見出し画像

面前DV経験者が語る「怒鳴って怒りで支配しようとする人への対応」

「お前がよけへんから、ぶつかってもうたやろ。どないしてくれんねん!」

昨日、混雑していた駅のホームで、年配の男性から怒鳴りつけられた。

大人になってから、誰かから怒鳴られる機会というのはぐんと減った。まあでも毎日どこかへ出かけているし、その中で偶然、怒りに憑りつかれた人と出くわすこともある。

うちの家族が一時的に機能不全的になってしまったことがある。その影響で、僕が思春期の頃、壁を壊すなどの面前DVに該当する行為を何度も目の当たりし、深く傷ついたものだ。

このときのトラウマは恐らく今でも残っている。

僕は今でも怒鳴る男性が極端に苦手だ。怒鳴られた途端、体が硬直してしまう。

しかし昨日は違った。

恐怖は感じているのだが、俯瞰的に状況を見られているような感覚があった。

顔を紅潮させて取り乱し、怒鳴っている男性を冷静に観察しながら「あっ、この人、パニックになっている」「怯えている」という彼の感情を理解できた。

「本当は悲しいのに、怒る以外の感情表現を知らないんだな」と思えた。

心のバケツに悲しみが溜まりすぎて、溢れかえっている。絶えずヒタヒタの状態だから、少しのきっかけで大爆発を起こす。彼は恐らくその悪循環から抜けられない無間地獄で暮らすタイプ。

地獄の住人相手に事を荒立ててもしかたないので「失礼いたしました」と頭を下げた。彼は幾分落ち着きを取り戻したあと、舌打ちをしながら去っていった。

怒りに支配されている人間と対したとき、平静を装うのは大事だ。

内心はビクビクしていても、ポーカーフェイスを意識しゆっくりと通る声で話した方が良い。

「こいつ、ビビってるなあ」と思われたら、相手のサディズムを刺激してしまうからだ。

人間には攻撃欲が存在する。

怒りと攻撃を他者に向けることに依存している人間は、どんどん自分の嗜虐性を加速させたがっている。

この手の輩は、感情中毒といわれるタイプだが、ストレスフルな日々の鬱積を誰かで晴らす機会を耐えず探している。

だからこそ、同じ空間にいる時間を極力減らして淡々と対応するのが大事だ。

昔の僕には「怒鳴る人は強い人」という誤った思い込みがあったが、noteで人間の感情を深堀し続けたことで「弱い犬ほどよく吠える」を心で理解できた。

彼らは悲しみを怒りに転換しているだけなのだ。

この記事を読まれているあなたの周囲にも、怒りで威圧して人をコントロールしようとする人間が少なからずいるかもしれない。

どうかそんな人間ほど脆弱だというのを忘れないでほしい。

怒りに憑りつかれた輩より、しっかり感情をコントロールできて怒りを他者にぶつけない対応ができる人の方が、何倍も強い人間であることは間違いない。

他責スタンスをいつまでも変えず、受け入れてくれる優しい人に甘え、攻撃に明け暮れる人はやはり弱い人だ。

本当に強い人は、行動変容を恐れない内省できる人である。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?