刷ってというふうにして、1万部を超えるように作っていくということが基本的です。
本を出版して思ったのは、本を書く人は、自分の生き様を書いているから陶芸作品みたいな、「作品」にしがちなんですね。でも私の本の場合は、お客さんが知識を得るための「商品」なので、商品としての価値があがるように意識しないといけないんです。

内海カ:本が知識を与える商品という位置づけだから、次から次から本が出せるということですね。

美 崎:そうですね。私の情報レベルが読む人よりも高ければ、商品になり得るんですね。整理された情報を見れるというのは、お客様にとっては最初から全部調べるより、それを見たほうがわかりやすいのでいいですよね。

内海カ:ソフトバンクの孫さんの話しをライブで聞く機会があるのですが、そのなかで「ここ数年ipad・iphoneでのビジネスのやり方を画期的に変えていく、変えていくことによってビジネスのスピードがすごくアップしている」ということを盛んに話されるんですね。私は、ipadは最近やっと手に入れたのですが、ビジュアルなこのフォルムにたくさんの知識が詰まっているけれども、どういうふうに使えるかというイメージがわかないと使えないような気がします。

美 崎:最近、変革期の日本にすごく興味があるのですが、変革期の日本に何が起こるかというと、新しい道具が入ってそれによって構造がガラッとかわるということなんです。
例えば戦国時代も変革期だったわけですが、その時は鉄砲という道具が入ってきてそれにより構造がガラッとかわったわけですよね。その時代、砦みたいな城しかなかったものが鉄砲との戦いになったのでそこで城郭みたいものが出来始めたり、戦闘スタイルが変わったわけです。 幕末も同じように外国から蒸気船が入ったことによって、今までは徒歩で行くしかないか、風を待って船で行くしかなかったのが、自力で自走していろんなところに行けるようになった、これも変革によって構図がガラッとかわったんですね。

それと同じようにパソコンやインターネットがでたときも、情報の流れがガラッと変わってしまったわけです。 パソコンが一般化したときにまず始まったことは、一般の人々が情報を大量に処理することができるようになったということですが、ipad・iphoneによって起こったことは、パソコンでは固定された場所でしか情報をとることが出来なかったものが、それがどこへ移動しても、世界中すべての情報をどこにいてもチェックできるようになったということですね。

内海リ:私は美崎さんのデビュー作のノート術の本をたまたま出張のときに手にとって、一回読んだときに「うわぁマメな人だな、ここまでできないな」と思ったのが正直なところでした。その後、ちょうど仕事でタスクが処理ができなくなってきた時期に、もう一回きちんと管理するには自分でアナログでしないといけないと思って再読をしたタイミングで、福岡で美崎さんの講演がありますよと紹介をいただいて。参加したときから美崎さんとのご縁が始まったわけです。美崎さんの講演を聞いて、本よりももっとピンときたというか、「すごいな・・・もっとこの本と向き合って、書いてあることを噛み締めたいな」と思って、セミナーの帰りにもう一回読みながら帰ってきました。

その後、ミクシーとかで美崎さんが情報発信されているのを見ているなかで、実はノート術の人ではないんだということがわかってきました。情報発信をコントロールされているという素晴らしさを知って、主催されているパーソナルブランディング(その人にブランド力をつけよう)という勉強会に参加させていただきました。

ツールが充実してインターネットで情報がとれるようになったからこそ、何もなかったときよりも人は情報に翻弄されてしまう時代だと思うのですが、情報を発信してコントロールする人とそれに流される、濁流にのまれる人と二極化がさらに激しくなっていくのかなと思っているのですが、上手に自分が伝えたいことを伝えたい人に伝えていくためのコツとか、何か考えてされていることとかがあればぜひ教えていただきたいのですが・・・。

美 崎:情報は自分のフィルターを通って出さないとまったく意味がないのですが、今世の中は、情報が洪水のようにあふれていて、全部見なくてもいいんですね。見なくていいというのは自動的に受けた情報は価値を持たないからです。昔は情報を取得していることが価値になっていて、それは情報をとることが大変だったからなのですが、今のようにインターネットで世の中にある情報は検索してしまえばすべて手に入るようになると、情報は皆誰でも持っていることになってしまうわけですね。

そこで大事になってくるのは、どういうふうに情報を取捨選択して必要な情報を吸い上げるかというスキルがこれから重要になってくるんですね。うちの子供はキッチンのテーブルのところで、ipadで学校の宿題をやっているんです。例えば、歴史を調べるという課題があったときに、大学の先生が教えるようなレベルでも、ipadがあれば、子供でもその知識にたどり着けるわけですよね。僕らの子供の頃だったら図書館へ行って調べないとできなかったわけですが、それが簡単にできるんです。それはたぶん目的意識があるからできるわけですが、その目的意識をもつということが今一番必要になってきていることだと思います。

内海カ:美崎さんの1冊目の本が発行されたのが2009年ですが、今では19冊目を発行されていますが、3年で19冊というのは、それだけ書くネタをたくさんお持ちで、知識を提供されているということなのですが、次々と書き続けるというストーリーが美崎さんの中でずっとおありだったのでしょうか?

