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アラフォーから始める個人開発のススメ

はじめに

はじめまして。
私は「Korette(コレッテ)」というWebサービスを運営しているHirozと言います。

どうぞよろしくお願いいたします。

この記事では、私が、Webサービスやアプリなどを仕事ではなく個人で開発している人、いわゆる「個人開発者」として感じている、個人開発の良さと、個人開発はアラフォーでもエンジニア未経験者でも挑戦できるオススメできるものであるということをお伝えしたいと思います。

特に、私と同じようなアラフォーの年代、そして個人開発に興味はあるけどプログラミング未経験という方に是非見て頂けたらと思います。(もちろん、それ以外の方も参考になれば嬉しいです。)

Koretteって?
はじめに、私が運営している「Korette(コレッテ)」の紹介をさせてください。

Koretteは、観光地にまつわる歴史や音楽、人物などをクイズにすることで、観光地の魅力を楽しみながら発見・発信することができるサービスです。

このサービスは、私が仕事ではなく個人で開発・運営をしているものです。

2017年12月にWebサイトでのサービスを開始、2018年12月にスマホアプリ版(iOS/Android)をリリース、2019年5月にLineBot版をリリースしました。

サービスの題材となる観光スポットの情報に自治体のオープンデータを活用しています。

 2018年3月には東京都主催の「東京都オープンデータアプリコンテスト」で準優勝(優秀賞)を、そして、2019年2月には内閣府主催の「第三回RESASアプリコンテスト」で三菱総合研究所賞を頂きました。


1.「個人サービスをやってみて良かったですか?」

私の本職はエンジニアではありません。
パソコンを弄るのがちょっと好きな普通の事務職のサラリーマンです。

プログラミング経験がほぼゼロの状態から、独学でプログラミングを習得し、約9カ月かけてリリースに至りました。

リリースまでの道のりは、想像以上に大変なもので、何度も挫折し、諦めかけました。

「サービスをリリースすれば、沢山の人が興味を持って使ってくれる」
そう思ってリリースにたどり着いてみたら、そこはスタートラインでした。

プログラミング以外にユーザーサポートや地道なプロモーション活動コラボ先との調整などなど、さらにやることが山のような世界が待っていました。

個人開発は、仕事も家族との時間もあるなかで、プライベートに使える僅かな時間を使って行います。

仕事から帰ったらビールも飲みたいし焼肉も食べたいです。

競合するプライベートの時間から残った僅かな時間を膨大に転がるタスクに振り向けることになります。
時間以外にも、学習に必要な費用やサービスの維持に必要なコストも低く抑えていますがゼロではありません。

周りから「仕事でもないのにそんなことやってるの?」とか「ドMだ」とか「ドSだ」とか言われます。

確かに、まるでお金を払って滝に打たれる修行僧のようです。

そんな日々を過ごしていますが、「個人サービス開発をやってみて良かったですか?」と聞かれたら「はい!」と即答できます。

それは、たとえお金を払ってでも惜しくない「得がたいもの」が沢山あると感じているからです。

2.やってみて感じた個人開発の良さ

(1)なぜ個人開発を始めたか

私がHirozとしてブログデビューしたのはQiitaの「中年の危機ど真ん中のオッサンがWebサービス作ってみた」でした。

そのブログのタイトルにもなっているとおり、私が個人開発を目指すきっかけになったのは、このタイトルにもなっている中年の危機というものに陥ったからです。

私が中年の危機に突入し、葛藤する日々については、先日出版した「個人開発がやりたくなる本」に書いてみました。

興味のあるかたは、こちらも是非手に取っていただければと思います。

アラフォーの皆さん、35歳を過ぎた頃、ふと現状に「このままでいいいのかな?」と思ったことはありませんか?

その日から、今まで見ていた景色と違う景色が広がって、日々に不完全燃焼を感じるようになり、何かモヤモヤした日々を過ごしている。

そんなことはありませんか?

