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洋書の楽しみ方 対談者:日本洋書販売株式会社 代表取締役社長 賀川 洋様

皆さまこんにちは!ヒューマングループnote編集担当 朝永です(^-^)

今回の2006年に弊社が発行するヒューマンニュースレターに掲載した、日本洋書販売株式会社 代表取締役社長 賀川 洋様とのトークです。

まずは今回のゲストである賀川様と弊社社長 内海との出会いからご覧ください!

賀川さんとの出会い

仕事でニューヨークに通っていた時、酒井オーナー(経営の師)から賀川さんを紹介いただき、マンハッタンソーホの事務所を訪問しお会いしました。

当時洋書の書籍販売企画のビジネスをされていて、同じ九州出身(大分)
ということもあり、お付き合いをさせて頂きました。 

その後日本の書籍会社を立ち上げ、幅広く事業を展開されていました。 

今振り返ると、書籍の流通革命がおき始めたころのインタビューでした。

※対談の本文は、2006年2月にヒューマンニュースレターに掲載したトークを当時の文章で掲載いたします。


洋書の楽しみ方

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<ヒューマンニュースレターVOL.25(2006年2月発行)より転載>

洋販(日本洋書販売株式会社)代表取締役社長 賀川 洋 様
ヒューマングループ 代表取締役 内海 和憲

今回のヒューマントークは、東京青山ブックセンターの再建で一躍名をはせた洋書取次販売業界第1位の洋販(日本洋書販売株式会社)賀川社長にご登場いただきました。

内海:まずは賀川社長の経歴をお話しいただけますでしょうか?

賀川:大分県の生まれで九州出身です。九州大学を出まして講談社インターナショナルに入社。そこで海外駐在員としてニューヨークに行きまして、そこで独立。
16年間、ニューヨークにおりました。向うでは出版のコーディネイトとか国際出版事業に携わったのですが、98年に日本に戻ってきまして、当時国内洋書取次業界第2位だったタトル商会の経営に携わりました。そのあと同業界最大手の日本洋書販売株式会社(通称:洋販)と改めて現在に至るという状況です。

内海:洋書っていうと日本の書店ではどちらかというと端っこのほうに置いてありますよね。

賀川:よく洋書って敷居が高くて、限られた人しか読まない印象がありますよね。これを打ち破るのが私たちの仕事なんですね。
洋書って色んなものがあるという事を知っていただきたいのですが、読む洋書もあれば、見る洋書もある。絵本もあればデザイナーが参考にするデザイン集もあり、いろいろとたくさんあります。最近は英語学習教材が増えてますね。日本でつくられた英語教材もとてもいいのですが、英語学習方でオススメしたいのは、やはり原点に返るのもとても大事と思います。そういう意味で洋書が一番最適ですね。

海外からの情報が日本に入ってくるときは、日本人によって一回スクリーニングされているんですね。ですからテレビなどにでる場合は、日本のニュースキャスターがスクリーニングした情報を、日本人にわかるように、日本の文化に合うように変えているんですね。でもオリジナルのものってそうじゃないですよね。日本全体の国際感覚とかを研ぎ澄ませていくいい素材になると思います。だからそういうものを洋書を使ってぜひ活用していただきたいですね。

内海:洋書を手に入れるとすれば本屋にいくわけですが、その他にも手に入る手段はありますか?

賀川:もちろん本屋さんで買えますし、ネットでも買えますよね。それから色んなところでも洋書ってあるんですよ。例えば、フランフランというインテリア雑貨屋とかにも置いてありますね。ビジュアル書なんかも置いてますし、以外と身近なところにあるのをわかってほしいですね。

内海:洋書の仕入というのはどういう風にされているのですか?社長ご自身が仕入れに行かれるのですか?

賀川:もちろんどの本を仕入れるかというのは、仕入部というのがあり、目利きの仕入れのバイヤーがおります。私の仕事は海外の出版社との関係を維持したり、新規のプロジェクトを作ったりということでしょうね。

内海:年にどのくらい海外に行かれるのでしょうか?

賀川:少なくしたいとは思っているのですが、日本の仕事が忙しいので、ロンドンに2日だけ行くとか、ニューヨークに最悪、中1日だけ居て帰ってくるとかそういう強烈な行程で行ってますね。
地球を4週するくらいのマイレージを毎年飛んでると思っていただければ・・・(笑)

内海:ニューヨークの生活が長かったということで、賀川社長自身が英語をマスターされて、本(「がんばらない英語の上達物語」中経出版)を書かれていますが、どういう動機で書かれたのですか?

賀川:よく皆さんにお話しするのですが、英語を勉強するとき、日本の方は、間違うことをすごく恐れてしまう。それから最初から最後まで完璧に言わないといけないと思い込む、それと正しい発音じゃないといけないと思い込む。そういう事を強調する教え方もあるのですが、私はそれに反対で、発音は何でもいいから口を大きく開けて大きい声でしゃべる、そして文法は間違ってもいいからちゃんとフレンドリーに相手に伝えるということからはじめることだと思います。

単語もわからなければ相手から聞けばいいんです。これ何と言ったけ?とか・・・。もちろん単語もたくさん知っていればそのほうがいいし、ビジネスのときは基本的なビジネス用語ぐらいは知っておいた方がいいのですが、それより何よりもまずは相手にぶつかっていく気持ちがすごく大事だと思います。

内海:スピリットですね。スピリットさえあればマスターできるんですね。

賀川:はい、そう思います。

内海:最近は福岡にも進出されたということですが、今後の賀川社長のビジネスビジョンを教えていただけますか?

