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科学的に見た最高の職場の条件 前半

①自由

数ある研究の中でも、「自由」ほど仕事の幸せを左右する要素はありません。

1380人の労働者を集めた台湾の研究では、次のポイントをもとに被験者が働く会社の自由度を調べました。

・作業を実行するスケジュールを好きに設定できる。

・タスクの内容を好きなように選べる。

・収入や社内ルールに対して好きな意見を言える。

その結果、職場の自由度が高くなるほど被験者の仕事への満足度は上がって離職率が下がり、ストレスが大きな作業をしている間もネガティブな感情になりにくい傾向がありました。

他にもロンドン大学が公務員を対象に行った調査では、

・タバコを吸うけど、会社内の自由度が大きい

・タバコは吸わないが、会社内の自由が小さい

という2つのグループを比べたところ、タバコを吸わないが自由度が小さいほうが体を壊しやすく、慢性病にかかる確率も高い傾向がありました。

つまり、仕事の自由度とは、タバコよりも人間の健康に大きな影響を及ぼすのです。

ちなみに、男女によって幸福度が上がる自由は異なる傾向があり、

・男性→仕事の進め方と作業ペースの自由が効くほど幸福度は上がる

・女性→仕事に取り組む場所とタイミングの自由が効くほど幸福度は上がる

ということがわかっています。



②達成

近年では、科学の世界で「小さな達成」が仕事のモチベーションを大きく左右することがわかってきました。

ハーバード大学が行った調査では、「仕事のモチベーションを高める最大の要素とは何か?」という疑問に対して、7つの会社から238人のビジネスマンを集め、全員のパフォーマンスの変動を12000時間にわたって記録し続けました。

その結果、人間のモチベーションがもっとも高まるのは、少しでも仕事が前に進んでいるときという結論が出ました。

「小さな達成」の内容は、仕事に関係していればどのようなものでも構わないそうです。

どんなに小さな達成でも人間のモチベーションは高まり、やりがいの感覚が生まれます。

先のハーバード大学の研究によれば、およそ95%のマネージャーが「従業員のやる気を高めるには給与を与えて褒めるのがベストだ」と答えたそうです。

世の中に「小さな達成」の重要性が知れわたるまでには、まだまだ時間がかかりそうです。



③焦点

科学の世界では、「性格テスト」は適職探しの当てにならず、現時点では適職探しに使われるテストの大半がデータの裏づけがなく、仕事の幸福度アップには使えないことがわかっています。


そんな中、適職を探すのに役立つ唯一の性格テストとされているのが「制御焦点」です。

人間のパーソナリティを「攻撃型」と「防御型」の2つのタイプに分ける考え方で、主にコロンビア大学などの研究で、仕事のパフォーマンスアップ効果が証明されてきました。

2012年には、105の先行研究をまとめたメタ分析が行われ、「攻撃型」と「防御型」の区別を使うことで、個人の職場での満足度や仕事への取り組み方などをある程度まで予測できるそうです。

そして、人は焦点タイプに合った働き方をした方が能力を発揮しやすく、そのおかげで仕事の満足度も高まるということがわかっています。

自分のモチベーションタイプを判断するのに使えるのが、「促進予防焦点尺度」というテストです。

攻撃型に適した職業:コンサルタント、アーティスト、テクノロジー系、ソーシャルメディア系、コピーライターなど進歩や成長を実感しやすい仕事が適しています。

防御型に適した職業:事務員、技術者、経理系、データアナリスト、弁護士など安心感と安定感を実感しやすい仕事が適しています。



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