宅建合格への道はまさにプロダクトマネジメントだった件
みなさん、こんにちは。
RENOSY(GA technologies)でプロダクトマネージャー(PdM)をしているhirataです。
プロダクト企画・開発とは違った内容ではありますが、宅建試験受験という不動産業界ならではの経験を綴ってみました。
プロダクトマネージャーはゴールからすべてが始まると思っていますが、今回のゴールは明確です。
ずばり「宅建に合格すること」。
背景
令和2年度はプライベートな事情で勉強時間をほぼ確保できないことが事前にわかっていたので、隙間時間でできる「宅建過去問アプリ」ほぼ一本でいきました。
その結果合格点に2点足りず、非常に悔しい思いをしました。その時、次は絶対受かるぞという決意のもと2021年6月に勉強スタート。
勉強スタイル
学生時代から一夜漬けはそれほど得意ではなく、本質を理解して(人に説明できるようになって)吸収していくタイプです。
宅建試験とは?
宅建や宅建士は「宅地建物取引士」の略称で、毎年20万人前後の受験者数を誇る最大規模の国家資格です。宅建とは、不動産取引の専門家(宅建士)を示す資格です。
宅建士になるための試験を宅建試験といいます。宅建試験に合格すると宅建士として、不動産の売買や賃貸物件のあっせんをする際に、その土地や建物について専門知識を有していないお客様に詳しい説明をすることができるようになります。
不動産の売買や賃貸借の媒介(仲介)といった不動産取引をおこなう場合、従業員5名につき1名以上の宅建士の設置が義務付けられています。
また、不動産に関する重要事項の説明などは宅建士資格を所持していないとできない独占業務です。
引用:TAC株式会社「宅建とは? 宅建士の仕事とは?資格概要・仕事内容を徹底解説!」
試験方法
● 50問・4肢択一式のマークシート方式(登録講習修了者は45問)
● 2時間の試験時間(登録講習修了者は1時間50分)
実施日
原則として、毎年10月の第3日曜日
● 令和3年度は、2021年10月17日(日)と2021年12月1日(水)
● 令和2年度より12月開催の試験会場あり
受験料
7,000円
問われる知識(出題範囲)
宅地建物取引業に関する実用的な知識を有するかどうかを判定することに基準が置かれています。(宅建業法施行規則第7条)
試験の内容は、おおむね次のとおりです。(同第8条)
1. 土地の形質、地積、地目及び種別並びに建物の形質、構造及び種別に関すること。
2. 土地及び建物についての権利及び権利の変動に関する法令に関すること。
3. 土地及び建物についての法令上の制限に関すること。
4. 宅地及び建物についての税に関する法令に関すること。
5. 宅地及び建物の需給に関する法令及び実務に関すること。
6. 宅地及び建物の価格の評定に関すること。
7. 宅地建物取引業法及び同法の関係法令に関すること。
引用:一般社団法人 不動産適正取引推進機構「宅建試験の概要」
正式には上記のような形なのですが、問題の構成は以下のような形となっています。
● 宅建業法:20問
● 権利関係:14問
● 法令上の制限:8問
● 税・その他:3問
● 登録講習修了者の免除科目:5問
ゴール設定について
ゴールが「宅建に合格すること」というものの、「合格目標点」がないとブレてしまいます。
宅建の勉強・試験が難しく感じる一つの要因として、合格点が試験毎に変わる点が挙げられます。50点中何点獲得すればOKというものではなく、全体受験者数の15%前後が合格となる形で、合格点が上下します。
そこで私は、令和2年度までの合格点の最高が38点だったため、その点数は取りたいが、本試験でいろんな間違いをするかもしれないという前提で「42点」という目標を設定いたしました。
内訳は以下の通りです。
● 宅建業法:20/20
● 権利関係:9/14
● 法令上の制限:6/8
● 税・その他:2/3
● 免除科目:5/5(登録講習修了済のため確定)
本番でいきなりこの点数は取れないため、中間KPIとしてはLECの予想問題集を使って以下を目標に設定しました。(この模試については、社内ですでに宅建を取得している方がリードしてくださいました)
なぜプロダクトマネージャーが宅建を取るの?
