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【新卒】選考へ来てくれない!人事のお悩みを解決する提案があります!

求職者がイベントには参加してくれるけど、
中々選考へ参加してくれません!

新卒における人事担当者の悩みで
ベスト3には入るのではないでしょうか?

元々は営業で大型商談を成立
させるために開発された営業の交渉術
SPIN話法を使って解決します!

後半には、実際の会話の事例も
分かり易く解説しています。

ぜひ、何度も読み返していただいて
良かったら「いいね」「フォロー」も
よろしくお願いします。


1.SPIN話法を振り返ろう


SPIN話法とは、

S(Situation):状況質問
P(Problem):問題質問
I(Implication):示唆質問
N(Need-Payoff):解決質問

で4つのパートで構成されており、

超簡単に説明すると…
S(状況質問)
 :「現状はどうですか?」
P(問題質問)
 :「その中で悩みはありませんか?」
I(示唆質問)
 :「それ放置すると危なくないですか?」
N(解決質問)
 :「私が解決しましょうか?」

という流れになります。
前回の記事をまだ読んでいないという方は
まずこちらから読んでください。

2.S(状況質問)のパート


状況質問で意識することは

・予め質問をすることへの了承を得ること
・学生の人となりに興味を持つこと
・就活の現況を知ることに専念する

こちらの3点になります。

SPIN話法は営業の商談に使う話法ですので
そのまま学生を選考へ勧誘するときに使うと
ビジネス会話になって緊張感を与えかねません。

その点に配慮しながら、
インターン ⇒ カジュアルな面談の設定
もしくは
合同説明会の個別ブースで直接会話
といった形式を取って
短時間で行うことがポイントです。

また、学生の現状の確認は
質問を3つくらいまでに抑えて
的確に把握することが求められます。

多すぎると尋問されているみたいに感じて
心を閉じてしまいますので注意しましょう!

3.P(問題質問)のパート


問題質問で意識することは

・どんな将来をイメージしているのか?
・就活の中でどんな悩みがあるのか?
・あまり踏み込み過ぎない

こちらの3点になります。

学生側は自社に興味をもっている場合も
業種や職種に興味があって
一通り話を聞きたい等、温度感は様々です。

だから、相手の希望や悩みを聞かずに、
会社説明を始めると話がかみ合いません。

問題質問では、
様々な角度から質問を投げかけて
悩みのポイントを探る必要があります。

イメージが湧き難いと思いますので、
営業の場合の見本を何点かご紹介しますので
採用の場合に置き換えて考えてみてください。

①車を売りたいカーディーラーのケース

(状況質問)
走行距離はどのくらい走っていますか?

(問題質問)
運転していて何か問題はありませんか?

 ⇒そろそろ替え時ではないですか?
  燃費が悪くなっていませんか?
  故障や事故のリスクが上がりますよ。
  と話をもって行くための質問です。

②ガン保険を売りたい営業のケース

(状況質問)
ご家族や親せきでガンを患った方はいますか?

(問題質問)
もしご自身がガン患った場合、
何か不安はありますか?

 ⇒遺伝によるガンを患う確率は〇%ですよ。
  ガンになると治療費は〇円掛かりますよ。
  不安を煽って、保険に入らないと不安…
  と感じさせるための布石になる質問です。


採用なら、どんな感じか想像がつきましたか?
例えば、以下のような質問が考えられます。

③24卒の就活を2023年6月頃から始めて
 8月にまだ内定が出ていない学生
のケース

(状況質問)
どこかの会社で内定は出ましたか?
   (中省略)
なるほど、部活で忙しくて
まだ内定が出てい状況なんですね。

(問題質問)
就活で何かお悩みはありますか?
例えば、業界や職種選びだったり、
ESや面接など、何でも構いません。
よろしければ相談に乗りますよ。

この質問の意図は
就活を始めるのが遅くて
結果が出ていないことに悩んでいるのか?

