「月の時代」 詩:本多裕樹
「月の時代」
あらまし時の落ちる夜
星のあられも流れゆき
ままあれば静かな月夜
時の果てまで行ってみよう
風、どこまでもゆき巡り
星の国々をゆきながれる
愚かのようで
賢くて、誰も知らない隠者は知る
音を聴け
どこからくるか果てまでも
音を聴け
ある根源の音の可能性、そこにあらゆる音楽が眠っている
情念の燃える火山の怒りは
喜びの叫びであり
大地を火で満たす
そうして歓喜で祭りを成す
月夜、果てもない星空は見えるか
月が消えたり
月が現れたり
星も隠れたり現れたり
出現の闇
昼でも夜でも闇はつづいた
三日は過ぎた頃だろう
いつまで闇に我らはいるのだろうか
夜がいつまでつづくのか
青春は青く春の予感なのに
どうして、こんなに暗いのか
一人、空を見上げては涙する日もあるのだ
時にいつまで夜であっても
心に光はあるもので
月に光に照らされて
月を読みながら冥府を旅する
冥府に我らの故郷があり、時の終わりもまた無にして
我らの時は月による時計の針の巡り
世人は闇を抱えつつ
表では太陽のように輝いている。悲しみも喜びに変えて
2024年11月6日
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