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「健康に働く」を考えるVol.1
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⑴ はじめに
「健康に働きたい」「健康に働き続けたい」「もっと働きたい」「元気でいたい」働いている人なら1度は思うのではないでしょうか。
みなさんは、「健康」に働けていますか?風邪を引いたり、熱が出たり、多少の頭痛や、体調不良では仕事に行く人が多いのではないかなと思います。
日本人は特に、昔から「多少の体調不良であっても出勤することが当たり前だ」という文化があるように思います。
任されている仕事量であったり、人手不足、役職、「自分が休んでしまっては仕事が回らなくなってしまうのではないか」「自分が休んだ分は自分で取り返さなければならない」といった「〜なければならない」という考え方が今、この記事を読んでくださっているあなたや、同僚、もしくはあなたの会社にも根付いていませんか?
従来、このような考え方は日本人にとって「美徳」だとされてきました。
しかし、このような考え方から「プレゼンティーズム・アブセンティーズム」予備軍になっていると考えられます。
「プレゼンティーズム・アブセンティーズムって何?」「そんな言葉聞いたこともない」と思う人も多いと思いますので、それぞれの言葉の意味から「健康に働く」ことについて考えてみたいと思います。
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⑵ プレゼンティーズムとは?
まずは「プレゼンティーズム」について見ていきましょう。
「プレゼンティーズム」とは、
出勤しているのにも関わらず心身の健康上の問題が作用し、
仕事のパフォーマンスが上がらない状態のことを指します。
=生産性が上がらない状態のこと
を指します。
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具体的にいうと鼻詰まりで頭がぼーっとして仕事に集中できない、二日酔い、寝不足、頭痛、発熱などです。多少の無理をすれば出社できる状態ですが、ケアレスミスの増加や作業効率、集中力の低下を引き起こし、生産性が上がりません。
仕事をしていても捗らないし、あまり良い結果をもたらさないということですね。健康な時ほど、パフォーマンスが上がらないという状態のことを指します。
みなさんなら、このような状態の時、仕事はどうしますか?休みますか?きっと休まず、出社する方が多いのではないでしょうか。
思い出してみてください。その時の仕事の消化率や進み具合は良かったでしょうか?それとも悪かったでしょうか?生産性を上げるためにも、思い切って休むことも必要なことなのかもしれません。
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⑶ アブセンティーズムとは?
次に「アブセンティーズム」について見ていきましょう。
「アブセンティーズム」とは、
心身の体調不良が原因となり、遅刻や早退、就労が困難な欠勤、休職など、業務自体が行えない状態
を指します。
アブセンティーズムになってしまうと、遅刻や早退が増え、心身ともに参ってしまう状態になってしまうということですね。酷くなると、就労できない状態になってしまい、業務に支障が出るだけでなく、生活にまで影響が出てしまいます。通院したり、給与が減ったり、傷病手当などをもらうための手続きなどが増えてしまうこともあるかもしれません。
「そんなことないだろう」「自分は大丈夫」と思ったそこのあなた!危険です。「自分は大丈夫」本当にそんなことはありません。(経験済、後述します)
また、一人がアブセンティーズムの状態でいると、関わるチームや組織に影響し、業務生産や業務効率の低下を引き起こすとも考えられています。休職するかもしれない人だけでなく、一緒に働いている同僚にまで影響するんですね。
では、次になぜこれらが発生するのかを考えていきましょう。
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⑷ これらが発生する要因
これら2つが発生する要因の一つに、先ほどもあげた日本社会に根強く残る考え方が大きく関わっていると言われています。仕事に関する義務感から、知らず知らずのうちにプレゼンティーズム・アブセンティーズムの予備軍になってしまっていることも。
他にも食生活の偏りや、運動不足、生活習慣の乱れ、従業員自身の健康に対する意識の低さなども原因として挙げられます。
だからこそ、私たちは私たち自身の健康管理についてもう少し考えてみるべきだと思います。
例えば1日中デスクワークの人であれば、少し外に出て毎日数分散歩するだけでも少し運動不足の解消になったりするかもしれません。定期的に運動する時間が取れない人は、出勤途中に歩くことを意識したり、積極的に階段を使ったりするだけでも違うと思いますので、やってみて下さい。
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⑸ 筆者の経験談
