本多裕樹

初めまして、本多裕樹と申します。このnoteで芸術について書いていきます。詩、雑文、評…

本多裕樹

初めまして、本多裕樹と申します。このnoteで芸術について書いていきます。詩、雑文、評論などのアート的なものを読者の皆様に提示したいと思います。よろしくお願いします。https://www.yukihonda225.jp/newas01.html

マガジン

  • イデアの考察 断片集 本多裕樹による

    この断片集は哲学であり、思想であります。その可能性は私の心の中にある問題の整理整頓のつもりで書いています。私の中にどんなものがあるかその探求と考察が書かれています。自分への問いかけと、人生に何を問題にしていたかの手記形式でこの書を発表しています。ぜひ、覗く程度でもいいのでご拝読よろしくお願いします。令和6年3月10日本多裕樹より

  • 芸術の書 本多裕樹による

    この書では本多裕樹の芸術論を書いたものであります。詩論から、絵画論、音楽などをプロポ形式で短文で書き綴りました。平易は文章で流れて行き、本多裕樹の芸術観を表現しました。具体的な内容より、いくらか観念的であり抽象表現なので、この抽象論から流れて、具体的におろせばあなたも芸術の具体論にいたれると予想します。このエッセイ的なプロポを皆様にお届けます。なんらかの参考になれば幸いに思います。どうか、よろしくお願いします。

最近の記事

「酒に酔い」 小説:本多裕樹

「酒に酔い」 小説:本多裕樹 バスに静かに乗っていた。どこに行くまでもなく彷徨うようにどこまでも行く。その果てはあるだろうかと、暗い道で自然豊かな田舎道を。隣には彼女がいて何もしゃべらずじっと黙っている。私の方から話しかけるのがいいのだが、そんな気の利いた話もできるわけでもない。お互い知己の間柄であり、話すこともその内容も飽き飽きしている問題や話題ばかりで自然と何も話をしないのだ。 「私、あの世にいくの」 「ああ、これからあの世だよ、この不思議な旅の果てに、」 「あな

    • 「遊び人放浪時代(抄)」 小説・本多裕樹

      「遊び人放浪時代(抄)」 小説・本多裕樹 初めて自分が展覧会に出品したのは、学校展でありました。あの時はまだ23歳くらいだったと思います。画家としては遅いスタートだった。 23歳であれば早々に展覧会で賞を取って華やいでいる時期ではありますが、そういうエリートコースからも外れてただ描くしかなかった。 そんなある日、休みの日は友人と遊び青春を謳歌していた。 特に地元の友人と街をまわり様々な店を見た。 「君はいろんなものを見た方がいい」と友人は言い様々な昼ごはんやおやつ、

      • 「複雑な箱」 小説・本多裕樹

        「複雑な箱」 小説・本多裕樹 朝方から電車に乗って曇りの空に沈黙の中ゆられていた。何も感じなかったわけでもない。文庫本を読みながら、隣の女子を連れて遠く旅をしている。 何も語らない。 それは電車の中だから他の乗客に迷惑をかけないため。 東京の外れまで、ただ、行く。 お互いチラチラと見る。女子は意外にも爽やかで綺麗な白を基調にしたデザインの服で少しボーイッシュである。髪は整って綺麗であった。靴もスニーカーで軽装と言ったところだろう。 今日はあまり寒くないし、暑くもな

        • 「ジェラシーアウト」 小説・本多裕樹

          「ジェラシーアウト」 小説・本多裕樹 唐突に言われることがある。 「あなたってバカ高校にいたくせに生意気」 そう言われた時、その女に村上春樹の小説を雑談で話した。突発的に相手がイライラしたのだ。それから、私が低学歴なことを良いように批判することがなんらかのシステムが作動したように連続して発生する。なんだろうか、この世のシステム、思考のカラクリなのだろうか。とても不思議だった。 「確かに、僕の在学していた高等学校は入試でね。名前を書き学費を払いさえすれば入学できたところですよ

        「酒に酔い」 小説:本多裕樹

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        • イデアの考察 断片集 本多裕樹による
          12本
        • 芸術の書 本多裕樹による
          34本

