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エステティシャンorアロマセラピスト:これから目指す方へ。

一般の方から見たら、ほとんど変わりないように思われると思うのですが、雇用する側から見ても、雇用される側から見ても、違いがあることを書きたいな。と思いました。
特に、これからこの業種を目指したい方に向けて書きたいと思います。
エステティシャンかアロマセラピストか?
実は、いま現在、私は、むしろアプローチの仕方に違いがあれど、この両者は非常に似ていると思っています。
両者共に、国家資格ではないという点でも、あまり差はないと思います。
ですから「どこで」「何を学べるか?」「どうやって仕事にしていくか?」と言うところが、将来を考えた時に重要なことになると思います。

実は、とあるスパ事業を運営されている方のブログを読んで、ふと、その方の思い違いを訂正したい。と、思った事がきっかけで、書き始めたのですが・・・。

そもそも、スパ事業と言うものにも、一流ホテルの中に店を構えるタイプから、ルームサービスとして訪問するタイプ、本格的な温泉養生施設や、レジャー施設まで、経営方針の違いがあると、私は思っていますが。
一流ホテルに店を構えるタイプの事業をされているこの方の、従業員を雇う基準は、「CIDESCO, CIBTAC, ITEC, IFA/IFPAと、国際ライセンスを持っている事」とのことでした。
そういえば、船に乗船するタイプのSPAも、お客さまがグローバルなので、資格には国際ライセンスを求められている求人情報を見たことがあります。
豪華客船のセラピストとしては、SPAセラピストのコースを終了したシデスコが最も有力な資格になると思いました。

求人情報を見ていると(←業界の動きがわかりますw) レジャー施設系、リラクゼーション系の企業は、企業内研修で済ませているところも多いです。
理美容(国家資格)の専門学校で、理美容の国家資格と並行してエステティックの資格を取れると謳う学校の多くは、AJESTHE(一般社団法人日本エステティック協会)やCIDESCO、日本ネイリスト協会のネイル資格、ちなみにシデスコ認定の内容に、ウェルネスとしてのネイルケアは含まれています。
私調べでは、ボディケアをバランスよくトータルで学ぶ中でネイルもスキンケアの一部としているのがアジャステとシデスコで、芸術的なアートとしてネイルの装飾の腕を競っていらっしゃるのが、ネイル専門家のネイリストと言う感じがします。
ちなみに、シデスコ(国際)はアジャステ(日本)の完全上位互換であると、私は思います。

老舗大手エステティック店は、傘下にスクールを持っていることも多かったのですが、今は、各学校を卒業して業界内の有力な資格認定を受け就職をする。と言う流れと思います。
事故や訴訟を防ぐためにも、共通の一定水準を設けて、業界の水準を底上げしていこうと言う努力の賜物かな?と、お見受けします。
もうひとつ、理美容と言う国家資格とダブルライセンスで潰しの効く人材になる点もあるかもしれません。
こう見ても、なんとなく最初から、就職を目指して学んでいらっしゃる。エステの資格をとってまず開業しよう。と言うスタート地から始まっていないと、思います。

一方で、国際資格のアロマセラピストの養成校は、どちらかと言えば、心身の不調をきっかけに、自分の体調を改善して楽になりたくて始める人も多く、スタート地がそもそも違うようにも思います。
理美容の専門学校で副教材のように受講するアロマテラピーは、AEAJのアロマ検定レベルが多く、学内卒業時に取得できる資格として、アロマ検定1級としている所を見かけますが、国際資格のアロマセラピスト養成校は、学習時間に差はあれど、人体の解剖生理学、マッサージの理論と実技、アロマテラピーの理論と実技は基本事項として学ぶことになっていると思います。
失礼を承知で、言わせていただきますが、このAEAJアロマ検定1級と国際ライセンスの差は、幼稚園と大学の博士課程くらいあります。
ですから、国際ライセンスを目指す!と言う人は、余程の理由があるのではないかと思うので、その「余程の理由」は、どこか企業に就職を目指すものではないのだと思います。

もうひとつ、大きな違いが、エステティシャンもアロマセラピストも国際ライセンスを取得している場合、解剖生理学を学びますが、シデスコエステティシャンのメインの学習は肌の整理機能と使用する化粧剤、栄養学であり、IFAのアロマセラピストは、医療従事者による病理説明を理解できるレベルで、その際に気をつけなければならない精油を切り分けられ、できることとできないことの切り分けができ、出来ないことを出来ない。と、はっきり言える為の解剖生理学です。