少しだけ筆者の経験談も書いてみようと思います。今回この記事を書こうかなと思ったのは、読んでくださる人が少しでも自分の「働き方を考えるきっかけになればいいな」と思ったからです。以下、私の経験談です。
私自身、前職は教員ということもあり担任業務、学年業務、教科主任、コース委員、保健委員、部活など沢山の仕事の掛け持ちは日常茶飯事、忙しい毎日を過ごしていました。
その当時、高校3年生の担任をしながら日々の目まぐるしい業務をこなしているうちに、段々寝ても寝ても疲れが取れなくなってしまったり、情緒不安定になったり、最終的には生徒の前で感情が上がってきて涙が止まらなくなってしまいました。完全に心身ともに疲れ切った状態でした。
症状を聞いてもらって薬だけもらえたらいいなと思い病院に行くと、
🧑⚕️「これ以上症状が進むと働けなくなってしまうので休んでください」
と言われ、診断書を書いてもらうことに。
🧑⚕️「(週末だったので)土日様子をみて、症状が酷くなれば、絶対に診断書を
出して下さいね。無理しないでください」
と病院の先生に念を押されてその日は帰宅しました。
2日後、体調が良くなる訳もなく、むしろ酷くなってしまったので、学年主任、コース委員長、校長、上司に当たる先生全てに状況の報告と相談をした結果、休職することになりました。
私が休職を選択した理由、それは「卒業式」を控えていたから。このまま無理に仕事を続けて、3年間担任をした生徒の卒業式に出れなくなる方が後悔するだろう。そう思い休むことを選択しました。
今になって振り返ってみると、その選択は正しかったようで、休職して1週間は1食も食事を摂ることができず、脱水症状にならないようにと水分だけを摂り、1日中寝る生活に。1週間で7㎏痩せたり、腹痛が治らなかったり眩暈がしたりと、心身ともに疲れ切ってしまっていたようです。
大好きな読書や動画を見るなど娯楽として普段していたことすら全くできなくなりました。これらをするだけで気持ちが悪くなったり、回転性の眩暈がするといった状態です。
こんな生活をみなさんはしたいですか?私はもう絶対したくないです。
そして休んでいて思ったのは「頭から仕事のことが離れない」こと。
なぜそうなっていたのか考えてみると「早く戻らないと他の先生に迷惑がかかる」、「早く仕事しないと、業務が止まる」、「仕事をしていない自分なんて価値がない」と完全に「仕事に洗脳」され、本当に一生仕事ができなくなる一歩手前だったなと思います。
上にも書きましたが、日本人の考え方の典型的な例になっていると思いませんか?休むことをしない、勤勉に働く日本人が多いからこそ、こういう状態になって休む人が増えているのかなと思ったりもします。
詳しくは書きませんが、2022年度(2023年12月文部科学省より発表)、公立の教員で休職している人数は「6,500人超え」と過去最多です。
私学が人数に加算されていないことを考えると、実際に休職している人数はもっと多いですよね。
教員だけでなく、真面目な人が多い日本では、メンタルヘルスの問題や、健康に働くことに企業がどう対策していけるかが急務になっています。燃え尽き症候群(バーンアウト)になる人も多いです。
「仕事人間」になってしまっているなと少しでも感じる方、本当に注意してください。
👇教員の休職人数に関して興味がある方はこちらの記事をご覧ください👇
⑹ まとめ
私の体験談からも、わかっていただけたかなと思いますが、「自分は絶対に休まない」、「自分は精神疾患にはならない」、「休んでいる人は甘えている」という考えが少しでもある人は、本当に注意して欲しいです。
私自身も、休職するまでは、「誰かに仕事を任せるなんてみっともない」「休むなんてあり得ない」とずっと思ってきました。
しかし、結果的に休職したことで、休むことの大切さや、誰かを頼ることの大切さ、自分の働き方について再度考えることができました。二度と経験したくない経験ではありますが、仕事と付き合っていく上では、考える機会をもらえて良かったなと今では思えるようになりました。
休職期間中は、本当に笑えなくなってしまったり、悲観的になってしまったり、判断力が鈍ってしまったり、メンタルがブレブレでしんどかったり、人に会いたくなくなってしまったり、誰を信じても大丈夫なのか、疑心暗鬼になってしまう日が続きました。
自分でも1番驚いたのは、職場に行く電車にも乗れなくなってしまったり、同僚から連絡が来るだけで動悸がしたりしたこと。本当に大変な毎日でした。
みなさんは、私みたいになりたいでしょうか?このようなことがあるんだと知った今でも、体調が万全でないまま仕事を続けますか?
なかなか会社や国では対策が遅れがちになってしまったり、対策を導入しても対応が進まなかったりする部分でもあると思います。
だからこそ自分の身は自分で守る対策をしていかなければなりません。いざというとき、自分の身を守れるのは自分しかいません。
今の自分の働き方や、ストレスになっていること、不安に思っていること、誰かに相談できる人はいるのか、仕事を分担することはできるのかなど取り組みやすい部分から取り組んでみることも大切です。
今回の記事が少しでもみなさんの「健康に働く」ことについて考えることができる一助になりますように。
次回も健康に働くことをテーマに「健康経営」について考えてみたいと思います。
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