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科学的に見た最高の職場の条件 後半

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https://note.com/hsp_scientist/n/n5b35578c9ab0


④明確

南フロリダ大学のメタ分析では、「仕事のストレスと健康」に関する先行研究から72件をまとめ、「どんな職場で働くと体を壊すのか?」という疑問について調べました。

その結果、タスクの不明確さは、社員の慢性疲労や頭痛、消化器官の不調と大きな相関があることがわかりました。

特に悪影響が大きかったのは、「仕事で何を求められているかがわからない」と「上からの指示が一貫しない」の2つで、このような職場で働く社員は寝ても疲れが取れず、最終的に頭痛や胃痛などの症状に悩みやすいようです。

そのため、仕事を選ぶ際には「タスクの明確さ」をチェックしておくことが大切になります。



⑤多様

テキサス工科大学が約200件の先行研究をまとめたメタ分析によると、さまざまなスキルや能力を活かせる職場で働いた場合、仕事の満足度がアップするということがわかっています。

心理学では「快楽のウォーキングマシン」と呼ばれる現状があり、人間はどのような変化にもすぐに慣れてしまう性質があります。

そこで、「多様」の考えを取り入れることで幸福度を高めることができるのです。

多様の条件は、

・自分が持ついろんなスキルや能力を幅広く活かすことができる

・業務の内容がバラエティに富んでいる

というもので、この2つの条件を満たす職場ほど、幸福度は高くなります。



⑥仲間

500万人を対象に行われたアメリカの調査では、被験者の職場における人間関係を調べたところ、次の傾向がわかりました。

・職場に3人以上の友達がいる人は人生の満足度が96%も上がり、同時に自分の給料への満足度は2倍になる(実際にもらえる金額が変わらなくても、友達ができるだけで給料の魅力が上がる)

・職場に最高の友人がいる場合は、仕事のモチベーションが7倍になり、作業のスピードが上がる。

つまり、給料の多さや仕事の楽しさなどの要因とは関係なく、社内に良い友人がいるだけでも人生が幸福になるというわけです。


そして、劣悪な人間関係のもとで働く人ほど寿命が短くなるということもわかっていて、

・嫌な上司のもとで働く従業員は、良い上司のもとで働く従業員に比べて心臓発作や脳卒中で死ぬリスクが60%高くなる

・嫌な同僚のせいで悪化したストレスは、たとえ会社を辞めても健康的なレベルに戻るまで22ヶ月かかる

・人間関係が悪い会社でな、社員が高血圧や高コレステロール、糖尿病に悩む確率が20%増加する

など、人間関係の悪化が健康に及ぼす影響は非常に大きく、そのダメージのレベルは長時間労働や福利厚生の不足の悪影響を上回るレベルです。

仕事を探す時は、「仲良くなれそうな人がいるか?」という基準で職場を選ぶのも決して間違いではありません。



⑦貢献

2007年、シカゴ大学が約5万人の男女を集め、「高い満足感を得やすい職業はどのようなものか?」という疑問について調べました。

その結果もっとも満足度の高い仕事のトップ5は次のようになりました。

1.聖職者

2.理学療法士

3.消防員

4.教育関係者

5.画家・彫刻家

一見すると、職業はバラバラで、日々の作業もまったく異なりますが、仕事の幸福を高めるのに役立つ共通点があります。

それは、「貢献」です。

満足度の高い仕事の上位に並んだ職業は、どれも他人への貢献がわかりやすいものばかりです。


そして、満足度が低い職業にランクインしたのは、倉庫ピッキング、レジ打ち、工場での単純作業などでした。

これらの職業は、「自分の働きが他人にどう貢献しているのか?」が見えにくいという共通点があります。


人に貢献することのメリットは多くのデータが支持していて、ボランティア活動を行う人ほどうつ病の発症率が低いという事実や、「他人への小さな親切」を1日5回ずつ6週間ほど続けた被験者に大きな幸福感の向上が認められたという研究もあります。

仕事を探す際には、「貢献」の視点を取り入れてみてはいかがでしょうか?

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