美 崎:情報の本に価値があるのは、たくさんの情報を整理するというのが一番求められることなんです。ノート術という本を2冊しか書いていないのは、それはそんなに情報がないからなんですね。
デジタル文具という、電子で駆動するような文房具というのがあるのですが、その分野も新しいツールがドンドンでてくるので、情報を整理する人が必要なんですね。他の分野もそうですが、たくさんのものがあるところでは、情報を整理して伝えることがとても必要になってくるんです。

ipadとかも同じで、ipadは、いろんなことができると言われているけれど、でも実際に手にしたら、何をしていいかわからないということが非常に多いんですね。そうするとこのアプリとこのアプリをこうやって使えば、こういうことができるんですよとか・・・、そういうことをガイドすることによって、それが価値を持つことになるので、それでipadの本をだしたんですね。iphoneも同じようなことが必要なので、iphoneの本をだしたわけなんです。facebookもまったく同じですね。情報があふれているけど「何をやればいいのかわからない。どうやればいいの?」と聞く人がいるので、本になるんですね。

内海カ:そのためにも新しいツールを人より先に自分が使いこなしてやっていかないといけないですよね。

美 崎:そうですね。でも、新しいツールを使いこなさないと、そもそも仕事を早くすることができないので使っていますね。戦国時代に織田信長が全国制覇していきましたが、織田信長も豊臣秀吉もその当時の武器にものすごく精通していたわけです。その道具を知らない限りは勝てないわけですから。それと同じで、今大事だと思う道具は必ず使うようにしています。

Facebookは、たぶん今が過渡期で、5年経つとfacebookをしない人がいなくなると思うんです。

コミュニケーションのツールを、周りが使い出すと他の人も使わないわけにはいかなくなるんですね。それがないとコミュニケーションができないわけだから。facebookも同じで、個人で特定されている分、1対1だから、「facebookで連絡をしたいんだけど・・・」と言われたときに「やっていない」となると、「じゃあ電話できないの?」というのと同じになってしまいます。だから5年経ったころには、facebookは一般化していると思いますね。そういう意味ではインターネットの中で、匿名ではなく、本名で人格をはっきりさせるというのを初めて導入したfacebookというのは革命、発明ですね。

内海カ:美崎さんは全国飛び回られて、異業種交流の勉強会や交流会、社長大学とかいろいろされていますが、何の目的のためにそういうことをずっと積み重ねて行動されているのでしょうか?

美崎:変革期の日本、そこのしくみにすごく興味をもって見ているのですが、変革期の日本で何かものを成し遂げた人が何をしたのかと言うと、坂本龍馬や、吉田松陰や、勝海舟もそうですが、あの時代の人たちは皆いろんなところに行って色んな人と会っているんですね。それ以前の戦国時代の信長や、秀吉も同じで、尾張にいて、京都にいて、大阪にいて、名古屋にいて、小田原まで行き・・・、あの時代なのに半端なく行っていたわけです。 だから、私の中で、今年やらないといけないことは、色んなところへ行って色んな方と会うことにしているのです。

内海カ:そういう意味では、私もどこの誰よりもフットワーク軽く他の自動車学校を見て、そこの経営者に会って話を聞いて、その中でビビッときたものを何か自分たちの学校に取り入れるということをしています。それは得意なのですが、私が持ち込みすぎて現場が悲鳴を上げていることもあるのですが・・・(笑)

美 崎:仕事の場合は、どこまでをやってどこから移管するかということを意識しておかないといけないので、意外と移管することが難しかったりするんですよね。またスキルの移管はすごい難しいですね。今、全国で色んな交流会、勉強会ができるのは、それこそ全国で各地に行動できる人をたくさん作っているので、別に私が全部やらなくても全然大丈夫!みたいになっていますよ。

内海カ:その辺はいかに作業を落とし込むかってことが大事ですね、一緒に作業をやっていたら自分が動けなくなってしまいますからね。

※文中の内海カは社長の内海、内海リは専務の内海

美崎栄一郎様プロフィール:
1971年生まれ。大阪府立大学大学院工学研究科を終了後、大手企業花王で研究、商品開発者として勤務し、数々の商品を世にだす。プロジェクトリーダーとして自社だけではなく他社とのコラボレーションを推進。手がけたプロジェクトはテレビや雑誌、新聞にも取り上げられる。サラリーマン時代からプライベートで「築地朝食会」「ひみつの学校」などサラリーマンのアウトプットの場として勉強会や交流会を主催。書著『「結果を出す人」はノートに何を書いているのか』はベストセラーとなり、2010年ビジネス書大賞を受賞。異業種の多くの人脈、執筆、講演などさまざまな活動をしている。


朝永のつぶやき

最後まで読んでいただきありがとうございます!ここからは、編集担当がトークを読んだ感想をまとめたプチコーナーです(^-^)

ビジネス作家である美崎 栄一郎様をお迎えし、美崎様の経歴や本を書かれる際に意識していることなど様々なことをお伺いしました!

普段からiPadを使用したり、新しいツールに興味を持って色々と使っている身なので、今回は読みながら共感しっぱなしでした(笑)

自分がどんな情報を持っているのか?どんな情報が必要なのか?

また、お客様にどんな情報を届けたいのか?それにはどんな手段が有効か?

情報発信をする側としてもっと意識していこうと思います…!!


それでは今回はこの辺で!また次回お会いしましょう♪

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