        記事

          「二十二歳の春」 小説・本多裕樹

          「二十二歳の春」 小説・本多裕樹  焦っていた。22歳になり何も成せていない。同年代の人は大学を卒業し修士の大学院に入院したり、就職して初任給をもらったり独立して自活して、しっかり生きている。また、なんらかの夢を実現しつつある人もあるし、すでに栄冠を得た者もある。そんな中、俺は何も達成していない。 春のまだ寒い中、そんな焦りとともにスケッチブックに鉛筆で洋館を描いている。それはささっと描き、下書きである。お手のもので慣れた作業だ。 一人の作業だ。 これを褒めてくれる人

          「二十二歳の春」 小説・本多裕樹

          「灯籠祭り」 小説 本多裕樹

          「灯籠祭り」 小説 本多裕樹  うやむやにして、だらしなく日々を過ごしていた。描きかけの画布の絵を見ながら夕日を眺めるように眠たい。この前、女友達から花火を見ないかと誘われたことを、思い出しつつ、まどろみを旅する。その女の子は、友達以上恋人未満の関係の契約彼女だった。その人に会いに、電車で遠く旅をする。普段着で、ワイシャツにチノパンにベルトを締めて帽子をかぶり川辺の駅まで電車にゆられる。 「なぜ、こんなことになったのだろう」そうつぶやきながらウイスキーを舐めながら夕刻から

          「灯籠祭り」 小説 本多裕樹

          美の考察  「もの」     本多裕樹

          芸術の書 2「もの」      もの、物、物質、そのものに力がある。絵でもそうだ。力がある絵というものがある。ただ力だけの峻厳な程のパワーの絵画が、それを描こうと力だけを抽出し、物にしていく。物質に、生命のエネルギーそのものをキャンバスに創造する。  ジョルジュ・ルオーの宗教画には分厚い厚塗りの絵の具に、モチーフ以上の精神の力を宗教的信仰心を祈りを込めて絵の具を塗り込めていく。それは力だ。そして物以上のエネルギー。 そのエネルギーそのものに力がある。 ものはエネルギ

          美の考察  「もの」     本多裕樹

          「反省」  詩・本多裕樹

          「反省」 恋もあったろう むかしむかしの事だった あなたは楽しくあれ 二人は楽しくあれ 時がすぎ、良き思い出となり 儚き盛りの瞬間に そう言う事もあったもの だが、それは長く続くものか 例えば、婚姻でもしていれば その若き日の愛も 保存して そのまま人生を進ませるだろう 若い頃の恋はとても貴重な夫婦の宝物 思い出の日々 あらゆる記念日 二人の思い出が家庭の歴史を創造する 老人となって恋する事もあろう あまり生産的でない 若き日の男女の情熱が家族を作る それは真摯なも

          「反省」  詩・本多裕樹

          「雑文35198」  本多裕樹

          「雑文35198」  今日もこうして夕刻を迎えようとしています。今日は休日で台風の日でもありました。なので午前中はどこにも出かけず部屋でずっと過ごしていました。時間がありましたので、習字をしたり読書をして時を楽しみました。お昼はよくわからない茶漬けを作って食べました。  なんともうだつの上がらない自分を見つめる日であったように思います。自分はこれから何かすごいことを達成できるか、できないか。そのまま時間がすぎて年老いてしまうのかとか。やっぱり若さがないので、頑張るのも大変

          「雑文35198」  本多裕樹

          美の考察 1 本多裕樹による

          美の考察 1  「芸術の書」をかつて書き、それは10年以上前のこと、それから文章の修練もし改めて、今の心境、今の芸術について思うところを書き綴っていきたい。本来なら芸術論を出すには老後かまとめの時期に書くものらしいのですが、今、私は自分の芸術観がどんなものか自分を探る感じで語っていきたいと思います。そして、あの10年前より文章の修練も高めてきたのでいくらか読みやすく書けるように思います。そして、美学という遠大な課題について今どように考えているか内省しつつ考察していきたく思い