賀川:私の目的というのは、日本で初めての本格的な国際出版流通会社を作りたいということですね。つまり国籍がないような出版社です。アメリカでもあり、香港でもあり、日本でもあり、どこにあるのかな?みたいな・・・、そういう出版社。世界的な色んなコンテンツを扱える仕事ができると面白いと思うんですよ。

そのときにすごく大事なことは、書店経営、それから取次部門と出版という出版ビジネスの三要素をバランスよくやっていくことですね。ですから出版活動も去年は力をいれてやりました。日本人が英語を勉強するときに、音声をダウンロードして聞けて、そしてテキストも読めるという教材(「洋販ラダーシリーズ」IBCパブリッシング)を開発したり、取り次ぎ部門では、洋雑誌と、児童書をもっと強化したいですね。児童書は地方のマーケットでよく売れる商品なんですね。書店では青山ブックセンターを福岡に作りましたけれども、あと三店舗くらいは東京大阪を中心としたところに書店を作りたいなと思ってます。

内海:今、現在直営の書店は全国に何店舗あるんですか?

賀川:今は首都圏と福岡と成田空港にあります。全部で15店舗ですね。
それとIBCパブリッシングという出版社と、サンフランシスコにSTONE BRIDGE PRESS(ストーンブリッジプレス)という英文出版の出版社がありますね。それに取次ぎとしての洋販があるという感じですね。

内海:私も家族も本が大好きなので、インターネットで注文したりするのですが、自分の目で本を確かめて買うのが好きですね。

賀川:そうですね。実際にさわって中身を見て買えるリアルショップは絶対に無くならないと思いますね。

内海:目で見る洋書ってありますね。色んな写真とかがありますが、海外から買って帰りたいと思うのですが、本が重くてなかなか買えませんね。

賀川:最近は物流もかなり発達してきました。日本で海外の書籍のデータベースを見ることができますから、洋書を扱っている大きな書店に行っていただいて、こういう本がありますか?と言うと洋販のデータベースで直結できるようになっていますので、そこで最速一週間くらいで手に入ります。

内海:それだけのものを日本に在庫を持っていらっしゃるんですか?

賀川:在庫は、日本に持っている部分と欧米でそういうディストロビュータや出版社の方が在庫しているものと両方ですね。ただ今、週に3便、アメリカやイギリスからコンテナで本が届きますので、それに乗せれば基本的に物流時間も非常に短いですね。

内海:以前は国内でも2週間くらいかかってましたね。

賀川:そうですね。洋書なんて一ヶ月かかって来るかどうかわからないこともありました。そういうところがだいぶん改善されてきてますよね。

内海:海外の書店とのネットワークというのは前々から取り組んでおられたと思いますがそのへんはいかがですか?

賀川:海外の出版社とのネットワークというのは我々の命なんです。これからももっともっと強化したいのですが、とくに今までは買うことばかりでしたが、今後は海外の出版社と共同制作で本をつくりたいと思っています。

内海:最近本は書かれていますか?

賀川:最近は忙しく、去年は結局書けませんでした。今年1冊くらいは・・・と考えてますけど。

内海:出版されるのを楽しみにしています。


賀川洋様プロフィール
1955年12月大分県生まれ。九州大学卒業後、81年に講談社インターナショナルに入社。83年からニューヨーク駐在し、88年に独立。92年に編集プロダクションICGを設立し、マンハッタンにオフィスを構える。98年に国内洋書取次業界2位のタトル商会の経営権を取得。2003年6月に業界1位の日本洋書販売配給(洋販)と合併。社名を日本洋書販売として新会社の社長に就任。2004年9月に営業中止に追い込まれた青山ブックセンター(ABC)の再建で注目を浴びる。

著書に『出版再生(文化通信社)』、『英語で話す「アメリカ」Q&A(講談社)』、『誤解される日本人』『ビジネスバトル日本人VS外国人(講談社インターナショナル)『図説ニューヨーク都市物語(河出書房新社)』『3M・未来を拓くイノベーション(講談社)』など多数


朝永のつぶやき

最後まで読んでいただきありがとうございます!ここからは編集担当が今回のトークを読んだ感想をまとめたミニコーナーです(^o^)/

皆さまは”洋書”を読んだことがありますか?

私は一度だけ、英語で書かれた絵画の技法書を読んだことがあります!

とは言っても、英語は全然話せないので、知っている単語と絵を照らし合わせながら読んでいたのを覚えています(笑)

まさに目で見る洋書ですね!

洋楽を聞いたり洋画を字幕で見るということはしますが、”洋書”となるとハードルが高い!と感じていましたが、今回のトークを読んでもう一度読んでみようかな・・・なんて思っています(^^)

皆さまもぜひ”洋書”を読んでみませんか?

私もまずは目で見る洋書で楽しんでみようと思います♪


それでは今回はこの辺で!また次回お会いしましょう。

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