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「赤き花」   本多裕樹  詩

「赤き花」


儚くもあるのは花だった

その輝く赤い色

儚く、もろく、やわらかい

うつろげで無の世界を思わせもしない

しからば、影も薄く

消え去りそうな美しさ

見るだけで精一杯で

死の予感があると思った。

だが、その様相うらはらに

恐ろしく、あらゆる生命を奪う

死よりも苦い盃を飲まされ、血を食う

あらゆる可能性を得て

世界を蹂躙しようとする花

人を狂わせ、

人の心をとり

世界にその儚い花は咲いていく

お前は、まだそれを知らない

知らない方が救いだ

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