あるいは
就活の知識不足で本当に無自覚なのか?
を測る目的があります。

本気で悩んでいるなら、まだ募集しているので
当社も選択肢に入れてくださいがゴールです。

もし無自覚なら、どの程度危ない状況なのか?
自覚して頂くところがスタート地点となります。
その上で、勧誘するか決めると良いでしょう。

問題質問では色々な角度から質問をして
学生の悩みを棚卸してあげてください。

とにかく「学生に語ってもらう」がポイントです。
何で困っているのか?
理想と現実のギャップを把握します。

その上で、どの地点へ誘導するのか?
これを見定める必要があります。

ただし、質問数が多く続かないように
自然な会話の流れで聞いてあげてください。

4.I(示唆質問)のパート


状況質問で、現状を把握し、
問題質問で、理想と現実のギャップを認識し、
何に悩んでいるのか?を把握します。

示唆質問において、営業の場合は
今すぐ解決しないといけない問題であると
顧客に自覚して頂くことが目的です。

ところが、採用においては少し違います。
ここがポイントです。

採用においては、
『貴方がやりたい仕事は
 他の業種や職種でも、実現できますよ。』

(もちろん当社でも…)
と気づかせてあげることが目的です。

学生の側は、3年生の夏であれば、
業界研究などはあまり進んでおらず、
色々知りたいというマインドです。

ところが秋から冬頃になると、
ある程度、方向性が明確になってきます。

しかし、相手は学生です。
会話をしている方なら分かると思いますが
イメージ先行の話が多いと感じませんか?

ここで自社の業界や職種でも、
貴方の希望は叶えてあげられると言えたら
勧誘はグッと成功に近づくことになります。

いくつか見本をご紹介します。

①ホワイトカラーで働きたい学生

スーツで働く姿はカッコいいですよね。
ただ、ご存じですか?
一般的なメンバーシップ型の会社では
最低2~3年は、現場(ブルーカラー)
か営業を経験することが多いですよ。
ご希望の会社は職種が決まっていますか?

このあと、実は当社でも
ジョブ型雇用の職種がありますとなれば
ぜひ話を聞いてみたいとなりますよね?

②コンサルタントを志望の学生

コンサルタントの仕事は憧れますよね。
ただ、業界全般的に非常に激務なので、
お身体に注意してくださいね。
〇〇さんのご希望の仕事でしたら、
法人向けの提案型営業でも実現可能です。
良かったら、この職種で募集している
企業も調べてみては如何でしょうか?

これは高学歴の方に多いですが、
周りの空気に触発されて、
コンサル業界を目指す人が多いです。

しかし、仕事は激務であり
ワークライフバランスとは程遠い業界です。

一方で、法人向けの提案営業でも
コンサル程、データ分析やマーケティング
には触れませんが、大きなお金を動かせる
魅力のある仕事です。

しかも、コンサル業界と比較した場合には
必ずしも激務とは限りません。

このように、各業界や企業の数値を
インプットしてあげることによって、
違う仕事にも興味を示してくれる場合が
ありますので、様々なパターンを検証して
自社に合った提案をしてください。

