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涙する人に向かって、「それなんの涙?」とか思っちゃう人は。
「涙する」という行為は、感情が極まったときに起こってしまう現象であって、その涙に明確な理由なんてありません。
もっと正確に言えば、
あるけれど、一言で「これこれこうです」と言葉にできるような簡単なものではなくて、いろんな感情が入り混じって起きているといったほうが近いです。
嘘の涙は一旦おいといて、他にも例外もあるかとは思いますが、大抵がそうなのだろうと思います。
そこに、「なんの涙?」とか茶化したりしちゃう人、少し心が疲れているはずなので、ここらで一度息抜きしましょう。
その感覚を引っ張り続けると、いつしか自分で自分の首を絞めることにもなりかねません。
どこかでばっさりと切り捨ててしまうほうが良いと思います。
おそらくですが、ご自身の幼少期に、親や先生など周りの大人たちに、同じようなことを言われてきたのだろうと思います。
実は私も一つ、印象的に覚えているエピソードがあります。
それはまだ私が小学校低学年のころのことです。
ある日の夕飯に納豆が並びました。
タレをかけて十分にかき混ぜて、ごはんの上にかけて、さらにごはんと一緒にぐるぐると全体をかき混ぜて、よーし食べるぞー!と一口目を口にしたそのときです。
「なんでそんな食い方してんだよ、汚ねーだろ、もっと普通に食えよ!」
と、父が苛立ちをむき出しにした顔で私に言い放ちました。
楽しく食べ始めたところで、まさか食べ方を全否定されるなんて予想もしていなくて、とてもショックを受けた私は、一口目がまだ口に入った状態で嗚咽するほどに泣き出してしまいました。
「何泣いてんだよ、泣けば済むと思うなよ!汚ねーな!自分が変な食い方するのがわりぃんだろ!」と追い討ちをかける父。
相当ショックだったのか、そのあとの記憶はありません。
涙に嫌悪を抱いてしまう人は、過去に私が経験したように、「泣くことは悪いこと、恥ずかしいこと」と思えてしまうような出来事が一つや二つあったのではないでしょうか。
自分では意識していなくとも、あのときの仕返しかのように、今度は自分自身が他の人にしてしまうこともあります。
私は、今も昔も泣き体質です。
感極まると、自分の意志とは無関係に涙がぽろぽろと出てきてしまいます。
そのせいかよく泣いていたので、「それなんの涙なの?」と笑い混じりで言われてしまうこともありました。
泣きたくない!と思っても、自分では制御できないのです。
ただそこには、言葉にしにくいけどどうしてもあふれ出てきてしまう、何かがあるということは確かです。
涙する人を目にして、「なんの涙?」などと突き放したり嘲笑したりするのではなく、やさしく背中をさすったり、手を差し伸べたり。場合によってはそっとしておくのも相手にとってはいいことかもしれません。
あと、ときにはご自身も涙されてみるといいと思います。
泣くことは、恥ずかしいことなどでは一切なく、体に溜め込んおいては良くないものを、外に出してくれる癒しの効果もあります。
自分も認めて、相手も認める。
その方が心地よくて、よりナチュラルなことだと私は思います。
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