私はまさにそんな日々を過ごしている人間でした。

そんなモヤモヤを払拭するためにビジネス書を読み漁り、試行錯誤を繰り返した結果、プライベートプロジェクトとして個人開発をしようと思い至りました。

プライベートプロジェクトには中古品の販売から本やブログの執筆、飲食店の開業、不動産の経営など、大きなものから小さなモノまであると思います。

その中で、私はPCを触るのが好きだったことや、次にあげるような良さがあるのではないかと思ったことから個人開発を選択しました。

そして実際にやってみて、期待通り、期待以上の良さがありました。

(2)個人開発の何がいいと感じたか

①自分の想いを込めたサービスが作れる

会社に勤める、誰かのビジネスを手伝うというのは、誰かの想いが形になったものを手伝うということになります。
一方、自分でサービスを作るということは、自分の想いをそのままサービスに込めることができます。

自分の想いを込めたサービスはこだわりも愛着もハンパ無いものになります。まるで自分の子供のように何でもしてあげたくなります(笑)

真っ白なキャンパスに絵を描くようなところがあるので、自由度が高すぎて迷子になりそうになりますが、制約なく物事を考えられるのはすごく楽しいですし、貴重な経験になります。

②サービスを利用者の反応を見ながら改善できる

利用者の顔や声が見えやすいこと、そしてそれをデータとして確認できるというメリットがあります。

個人開発のサービスは、サービスそのものが小さいので、会社に所属して商品やサービスを提供していると得にくい、直接人の役に立っている実感や利用者の生の声に触れることができます。

また、利用者のニーズを行動データとして捉えることができるのでそれを見ながらサービスを改善するPDCAを回して、サービスを育てていくという体験ができます。

また、改善施策も、会社でやっていると組織が分かれていることにより、自分の部署でできることを優先してしまいますが、個人開発であればサービスの全体を通してどこに手を打つと改善できるのかという全体最適を考えて施策を打つことができます。

データを見ながら自分で仮説を立てて、改善に取り組んだ施策が当たって、その結果がデータとして出てくるという体験ができると、脳から汁がでるほどの喜びがあります。

③一人でも(小さなチーム)でも大きな仕事ができる

個人で何かをしようとしたときは、その個人のリソースがサービスとして提供できる限界になりがちです。

個人開発でサービスを作ると、サービスそのものやそこに蓄積するコンテンツを資産としてコツコツ蓄積していき、その資産が利用者にサービスを提供するようになります。

また、サービスを開発する時間とサービスを提供する時間が非同期になるので、空いた時間にちまちま作って、自分が時間を割けない間もサービスを提供し続けることができます。

無人店舗を作るような感じですかね。

なので、開発者が1人(少人数)でも沢山の人にサービスを提供できる、スケールさせることができます(サポートが追いつかなくなることはありますが。。)

