「孤独」の恐ろしい弊害
現代的な問題に「孤独」というものがあります。
特にここ10数年で日本での問題が激増していて、ユニセフが2007年に行った調査では、「孤独を感じる」と答えた15歳以下の子供の数は29.8%と、先進国では最高の数字を出しました。
「孤独」にはどのような弊害があるのでしょうか?
2015年にブリガムヤング大学が行ったメタ分析では、孤独感はタバコや肥満と同じくらい全身に炎症を起こし、死亡のリスクを高めることがわかっています。
孤独感が強い人は早期死亡率が26%も高まり、社会からの孤立が長引けば、その数字は32%にまでアップしてしまうのです。
では、孤独だった人に友人ができたらどうなるのでしょうか?
同じくブリガムヤング大学が2010年に行ったメタ分析では、過去に行われた「孤独と健康」に関する研究から31万人分のデータを精査し、人間の寿命を延ばす効果が高い要素を調べました。
その結果、「良好な社会関係」の数字がずば抜けて高く、孤独だった人に友達ができた場合、最大で15年も寿命が延びる傾向があることがわかりました。
健康への効果はエクササイズやダイエットの約3倍で、禁煙よりも「友人」の方が影響が大きかったのです。
さらに、ハーバード大学が行った「成人発達研究」では、約80年間にわたって724人の人生を記録し続け、「人間の幸福にとってもっとも大事なものとは?」の答えを割り出しました。
研究のリーダーであるロバート・ウィルディンガー教授は「彼らの人生から得られた、何万ページにもなる情報から明らかになった事は何でしょう?それは富でも名声でもがむしゃらに働く事でもありません。私たちの体を健康にし、心を幸福にしてくれるのは『良い人間関係』です。これが結論です」と言います。
いくら富や名声を得ようが、病気にならない完璧な肉体を手に入れようが、身近な人たちとの関係が悪ければ「満足」の機能は活性化されず、幸福になることはできないのです。
つまり、科学からみれば、「友達を大切に」というのは、綺麗事でもなんでもなく、幸せになるためにもっとも費用対効果が高い行為なのです。
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