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ドラマ『琅琊榜』で習いたかった中国語~第二十三集①

サブタイトルは「あの日の真実」。
この物語の根底にある設定が明確に見えてくる大事な回だ。


夏江が謝玉を守るのは、「恩があるからでは?」という梅長蘇の話に納得した誉王。梅長蘇は謝玉にその内容(梅長蘇は赤焔事案に関わると分かっている上で)について口を割らせると言う。

今天我跟你来好好儿地聊一聊 如何

誉王の手回しで収監中の謝玉と対面した梅長蘇は、謝玉に「夏江がいる限りあなたは負け続ける」と言い、それまで梅長蘇の話を聞く気がなかった謝玉の目の色を変えさせた。謝玉に口を割らせるにあたり、懸鏡司の夏江との関係性にひびを入れるため謝玉を巧みに揺さぶりをかける梅長蘇の言葉のうちの一つから。

今天我跟你来好好儿地聊一聊,如何
ー今日は私とじっくりと語り合いませんか?

琅琊榜~麒麟の才子、風雲起こす~第23話
梅長蘇

▼今天(jīntiān) 今日

▼我跟你(wǒ gēn nǐ )
「我」は一人称で「私」、「跟」は「~と(いっしょに)」、「你」は二人称なので、「私はあなたと(いっしょに)」と言う意味になる。

▼来好好儿地聊一聊(lái hǎohāor de liáo yi liáo)
「来+動詞句」の形で、今すぐ動作に取り組む積極的な姿勢を表す。ここで積極的にしたい動作は「聊一聊」で、動詞「聊(雑談する)」二つの間に「一」が入ることで、「ちょっと~してみる」というニュアンスが加わる。

「来」と「聊一聊」の間にある「好好儿地」、「好好儿」が「よく」「ちゃんと」「思う存分」などの意味で、直後に「地」がつき続く動詞句を修飾している。字幕では「好好儿地」の部分は「じっくりと」と表現されている。直訳調にすると「ぜひじっくりと話してみましょう」という感じになる。

▼如何(rúhé) いかがですか、どうですか

謝玉は夏江が自分を裏切らないと主張するが、梅長蘇は蕭景睿の誕生日会の時に、謝玉が卓鼎風を殺そうとしたことを引き合いに出し、信じるより殺す方がてっとり早いので、同じ理屈で夏江も謝玉の命を保証しないはずと言う。

他知道我 我也知道他

謝玉は梅長蘇の話を退けて、夏江を信じる言葉を口にする。

他知道我 我也知道他
ーお互いのことはよく知っている

琅琊榜~麒麟の才子、風雲起こす~第23話
謝玉

▼他知道我(tā zhīdao wǒ)
「他」は「彼」という三人称で、ここでは夏江のこと。「知道」は「わかる」「知る」という動詞、
「我」が一人称で、ここでは謝玉自身のこと。
つまり「他知道我」は「彼(夏江)は私「謝玉」のことを知っている(わかっている)」になる。

▼我也知道他(wǒ yě zhīdao tā)
前文から「我」と「他」が逆になり、「~もまた」という副詞「也」があるので、「私(謝玉)も彼(夏江)を知っている(わかっている)」となる。

全体で「彼は私を知っており、私もまた彼を知っている」という意味になる。字幕ではシンプルに「お互いのことは」でまとめている。

夏江是我最后一丝希望

梅長蘇は謝玉に取り引きを持ち掛ける。夏江は実質的に今謝玉を守る必要がないが、梅長蘇は夏江の秘密を知りたいので、それを教えてくれれば謝玉の命を守るという内容だ。だが夏江に自分を殺す理由がないと思い込んでいる謝玉は一笑に付す。

夏江是我最后一丝希望
ー夏江は私の最後の希望なのに

琅琊榜~麒麟の才子、風雲起こす~第23話
謝玉

▼夏江是(xià jiāng shì)
「A是B(AはBである)」という文の「A是」にあたる。「夏江(人名)は~である」という意味で、Bの部分が以下にあたる。

▼我最后一丝希望(wǒ zuì hòu yìsī xīwàng)
「我」はここでは一人称の「私」で、ここでは「私の」を意味する「的」が話し言葉のためか省略されている。「最后」が「最後」、「一丝」は極めて少ない量を意味し、「丝」が糸や細い糸状のものを指す。最後の「希望」は日本語と同じ意味だが、「一丝希望」で日本語の「一筋の希望」という表現と発想が同じようだ。

そこで直訳調にすると「我最后一丝希望」は「私の最後の(わずかな)希望」ということになる。字幕ではその後に続く「私を利用して夏江に対応する気か?」に繋がるようになっている。

今のところ平行線の梅長蘇と謝玉。
この続きは次回に。

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