④人を巻込み、人に巻込まれる

サービスをリリースすると、同じようにサービスを開発している人や自分と同じビジョンを持つ人など、普通に生きている上では出会えない人との繋がりを得ることもできます。

個人開発をきっかけに会う人たちは、キャラが立ってて熱い方が多い!凄いエネルギーを持った人達が多いです。

同じ個人開発者だけでなく、フリーランスの方などとも出会いの機会を頂き、定期的に交流させていただいたりしています。

そこから派生して色々なイベントなどに声をかけて頂いたり、同人誌の執筆に声をかけて頂いたりするようになりました。

自分の業界だけでなくいろんな業界の事情・価値観などが分かって視野も広がりますし、そういう人達と一緒にいると、自分もエネルギーを貰って頑張れる気がしてきます。

⑤熱量を伝えるプレゼンの経験ができる

仕事柄プレゼンをする方もいらっしゃると思います。私も仕事で、事業の説明などを社内・社外で話す機会があります。

自分のサービスをプレゼンしてみて、自分の作ったサービスのプレゼンをするときは、それだけだとちょっと足りないんだなと思いました。

それは、サービスの想い、熱量を伝えることが必要だということです。

会社の事業説明などの場合、どうやったかということを、なるべく具体的・客観的に伝え、感情は極力抑えて冷静に話すということが重視されます。

でも、自分のサービスをプレゼンするときは、なぜやってるのか、どう言う未来を創りたいのか、それを情熱を持って伝えて仲間を募ったり協力者を得ていく。

そのために、プレゼンのストーリーに感情の山谷の波を作って、その波に合わせて言葉に感情を乗せて伝える感じでという感じでしょうか。

もちろん説得力を高めるための具体策、定量的な指標なども大事です。

ですが、どちらかというと、感情を載せるという方に軸足を置くくらいでプレゼンする方が「良かった」と言ってもらえると感じました。

これは恥ずかしさが出てしまって、今でもなかなかうまくできていないですが、やり終わった後の黒歴史感と共に訪れる達成感には中毒性があります。

この経験は会社にいるとなかなかできない経験だなと思います。

⑥組織の肩書に頼らない世界を試せる

会社務めをしていると、〇〇社の〇〇さんとして、やり取りが増えていきます。
ある日ふと仕事で名刺交換をしているときに「今、自分の目の前に居る人達は、私が会社の肩書がなくなったら、たぶんあってくれないんだろうな」そんなことを思ったりしました。

そんなこともあったので、個人開発をやるときは、組織や肩書のバイアスなしに自分がどこまでやれるのか試してみようと思いました。

そう思って、Hirozという名前での活動を始めることにしました。

組織の肩書を持たない世界、純粋に自分の力で勝負する世界は、想像していたとおり容赦ないものでした。

サービスの紹介や協力のお願いなど、連絡してもほとんど返事がありません。話しをする機会が貰えてもすごい上から目線でお話される方もいらっしゃいました。

そんな状況から始まり、東京都のコンテストに応募し、法人の肩書を持つ人たちとの最終審査のなかで準優勝(優秀賞)を得たのは大なターニングポイントとなり、その後の雰囲気が変わりました。

コンテストで賞を取ったり実績を積み上げていくと、返事をくれる率が高くなっていきます。先方から声をかけてもらえる事も出てきました。

「戦国時代の下克上」な感じがして痺れます。

肩書きの無い世界でゼロから積み上げて実績を出せたということは、自分への自信にもなりました。

さすがにサービスもリリースから1年経過し、Hirozという名前だけだと企業とのコラボなどがしにくく限界を感じるようになってきたので、最近はCultiVisionという非営利団体を設立し、そこの代表として、実績を積み上げるのを始めています。

⑦ 全てが自分の責任と腹を括る経験ができる

お金がない、人がいない、周りの人が言うことを聞いてくれない・・・
組織にいると、上手く行かないことを人のせいにしてしまいがちです。

個人開発は、全てが自己責任です。

リソースの配分は全て自分で決定することになります。

お金がない、人がいない、周りの人が言うことを聞いてくれないのは全て自分が至らないからです。

上手く行かなくても人のせいにはできません。

人のせいにせず腹をくくって物事に挑戦するという経験ができます。

この腹を括るというのができるようになると、普段の仕事をしてても「個人開発に比べたらたいしたことねぇええ!!!」と思えるようになれます。

個人開発のほうがよっぽど思うようにいきませんもの(笑)

⑧起業や転職前に後戻りできる形で試せる

個人開発は、自分で開発している限りは初期投資や維持費をかなり低コストでできるので、それらの費用をお小遣い程度でやりくりできる範囲に抑えることができます。

なので、失敗しても大きな借金を負うとか大した損失にならず引き返すことがしやすくなります。(もちろん、サービスの提供者として責任ある畳みかたは必要ですけれども)

また、低コストで運営できるということは、維持費に必要な経費を売り上げで賄わなくてもすむ、つまりマネタイズを一旦置いておいて挑戦することができます。

日本の多くの企業はまだまだ副業が禁止されているところも多いと思います。覚悟を決めて退職して事業を起こしたら失敗して、再就職できなくなった・・・なんてことを避けることができます。

アラフォーだと家族がいてとかの理由で、いきなり収入ゼロで借金しまくって起業というのはリスクも大きいですし後戻りもできなくなってしまいます。なので、後戻りできるかどうかというのは、30代・40代の方にとって大きなメリットになるかと思います。

起業や転職などを考えてなくても、後戻りができるので、自分のキャリア開発のフィールドとしても活かすことができます。

⑨ ほど良い参入障壁がある

 個人開発は「プログラミングを覚えないとできない」ということと、「何を作るかというアイデアがなければ作れない」ということの2つを乗り越える必要があります。

「プログラミングを覚えないとできない」という点については、ブログを書いたり何かを販売するという他のプライペートプロジェクトよりも、始めるために一定の学習が必要なので、気軽に手を出す人はまだ少ない感じです。

