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ドラマ『琅琊榜』で習いたかった中国語~第二十三集②

2024年最初の土曜日の投稿です。まずは、何かと途切れがちなドラマ『琅琊榜』で習いたかった中国語で始めます。ですが1月から観る予定の映画やドラマ、書きたい読書感想文もあるので、別の投稿も挟みつつ今年もできるだけ投稿頑張ります。よろしくおねがいします。

サブタイトル「あの日の真実」の続き。夏江が謝玉の命を守らないであろうと梅長蘇は言うが、謝玉は梅長蘇ではなく「夏江こそ私の生き(残)る道だ」と言って梅長蘇の提示する取り引きに応じない。


实在抱歉 侯爷唯一的这条生路已经被我堵死了

カメラワークが梅長蘇を正面に見据える謝玉の視点に切り替わり、謝玉にとって予想外の言葉を梅長蘇が言い放つ。

实在抱歉
ー実に申し訳ない

侯爷唯一的这条生路已经被我堵死了
ーその生きる道は私によって断たれた

琅琊榜~麒麟の才子、風雲起こす~第23話
梅長蘇

▼实在(shízài) 本当に

▼抱歉(bào qiàn) すまなく思う 申し訳なく思う

▼侯爷(hóuyé)
爵位を持つ人への尊称。謝玉は「一品軍侯」なので「侯」だが、「王」の爵位を持つ人は「王爷」と言ったりする。この表現で梅長蘇は礼儀正しく謝玉に呼び掛けている。

▼唯一的(wéiyī de)
日本語と同じで字面の通り「唯一」+連体修飾の「的」で「唯一の」

▼这条生路(zhè tiáo shēnglù)
「这(是)」+量詞「条」は第三集①でもあったように指示詞が着くある一つの特定のものを指す時の表現で、「この~」という意味になる。「条」は第九集①で扱ったように「路(道)」など細長いものに使う量詞になる。生路は「活路」「生きる道」という意味である。

▼已经被我堵死了(yǐjing bèi wǒ dǔsǐle)
「已经」は「もはや」「すでに」の意。「被」+「人名」+「動詞(句)」で「(人名)に(動詞)される」という受け身の文になる。ここの「被我堵死了」は「私(梅長蘇)にふさがれてしまった」である。「堵」は「ふさぐ」「さえぎる」という意味で、動詞+「死了」で動作の結果作用がなくなったことを表す。謝玉の活路が梅長蘇によってふさがれた、ということだが字幕では「断たれた」になっている。

13年前の真相

ここまでの梅長蘇と謝玉の駆け引き場面に、夏江を訪ねる誉王の様子が挟み込まれていた。最初は夏江の注意を牢の謝玉から逸らすため、梅長蘇の指示で行っているのかと思ったが、第二十二集で話題に出た李重心のことを夏江に聞かせるためであった。李重心は謝玉が卓鼎風に殺させていた人物の一人である。

誉王から夏江に李重心の話をさせ、謝玉が夏江を裏切ったのではないかと疑念を持たせることも狙いだった。誉王がこの件について知っていることを夏江が知ったら、実際はどうあれ謝玉を疑うはずであり、夏江はもう謝玉の命を守ろうとしないだろうと梅長蘇は謝玉に伝えた。謝玉は怒って梅長蘇に襲いかかろうとしたが、鎖で動けず観念して梅長蘇の欲しい情報を語った。

実は13年前、李重心は夏江の依頼で、赤焔軍の先鋒の将軍であり、夏冬の夫でもある聶鋒の筆跡をまねて救援要請の手紙を書いた。内容は赤焔軍の主帥・林燮(林殊の父親)が謀反を画策し、それを知った聶鋒が殺されそうになっているというものだった。

もちろんこの告発は偽造であり、聶鋒の救出が遅くて助けられなかったのも嘘、本当は謝玉が奇襲して殺したのだが、林燮が殺したことにしたのだった。赤焔軍は無実だった。

この件を懸鏡司が調べると夏江の弟子の夏冬がいて都合が悪いため、謝玉の指示で卓鼎風に李重心を殺害させることになったのだ。

実は牢の外でこの話を靖王と夏冬が聞いていた。真相を知って怒りで涙を流す夏冬。それにしてもこの話を謝玉に正体を悟られずに聞いた梅長蘇の精神力・・・冷静な態度でいたが、その場で殺してやりたいくらいだったに違いなくていたたまれない。

怎么了 心情不好吗

真相を知った靖王は母・静妃のもとへ行った。参内が許可されている日ではないが、来てしまったのだ。ただ事ではないと思った静妃が問う。

怎么了 心情不好吗
ーどうしたの?気分が晴れない?

琅琊榜~麒麟の才子、風雲起こす~第23話
静妃

▼怎么了(zěnme le) 
どうですか どうしましたか

▼心情不好吗(xīnqíng bù hǎo ma)
「心情」は「気持ち」「気分」、「不好」は「よくない」、疑問の文末助詞「吗」がついて直訳調にすると「気分がよくないのですか?」になる。

先ほどの謝玉の話で理不尽な真実を知り、小殊に会いたいと言って泣く靖王を静妃は優しく慰めた。

夜になり、靖王が秘密の通路から梅長蘇の屋敷へ来た。謝玉の話した内容に興味がない素振りをする梅長蘇に対し、祁王や林家が無実だったと憤る靖王は、どのように彼らが陥れられたか明らかにすると強い語気で言う。

しかし梅長蘇が指摘するように夏江と謝玉だけで祁王や林家を滅ぼせたのではなく、そもそも皇帝の猜疑心や非情さが根底にある。そして夏江が祁王と赤焔軍を結びつけてみんなを死なせるに至ったのだ。

琅琊榜のエンディング曲『風起時』は、梅長蘇役の胡歌さんが歌っている。この回を見るとエンディング曲の味わいが深まって林殊だった梅長蘇のテーマに聞こえて来てしまう。

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