示唆質問では、
志望業界にはこんな一面があったのか…
・他にもこの職種も調べてみよう…
・これは私の思い込みだったんですね…

を掘り起こす作業です。

当然、次の解決質問では
自社の話が控えている訳で、
どの切り口から自社の魅力を訴求するかは
予めシミュレーションが必要です。

5.N(解決質問)のパート


解決質問で意識することは

・自社のアピールを急がない
・学生にその悩みが解決されると
 どんな良いことがあるのか語らせる
・学生に自社の話を聞きたいと
 興味を持たせること

の3点になります。

ここで十分に注意して頂きたいのは
就職とは、
学生にとって人生の一大イベントです。

商品の販売においても
小型の商談とはわけが違います。
結婚相手を選ぶ、家の購入
と同程度の難易度があるのです。

だから、問題質問 ⇒ 示唆質問で
「貴方の会社もありだな。」
「話を聞いてみたいな。」
と感じてもらえていない状態で
会社説明をしても意味がありません。

相手から勧められると反論したくなる感情
『心理的リアクタンス』
の罠に十分注意して、まず相手に語らせる。
これを意識し続けてください。

6.SPIN話法を用いた事例


それでは、最後に一つの例として
状況質問から、解決質問まで通しで
ご紹介したいと思います。

【前提条件】

合同説明会で、以下の2人が話をした
というシチュエーションです。

Aさん
自社は中堅企業のIT企業
法人向けの営業を志望する学生を
探している人事担当者

Bさん
コンサルタント業界を志望する
マーケティングの勉強をしてきた
高学歴の学生

(状況質問)
A:就活の状況は如何ですか?
B:そうですね。
  1社内定は出ているのですが、自分の
  志望業界ではなく、決めきれなくて…
A:そうなんですね。
  もし差支えなかったら、どんな仕事を
  希望されていて、内定が出ている会社
  だと、何が実現しないかお聞きしても
  大丈夫ですか?
B:はい、大丈夫です。
  私は大手の保険会社で内定を頂いている
  のですが、個人的にはコンサルタントに
  なりたいと思っています。
  個人を相手に仕事をするよりも、
  法人を相手に大きな仕事がしたくて…

(問題質問)
A:そうなんですね。
  コンサルタント業界を志望ということは、
  若い頃からバリバリ働いていずれは独立
  したいとかお考えですか?
B:いえ、そこまでは考えていないです。
  大学でマーケティングの勉強をしていた
  ので、その知識を生かした仕事となると
  やっぱりコンサルタントかな…と。
A:なるほど。
  ところで、コンサルタント業界は激務で
  有名な業界ですよね?
  休日出勤とか、残業時間が多いとかは、
  あまり気にならないタイプですか?
B:はい、大学では部活にアルバイトと学業
  を両立していましたので、ある程度多い
  ことは覚悟しているつもりです。
  ただ、コンサル業界は残業時間の振れ幅
  が大きいと聞いていて、明確なイメージ
  が沸かないです。

(示唆質問)
A:そうですよね。平均すると1日2~4
  時間なので、イメージしやすいように
  例えてみると、そうですね…
  トラックドライバーとほぼ同じですね。
B:トラックドライバーと同じですか?
A:はい、そうです。
  ただし、コンサルタントは年収が高く
  自分たちで時間管理ができますので、
  そこは大きく違います。
B:なるほど…
A:もしワークライフバランスが実現できて
  法人のお客様を相手にマーケティングの
  知識が生かせる仕事があるとすれば…
  興味は湧きますか?
B:そうですね。ぜひお話を伺いたいです。

(解決質問)
A:わかりました。
  でもその前にBさんが理想とする働き方
  をイメージで良いので教えて頂けますか?
B:そうですね。
  先程もお話した通り、マーケティングの
  知識を生かして法人を相手に仕事をして
  いる姿が理想ですね。
  それと厳しい仕事は覚悟していますが、
  ある程度休みや残業時間も確認して会社
  を決めたいと思いました。
A:色々とお話頂いてありがとうございます。
  最後に、当社の紹介を少しだけしますね。
  当社は法人様の販売サイトの提案、開発、
  運用までご支援をさせて頂いております。
  Bさんのマーケティングの知識を生かした
  活躍の場所は当社にもありますので、ぜひ
  会社説明会にご招待させて頂きたいのです
  が如何でしょうか?
B:はい、ぜひ宜しくお願いします。


如何だったでしょうか?

高学歴の学生の間で、とりあえずコンサル業界
を希望するという方が多いです。

コンサルタントを本気で目指す学生か、
そこまで温度感が高くないかを見極めるため、
少し現実を織り交ぜて実感を持たせる話し方が
事例で挙げたような内容です。

コンサル業界を志望する学生は
激務を承知なのだから、
こんなに上手くいくはずはない!
と反論したくなる方もおられるでしょう。

しかし、それこそが先入観であり、
意外と知らないだけだったりすることは
リクルーターの方はよくご存じのはずです。

私たちの常識は彼らの常識ではない

逆に言えば、決まったパターンでも
勝ち筋と言える会話の型を覚えて話す方が
何となく話をしている方よりも
選考へ進む確率は格段に上がるはずです。

今回も大ボリュームになってしまいました。

前回、前々回と3回に渡って解説しましたので
過去の記事もよかったら読んでくださいね。

前回:SPIN話法を採用した経緯など

前々回:学生と話すときに気を付けて欲しいこと


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