プログラミングのプロであるエンジニアさんは、この問題を既に乗り越えてているので、みんな個人サービスをリリースしているかというと案外そうでもなさそうです。それは、「何を作るかというアイデアがなければ作れない」わりと苦手意識を持っている人が多くいらっしゃるのではないかと思っています。エンジニアさんと企画を持った人を繋げるマッチングサービスが存在する位なので。

なので、アイデアを形にするのがある程度できる人であれば、プログラミングさえ何とかなれば、エンジニアさんに負けずに個人開発で立ち回ることがでると思います。

そして、「プログラミングを覚えないとできない」ということと、「何を作るかというアイデアがなければ作れない」ということの2つが参入障壁となって、サービスをリリースするところまで行けば、比較的目にとめてもらえるようになります。

(3)どんなキャリアを選択するとしても資産になる

これまで上げたメリットは、前述した個人開発以外でのプライベートプロジェクトでも得られるメリットと共通するものもあると思いますが、いくつか(①②③⑨あたり)は個人開発ならではのメリットなのかなと思います。

これは、今の仕事を続けていくにしても、転職や起業をするにしても、どの選択肢をとっても素晴らしい資産になると思いますし、今後の人生においても、常に選択肢を持ちづ付けられるようにもなると思います。

これだけの機会と経験が得られる個人開発。

やってみたい!と感じでいただけましたでしょうか。


3.アラフォーのからの個人開発は不利なのか?

(1)アラフォーなりの戦い方をする

これをお読み頂いている皆さんの中にも、「Webサービスリリースした」系のブログなどでを読んで、既に個人開発に興味を持っている人も多いのではないでしょうか。

でも同時に、「もう若くないし・・・」とか「プログラミング経験ないし」というのが心に浮かんで一歩を踏み出せない方もいらっしゃるのではないでしょうか。

特に私のようなアラフォーの方は、30代では遅いと言われ、20代でも遅いなんて書かれているのを見かけたりして日和ってしまう人も多いのではないでしょうか。

さらに、自分のはエンジニアではなくて、プログラミング経験が少ないので・・となるとさらに立ち止まってしまうと思います。

確かに、アラフォーだと色々な制約があります。

仕事ではマネージャー的なポジションになって仕事量も責任も増え、プライベートでは結婚や子育てで、自分の時間がとりにくくなる人も多いといった時間的な制約。

体力は下り坂・・・というより1年1年崖を落ちるように落ちていく感じがする。夜になるとスマホに焦点が合いにくくなる・・・といった身体的な衰え。

などなど・・・あげるといくらでもマイナス面が出てきてしまいます。

そんなアラフォーがプログラミングを覚えて個人開発にチャレンジするのは無謀でしょうか。

私はそんなことはないのではと思います。

どんな人にも、人より長く生きている分、上手く行かなかったことも含め、経験が蓄積されているのではないでしょうか。

なので、その経験をフルに活かしたサービス開発すれば、年齢や未経験の弱みをカバーして若い人にもまけない価値あるものを提供できるのではないでしょうか。

私は自分でそう信じて日々取り組んでいます。

では、アラフォーの経験をフルに活かしたサービス開発するにはどのようなことに気を付ければ良いのでしょうか。

ここからは、中年の自分が未経験から個人サービスを開発するときに、作るサービスを価値あるものにするためには、そしてリリースまで持って行くためにはどうすれば良いと考えて行動したかということ。そして実際にやって見た結果を振り返って、どんな風にやっていくと良さそうかということをお伝えしようと思います。

私自身、まだ成功したと言えるほどの成果を出すまでには至っていません。

なので、「こういうやり方もあるよ。こういうやりかたで、サービスをリリースし、1年半以上運営できているよ」という事例として参考にして頂ければと思います。

(2)「総合力」と「このままでいいの?」駆動で開発


アラフォーからの個人開発で上手く立ち回るためには、プログラミンの技術力だけに捕らわれず、自分の持つこれまでの経験をフルに活かした総合力でサービスを提供するようにするのが良いと思っています。

