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おじいさんと、犬と、僕。

押忍。かんたです。

夕方6時。
近くの公園のベンチで
ブラジリアンスクワットをしてたところ、

でかめの日本犬が
おじいさんと一緒に歩いてきた。

スクワットしながら
様子を見ていたら
僕の前で止まった。

おじいさんは
ごにょごにょ犬にしゃべってて
犬はガン無視してた。

おじいさんが
「きゅうけいしようか」
と犬をベンチに座らせた。

そこから10分ほどだろうか。

スクワットをする僕と
ベンチで休み一点を見つめる
おじいさんと犬

という昼寝した時に見る夢
のような状況だった。

公園内には
僕とおじいさんと犬だけ。

そのことが一層
夢のように思わせるのだった。

不思議と居心地が良くて

世界の始まりから終わりまでを
見させられているかのような
満足感とむなしさを覚えた。

おじいさんと犬は帰っていったが
僕はその余韻に浸っていた。



高校2年生の5月。

部活終わりの18時。
涼しい風が部活終わりの汗を冷やし
ふと空を見上げる。

少し明るくなった夕焼け空。

ひと夏の訪れをかすかに感じる。

一瞬。

全ての世界の音が消える。

自分の呼吸に意識が戻され
少し前を歩く友達を追いかける。

そんな時に僕はふと、思う。

夏が、来たな。

またこの公園に
来ようと思う。

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