          美の考察 1 本多裕樹による

          「無」   詩・本多裕樹

          「無」 あてもなく歩き 夜の静かな秋の風 どことなく夢に見るささやきが 月の世界を彩るであろう 時の終わりに我らあり 静かな場所に埋められて その念仏が大地を清め 新たなる夢を創造する ありし象徴の森にて キマイラを眺め歌う詩に お前のように清くあればと思いつつ 実は輝きに満ちた月の原質を 女を捨てたら不運がやってきて どうあっても女が不運だった イブのような文明を我らが作ったとて 汝が夢にて労働の義務与えられる かつてのリリスを思い出し、

          「無」   詩・本多裕樹

          「雑文39856」   本多裕樹

          「雑文39856」  詩が書けない。昔はスラスラ書けたのに、いくら書いても華が無い。無味乾燥なつまらないものになっている。感情が入らない。それはなんだろうかと思うのだが、やはり若い人の感性には負けるのだ。いつまでも中学生、高校生の感性ではいられないどこかで鈍ったり更年期障害で落ちる部分がやはりあるものです。仕方のない事ではあります。いつまでもアルチュール・ランボーではいられない現実が今あります。 であるなら、今できる詩を書けばいい。いくら若い頃に詩作ができてもいつかは落ち

          「雑文39856」   本多裕樹

          「趣味の絵を描き今日のこと」  本多裕樹

          「趣味の絵を描き今日のこと」  ある高原を歩き、ひっそりイーゼルを立て画布に向かって絵を描いていた。タバコをくゆらせながら絵筆を手にし、色を乗っけていた。絵の具はそれほど高いものではない。貰ったものだから、友人から趣味でもいいから絵を描いてみろと言われた。俺にはそれほど趣味と言われるような上品なものはなかった。あるとすればただ呆然と空を眺めながら、雑誌を読むくらいであった。その雑誌も雑多なことしか書いていない時間潰しの本だった。そんな俺を見て哀れに思ったのか、色々、旅行の手

          「趣味の絵を描き今日のこと」  本多裕樹

          「思春期の門、それはダンテの門」 本多裕樹

          「思春期の門、それはダンテの門」 朝、むらがる人、少年少女のあどけない芽吹きの予感に、新学期をむかえた新入生、私たちは中学に上がり校舎の門を入り、クラス表に自分の名を探していた。  みんな新鮮でみずみずしく見える。特に学ランとセーラー服の服装に目を凝らす。 めずらしくあたりまえになるであろう、その学生の格好に小学生とはまた違う雰囲気を感じた。ボタンの桜の紋章に何か戦争に行く花と散る美しさと不気味な死の予感すら感じた。 私は三組であった。この三組というのは何か序列の順番

          「思春期の門、それはダンテの門」 本多裕樹

          「黙示の時代に救いはあるか」 詩・本多裕樹

          「黙示の時代に救いはあるか」 愛することができなくて苦しむか どうしても、愛せない 何の感情があるか。 不快な思いと女心 では、愛さなくていいのでは そうでもなくて善意から いじめと意地悪、気づかず 心知らず、どちらも利用しあい 女王のような尊厳 そんなものは奴婢のように 自らを貶める そうして、女は落ちていく 正しい恋愛 幸福な恋愛のためには 女性も訓練がいる マナーとモラル 人たらすためには礼儀も必要 そんなことも知らずして生きる女あり 女子をそのまま表現しても

          「黙示の時代に救いはあるか」 詩・本多裕樹

          「雑文45619」  手記・本多裕樹

          「雑文45619」  今まで様々な恋愛を経験してきたが、お金が無いせいかまたは、複雑な事情で叶わないことが多い。それで40代になって独身を通す境地まで行ってしまった。恋愛で成功するためにはやはり経済力と生活力である。あと、仕事をしっかりしていないと上手くいかない。私は若い頃、いわゆるフーテン族でニートでバンドマンのようにアーティストの若手作家であった。ほとんど、そんなその日暮らしで将来の人生設計とか考えるのが皆無であった。成功を夢見たが、結局資金も尽き無理矢理にでも仕事をし

          「雑文45619」  手記・本多裕樹