そして、総合力でサービスを提供するときは「このままでいいの?」駆動で開発するとその効果を高めることができます。

①総合力の土俵で戦う

良いプロダクトを作るのはもちろん大事ですが、サービスを成長させていくためには、それが良いものだと人に分かってもらい、サービスの趣旨に賛同して貰い、ファンになってもらう必要があります。

そのためには、プログラミングスキルやデザインスキルだけではなく、色んなスキルが必要になりますし、どんなスキルでも武器になります。

サービスをリリースするまでは、プログラミングスキルやデザインスキルの比重が高いですが、、リリースした後はその比重は下がってきます。

プレスリリースやブログで情報発信したり、コンテンツを増やすために関係者に営業をかけたり、イベント企画したり、SNSアカウント運用したり・・・。

個人開発は、ある種のゲリラ戦です。

なので、プログラミングやデザインスキルが人より劣っていても、今自分が持っている経験や知識を活かして、総合力で戦えば人に負けない価値のあるサービスを提供することができます。

自分には何にも経験が無いと思っている方。これまでの仕事で社内調整や事業企画、お客さんとの折衝や、広報でプレスリリース書いたことがあるなど、そういう経験がありませんか?

キャッチコピーが得意ならキャッチコピーを作る、SNS運用が得意、プレスリリース書くのが得意ならサービスのプロモーションを得る、企画が得意なら企画書のスライドを作って公開する、人を巻き込むのが得意なら手伝ってもらえる人を探す。

そういうようなことも総合力としてあるのではないでしょうか。

私の場合だと、仕事柄、企画や提案をまとめる事が多いので、その経験を活かしてコンテストに応募し、賞をとることで、それによりプロモーションをしていこうと考えるといったことをしています。

これまで賞を頂いた、東京都やRESASのコンテストも、プロダクトそのものだけでなく、コンテストの評価基準に刺さるように作った企画や資料づくりといった面で今までの経験を活かすことができた面もあるのだと思います。

それ以外にもリアルでのイベントを含めた活動で、結果としてサービスの利用者を増やしていくといったような事をしていくなど、リアルとネットを絡めたサービス展開を意識して活動を進めていたりします。

②総合力を活かす「このままでいいの?」駆動の開発

個人開発を始めようとするとき、まずどんなものを作るか悩みます。

一般的には、ツールのようなものを小さく開発するのが、特に未経験者が個人開発をする時に挫折しない秘訣だと言われています。

そういう話を見ていたので、ツールを開発することから始めた方が良いのかなと思ったのですが、ふと思いとどまりました。

「小さなツール的なものになれば、どうしても使い勝手やデザイン勝負になり、競合するサービスに技術力やセンスで勝ち目がないのではないか?」

そう思いました。

今も感じますが、アラフォーかどうかにかかわらず、未経験者がの他の個人開発者のようなおしゃれで使いやすいデザインといった技術力の土俵でで勝負しても秀でるのは相当難しいと思います。

Koretteの場合だと、「クイズを作って公開する」というツールとしてみれば、サービスはほかにも沢山あります。それらのデザインをみると、自分がどう逆立ちしても勝ち目はないな・・・と思いました。

そこで、総合力の土俵で開発する際にオススメなのが、「このままでいいの?」駆動の開発です。

前述した中年の危機の様な状況になると、自分や社会に対するモヤモヤや憤りのようなものが出てきたり、そこから、世の中はこうあるべきではないか?とか、こうなって欲しいといった、社会的意義のあることをやりたくなったりしませんか?