究極的には、別に取得する必要はありません。
ただ、プロダクトマネージャーに限らず、営業以外の方も多く取得しているのが弊社の特徴でもありますが、私にとっては
1. 業務理解のため
2. 会社成長のため
3. 資格手当のため
です。
1.については、特に「宅建業法」は業界、業務理解に役立ちます。
プロダクトを作る者として、そういったドメイン知識は必須のため、資格を取るというゴールがあると勉強する良いきっかけになりました。消費者の目線から見ても楽しいです。
2.については、
免許を受けるに当たり、その事務所その他国土交通省令で定める場所ごとに、事務所等の規模、業務内容等を考慮して、国土交通省令で定める数の成年者である専任の宅地建物取引士を置かなければならないとされています。
引用:一般社団法人 不動産適正取引推進機構「宅建試験の概要」
とある通り、具体的には、不動産業者はその事務所ごとに5人に1人以上の割合で専任の宅建士を置く必要があります。つまり会社が成長していくにあたって従業員数も増やしていく場合、専任の宅建士数の5倍までの従業員規模にできるというわけですね。
3.については単純明快で、手当があるため、非セールス部門(実務で基本的に使わない)においても勉強に投資したコストの回収目処も立ちやすいです。
プロダクトマネージャーの方は、日々プロダクトマネジメント・プロジェクトマネジメントをしていると思いますが、目的を明確にし、ゴールに向かってPDCAしつつ進んでいくのが資格試験勉強と同じだなと感じます。
勉強方法
使用ツール
前置きが長くなりましたが、具体的な勉強方法についてです。社内のすでに宅建を取得している方に色々勉強方法を聞いて、今回私は以下を採用しました。
市販の参考書
● 基本テキスト(TAC:みんなが欲しかった! 宅建士の教科書)
● 分野別過去問題集(TAC:みんなが欲しかった! 宅建士の問題集 本試験論点別)
● 予想問題(LEC:出る順宅建士 当たる!直前予想模試)
YouTube動画
● ゆーき大学
● 棚田行政書士の不動産大学
その他
● 宅建試験ドットコム
● オリジナルまとめノート(全82ページに凝縮しました)
基本方針
「とにかく継続」を強く意識しました。
人は忘れる生き物ですし、一度途切れると再開するのにより一層のパワーが必要なため、ルーティン(習慣)化することで、知識の定着がより進むと考えました。
スケジュール
● 平日休日とも、子供が寝付く22:00-22:30スタートを基本
● やらないと決めた日以外は、たとえ15分でもやる
● 1日1セクションのテキスト+問題集+動画を基本
実績入り学習スケジュール(一部)
中間KPI
最初は順調でしたが、直前に入り分野によって未達成が発生しました。
その資格名の如く、宅建業法で点が取れないとすべてが終わるので、その時期からは再度宅建業法を見直し・強化しました。
最終結果
そんなこんなあり、結果としては、自己採点ベースで
● 宅建業法:20/20
● 権利関係:9/14
● 法令上の制限:7/8
● 税・その他:3/3
● 免除科目:5/5
となり「44点」でした。(12月初旬に無事合格証書が届いたので、マークミスはなかったと思います)
分析
プロダクトと同じく、勉強も分析が大事なので、振り返ってみました。
勉強編
● 勉強時間としては、平均すると1日1-2時間くらいになりそうなので、合計200時間くらいでした
● 今日はやらなくていっか、と思わなかったわけではないけど、短い時間でもやることが日課になっていました(子供が寝付いたら机に向かうルーティン)
● あまりガチガチには決めず幅を持たせた計画でしたが、学習計画通りに進行できました
● テキストを読んでも深く理解しづらいところをYouTube動画で理解度アップしたのがよかった
● わかりやすい動画をアップしてくださった方には、本当に感謝しております
● 動画を頻繁に観るため、普段は広告を見たいので加入していない「YouTube Premium」に加入しました
● 自社のSlackチャンネルで毎日の成果報告をして、そこに一緒に受験に挑んでいる方や既に宅建を取得している方からスタンプやコメントをいただけました
● 最終的には、自分のまとめシート+手書きの書き込みで理解度がかなりアップしたと思います(以下、令和3年度10月試験では出ませんでしたが、抵当権の例)
当日編
● 当日の持ち物は、自分まとめノートと直近過去問等で間違った箇所の切り抜きのみです
● 会場では何があるかわからない前提でいたので、いくつかハプニングがありましたが、平常心を保つことができました
試験編
● 宅建業法→法令上の制限→税・その他→権利関係の順に解きました(過去問や予想問題等もこの順で実施)
● ちょっと解くのに時間がかかる問題を早めに飛ばして、後で解く判断をしました
● 勉強の時とそれほど変わらず、1時間30分くらいで一通り解き終えることができました
最後に
結果としては、ゴール設定以上の達成ができ非常に良かったと言えますが、その要因としては基本方針に掲げた、「とにかく継続」をやり遂げられた、これに尽きると思っています。
どのテキストを使って、何から勉強すれば良いの?等はWeb検索や本屋さんに行ってしっくりくるものを選べば良いと思いますし、個人個人によって勉強方法は異なると思います。YouTubeでも色々ノウハウや勉強方法がアップされているので、独学の方にはすごくおすすめです。
ただプロダクトマネジメントと同じで、
● 計画
● 継続実行
が大切と私は考えております。
GA technologies グループには、GA GROUP SPIRIT(GAGS)という価値観があるのですが、資格試験においても「GRIT(情熱。粘り強さ。やり抜く力。)」が重要と改めて感じました。
参考:GA GROUP SPIRIT
計画を立て、それを意志を持って、しっかりやり遂げることが、地道ではあるものの近道だなと思います。(宅建試験は年に1回のため、強くそう思いました)
試験合格後から専任の宅建士登録まで、まだステップはありますが、宅建独学合格PJとしてはゴールを達成できたので、noteにまとめてみました。
そんなプロダクトマネージャーがいるRENOSYでは引き続きPdMやエンジニアを募集しております。お気軽にご応募ください。
※もし入社された場合、非公式ですが宅建勉強をサポートする有志メンバーも多くいますので、皆で宅建合格しましょう!
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