ビューティーセラピーも、人間が人間らしく生きていくためには、とても重要ですから、どちらからのアプローチも良いものだと思います。
ただ、エステティシャンは使用する化粧材が好きだという理由で、企業に勤めることも容易な気がしますが、アロマセラピストは、ひとりひとりに向き合って精油をブレンドする事が、真骨頂ですから、ブレンドが決まっているオイルでマッサージをするのが仕事ではないと私は思っていて、そのアロマテラピーを実現するには自営以外の選択肢がないように思いました。
一人一人に向き合うことに重心を置くと、数をこなして儲けを出さなければならない、自社の施術者の水準は均等でなければならないと言う経営者とは意見が合いません。
個人事業主は二足の草鞋をしている状態なので、経営者としての自分とセラピストとしての自分は、いつも頭の中でケンカしています。(笑)
つまり、本来あるべき姿としてのアロマセラピストを目指そうと思った時、自分で道を開拓していけるだけの力がないと、思うような仕事の仕方はできず、挫折していくのかな?と言う人たちも見てきました。
これから道を切り開いていこうと言う方には、良い師匠となる先輩を見つけていただけることが一番良いのでしょうね。

オルカさんも、良い手本となれる先輩と思ってもらえるように、アロマセラピストの育成もしていきたいと思っていますが、オルカさんが育てたいアロマセラピストは、介護現場で、アロマテラピーによるケアを、リーダーとして牽引していける介護アロマセラピストなので、ご興味のある方は、ぜひ、オルカで学んでください。

エステティシャンとアロマセラピスト、いまは違いをそれほど感じない。と言いましたが、実は、アロマセラピストの認定を受けて活動を始めた頃は、アロマテラピーによるトリートメントをエステと言われることが嫌でした。(笑)
いまにして思うと、何にわだかまっていたのか、よくわからないのですが、いっこだけ覚えているのは、エステティシャンに「アロマテラピーの手技はフワフワしていて気持ち良くない。」と言われた事。しかし、実際、自分はシデスコ有資格者からスウェディッシュマッサージを基礎として指導を受け、その上で、英国伝統のアロマテラピートリートメントと言う手技を習得してきているので、エステティシャンのできる手技は、自分もできるわけですから、言われていることに、いささかムッとしていることもありました。(笑)
エステマシーンは、痩身の分野においては、一度で結果を体感させられる点では、顧客にとって魅力的だろうとは思いましたが、たった数時間で劇的な変化が起こる事は、本来、体にとって負担がかかる事なので、ウェルネスを考えると、違うな。と思うようになると、人の手に勝る心地よい道具はないと思うようになりました。
そう言う理由で、ハンドテクニックに磨きをかけたりもしましたが、いやいや、そもそもアロマテラピーは、芳香療法であって、嗅覚から大脳辺縁系への刺激が、海馬、扁桃体、そして、視床下部、脳下垂体と伝わっていくから、自律神経やホルモンバランスを整えることを得意としている自然療法なわけで、その使用方法のひとつにトリートメント法があり、「皮脳同根」と言う概念に基づき、セルフケアの案内だけではなく、サロンでしかできない、誰かの手に身を委ねる事で得られる「癒し」を提供しているにすぎない。と、一周回って、エステと呼ばれてもいいや。と言うところに落ちつきました。
なので、もう、そうなってからは、どうとでも好きに呼んで。という感じで、オルカのお客さまは、エステに来る方もいれば、補完療法に来る方もいれば、リラクゼーションに来る方も、マッサージ屋と思っている方も、本当にそれぞれです。

エステティシャンもアロマセラピストも、最終的にどう言う志事(しごと)をしていきたいか、考えながら勉強を続けていくのだと思います。
どちらからでも、ホテルSPAからケア現場まで、どこでも仕事につなげていけます。実力社会ですので、お互いに切磋琢磨して、先輩も後輩も容赦なく「そう言う技術いいな!」と思ったら盗みます。一生成長(勉強)できる仕事です。




ご支援ありがとうございます。いただいたご支援は精油の購入や「アロマケア」の臨床研究費としてありがたく頂戴して、研究成果を発表していけるように頑張ります。今後ともよろしくお願いします。