「このままでいいの?」駆動開発は、そうやって自分の中に沸いた「このままでいいの?」という想いを社会的な意義として昇華させ、それを実現するサービスを開発するというアプローチです。

すると、その実現が自分のなかで強いモチベーションの源泉となります。さらに、そのモチベーションは一過性のものではなく、高いレベルで持続性を持ったものとすることができます。

そのモチベーションをつかって個人開発を進めることで、サービスのリリースを実現し、そしてそこから燃え尽きることなく、そのサービスの育成に邁進できるようになります。

そして、もう一つのメリットとして、そうやって開発するサービスやビジョンやミッションが明確になるので、周囲の人に共感して貰いやすくなるということがあります。

人を巻き込んだり、協力者を得やすいという面があり、前述した総合力が活きてくるのです。

なので、アラフォーからの個人開発は、総合力の土俵で、「このままでいいの駆動」での開発をオススメします。

ただ、「このままでいいの駆動」の開発も万能ではなく、落とし穴があります。想いが強すぎるゆえに、それが諸刃の剣になってしまうことがあるのです。

想いが強すぎると、ついつい作るものがでかくなりがちです。プラットフォーム的なサービスになりターゲットユーザーや利用シーンがぼやっとしがちになります。

私もこの落とし穴にはまりがちになります。なので、プラットフォーム的なKoretteのWeb版から、観光地を訪問したときにクイズを呼び出して答えるという一部切り出したサービスをLineBot版でリリースするなど、利用シーンを切り出して具体化して展開するという取り組みをしているところです。

プラットフォームの構想は維持しつつ、要素の一部を切り出して利用シーンが明確になるように開発を進めるといった工夫が必要になると思います。

③アラフォーの弱み「時間」との向き合いかた

アラフォーの弱みは、自分の自由になる時間が少ない、体力が落ちる(特に目に来る)、物覚えが悪くなるなど色々あります。

やはり一番大きいのは「時間をどう確保するか」「時間をどう有効に使うか」ではないでしょうか。

そこに手を打っておく必要があります。

時間の問題は手を打たずにいると、作業が進まないだけでなく、モチベーションの低下にも繋がってしまいますので注意が必要です。

〇時間をどう確保するか

これは、とにかく地道にコツコツだと思います。

毎日続けることです。

1時間でも、コード1行でもとにかくできる限り毎日続ける。
プログラムが書けなければ企画を詰める、画面デザインを考える、とにかく何かやるようにします。

1日1時間でも365日続ければ。ちりも積もれば・・です。

最初の三ヶ月は大変です。ほとんど進んでいる気がしないかもしれません。

そういうときは成果ではなく、今日も作業できた、GitHubに草を生やしたというのを喜びに頑張りましょう。

これは私がプログラミングを始めた2017年4月からサービスをリリースする2017年12月までのGithubのコミットログです。

極力空白の火を無くさないように、緑が増えるのを楽しみに1日1行でもコミットするようにして作業を進めました。

3ヶ月を超えると習慣になってきました。ここまでくれば挫折する可能性が大きく減ってくると思います。

そして、6ヶ月で何となくサービスとして動くものが形になりはじめます。ここから、一部機能をβ版として知り合いに触って貰えるレベルになりました。

ここまで来ると使って貰える楽しさも出てきますし、開発の生産性も急上昇してくるのでどんどん楽しくなってくるはずです。

私より遙かに短い期間でサービスをリリースしている方もいらっしゃいますが、アラフォーの私たちは、まずは、3ヶ月、6ヶ月、と頑張ってみましょう。

〇時間をどう有効に使うか

何とか時間を確保しても、どうしても時間の総量は少なくなります。

なので限られた時間は優先度の高い事に使っていかなければならなくなります。

大きなものとしてプログラミングなどの学習コストがあります。個人開発をしてその後エンジニアとして就職したいなら別ですが、サービスをリリースすることが目的の場合、学習コストは可能な限り減らすように意識します。

そして、今持っているスキルを活かす、ある程度はお金でスキルを買う、躓いたら離れて時間を溶かさない、といったことも心がけて開発するのが良いと思います。

【作るものを決めて学ぶ範囲を絞る】
未経験だとどうしても学ぶことが出てきます。

サービスを作るとき、その作るものによって、必要なロジックやそのための知識というのは絞られてきます。

なので、ある程度のベースができると、あとは同じような機能を作るような感じで、必要なスキルもその中でのプラスアルファな感じになってきます。

Koretteだと、何らかのクイズを表示するという機能があって、それが、いろんな条件で抽出できるような機能が増えていくといったような感じです。

当初は日付順で表示するだけだったのを、人気順やランキング表示にする、位置情報や都道府県から検索するといった感じです。

なので、自分が何のサービスを作るかががわかれば、学習に必要な範囲を絞ることができます。

なので、最低限の基礎的な知識はどんなものを作るかに寄らず学ぶにしても、そこから先は、自分の作りたいものに必要なスキルを厳選して、それにあった知識を習得するという視点を持つようにすると良いと思います。

