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本だったノートを読んだら、話しかけられた。
「本だったノート」を買いました。
このノートは古紙回収に回るはずだった本たちを再利用して作られたそうです。
表紙の色もたくさんの色が有るみたいですが、もし店頭で自分で選んだら、なかなか選びきれなくて結局買わずに帰る、なんてことにもなりかねなかったので、ネットで買うことにしました。
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カバーや帯は、通常の本よりやわらかいです。
中は、ざらっとしたページとつるっとしたページがあって、めくるのが楽しいです。
何ページか進むと、文字のかけらに出会いました。
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本の旅、第一村人発見、なんて自然とテンションもあがります。
言葉より細かい最小単位は文字だと思ってたけど、その文字すら漢字はへんやつくりに分かれたり、他の文字も一画だけの線や点になっていたりするのを見ると、読める本よりじっくりと目に入れてしまう不思議。
読めないけど確かにそこにある、なんとかして読みたいみたいな。
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それでも読めないしバラバラなんだけど、この点や線たちがそれぞれたくさんの物語だったんだななんて思うと感慨深くなって静かに感動したり、そんな時間がなんだかとても心地よかったです。
そんなふうにふわりふわりと読み進めていたから、いきなりはっきりとしたひらがなに出会えたときはちょっとはっとしちゃいました。
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「よ」です。
本って、必ず登場人物がいるじゃないですか、物語以外だったら作者がいるし。
この本は基本的には誰もいない世界、誰もいないと思っている世界を進んでいる中、突然後ろからなんだか「よっ!」って話しかけられたみたいで、ひとりだと思ってたら人がいたみたいな、びっくりと安心感とちょっとの不信感と喜びも入り混じるような、そんな感覚がありました。
新しく紙にするために一度溶かされているのに、それでもなお残る物語のかけらに、小さくも並々ならぬ力強さも感じられる、そんなステキな本だと思います
私は、ノートとしては使えそうにないです。
なんだかここが原点のような、寛大さと優しさを感じるので、度々開いてはひと休みしようかな。
その際は、他の本たちと同様に、まずは手を石けんで洗って、カバーと帯は丁寧に取ってから、あまり開きすぎないように大事に読みます。
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