KoretteはASP.NET MVC(C#)で開発してますが、基礎知識として1冊の本でで、MVCやクラスの考え方や基本的な処理の流れを勉強し、そこからは作りたい機能と似たようなサンプルをひたすらググって学ぶという方法でKoretteのリリースまで至りました。

1つのものを作りあげる位の経験を積むと、他の言語も応用が利くし覚えるのも早くなります。個人サービスでやる限りは(その経験でエンジニアで就職したいとかが無ければ)言語の差が大きな違いになるようなケースはないのではないでしょうか。

どの言語でつくるか、どのOSがいいか、という議論もよく見かけますが、それらはあまり気にせずに、触ったことあるもの、自分の中で覚えやすそうなもの、身近に教えてくれる人がいる言語で作ってみれば良いと思います。

私はASP.NETで開発しているうちに、JavaScriptとPHPも触るようになり、こちらもある程度応用で使えるようになりました。

【ある程度は時間を買う。でも全部外注は×】

クラウドソーシングのサイトでちょっとしたアドバイスを貰ったり、アイコンだけを作ってもらうといったことができます。全てを自分でやる必要はありませんし。

私は当初はデザインレビューとかパーツ画像の作成とかでココナラ使ってました。金額が安めなので失敗しても諦められる金額で済みます。

飲み会を何回か我慢すれば、かなりの部分でお手伝いが貰えます。

ただし、プロダクトそのものの外注はおすすめしません。
かなりな額になる反面、Webサービスはリリースしてみないと作りたいものが固まらない傾向が強いので、無駄になってしまいがちです。

私も当初はプログラミングを覚えなくても外注で頑張ればWebサービス作れるんじゃね?と思ってました。仕事柄、外注する機会もあるので、そっちのスキルを活かした方が個人開発がうまくできるのではと思ってました。

そんなこともあり、実はランサーズで一部を発注して作って貰ったりしました。しかし、お金が続かず中途半端になり、結局今のものとは似ても似つかぬものが残ることになりました。

特に、コンシューマー向けのWebサービスはリリースしてみないと、どういう機能が良いかというのが分からない面があり、作るものを決めて仕様書を起こして1発で開発・納品するという外注のプロセスだと難しいんだろうなぁと思います。

【時間が溶け始めたらすぐに手を引く】

個人開発してると、上手く動かないとか、謎のエラーがでるとかということで、ドツボにはまることがあります。

1度ハマると、解決に時間がって抜け出せなくなり、時間ばっかりかかるのに何も解決しないという状況になり、貴重な時間もモチベーションも溶けていってしまいます。

なので、そうなりそうなときは深入りせず違うことをやるようにします。

時間を置くことで狭まった視野が戻って何てこと無く解決したりしますし、違うことをやっているうちにスキルがついて解決できたりします。


おわりに

最後までお付き合いいただきありがとうございました。

個人開発の良さ、そして、アラフォーからも個人開発はできること、アラフォーから個人開発を始めるときに気を付ける点などについてここの部分をもっと詳しく聞きたい!などあればお知らせください。


今回は総花的な感じになってしまったので、一部を掘り下げた記事も考えたいと思います。


個人開発はたとえうまく行かなくても後戻りがしやすいです。

そこで得た経験は、今の会社にいても、転職しても、起業したとしても、どんな世界で生きていったとしても、間違いなくあなたの資産になります。

見出しの画像で使用したのは、札幌の羊ヶ丘展望台にあるウィリアム・スミス・クラーク博士の像です。

そのクラーク博士の名言として有名ものに「Boys be ambitious! (少年を大志を抱け!)」があります。

少年だけですか?何かを始めるのに年齢なんて関係ありませんよね?

「Middle-ages be ambitious!(中年よ、大志を抱け!)」

やらずに後悔するより、まずはやってみませんか?


最後の最後に、Koretteの応援のほうもどうぞよろしくお願いいたします。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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