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【Update】 HRテクノロジーカンファレンス 2023 視察レポート

HRテクノロジー 2024のトレンド予測(AIがこの市場をどのように変革していくか)

経済の状況

HR Technology Conference & Expo. 2023 Josh Bersin Keynote Session資料より

ビジネス上の論点
経済の停滞、業界の変革、AIの新たな役割、持続可能性、リスクの再考
CEOのうち40%が、10年以内に自社がなくなるかもしれないと思っている。

「人」に関する論点
人材不足、将来的に必要とされるスキル、従業員の疲弊、組織の再編成、生産性
CEOのうち61%が、「変革」にフォーカスしている。

従業員のストレス度合いは常に高い。
ウェルビーイングの状態は、以前よりも低下したと感じている。

出生率の低下の影響もあり、人材不足はより深刻になっていく。

「脱工業化経済」(製造業の相対的な重要性が低下し、サービス、情報、および研究の相対的な重要性が高まる経済社会)に到達

HR Technology Conference & Expo. 2023 Josh Bersin Keynote Session資料より

工業中心の時代
CEOの後継者育成が大切。CFOがポイント。人間は50代で死に、企業は50年以上続いた時代。自動車や航空機、その他製造業が中心。

情報産業の時代
スキルの獲得とリーダー層のパイプラインづくりが重要。CIOがポイント。人間は70代で死に、企業の存続期間は20年から30年。テレコム、コンピューター、メディア産業が中心。

2020年代は「知」の時代
スキルと人材の不足が深刻。CHROがポイント。人間は90年以上生き、企業の存続期間は10年から15年。IT、eコマース、FIN Techが興隆、AIベースの経済。

HRテクノロジーが再興

過去3年間で、各企業が利用するアプリケーションの数(種類)が57%増加(昨年より17%増加)。
HRテクノロジーベンダーの株価が総じて高い。
この領域においても、Microsoftが優位に立ち始めている。
エンプロイー・エクスペリエンス(EX)ツールの市場で、Microsoft VivaのシェアがNo.1。
過去18ヶ月間で165ものHRテクノロジーベンダーが吸収合併された。

HR Technology Conference & Expo. 2023 Josh Bersin Keynote Session資料より
HR Technology Conference & Expo. 2023 Josh Bersin Keynote Session資料より

AIがHRテクノロジー市場を変革

HR Technology Conference & Expo. 2023 Josh Bersin Keynote Session資料より

従来のプラットフォーム
ベンダーが作ったアプリケーションソフトウェアの中に人間が様々なデータをインプット。データベース上に、従業員、給与、ラーニング等のデータが生成されていく。それらを、ダッシュボードツール、分析ツールによりビジュアライズしたり分析にかける。

AIプラットフォーム
たくさんのデータソースから様々なデータが読み込まれ、AIの学習と分析に使われる。そのデータ群に対してクエリをかけたりチャットボットとの対話によってインサイトを得る。

HR Technology Conference & Expo. 2023 Josh Bersin Keynote Session資料より

このようなAIプラットフォームのHR版が、「タレント・インテリジェンス」と考えれば良い。そこには、ジョブやスキルに関するデータ、経済市場のデータ、業界特有のデータ、プログラムなどのコンテンツデータ等が大量に読み込まれていく。

ベンダーソリューションの3つの世代

HR Technology Conference & Expo. 2023 Josh Bersin Keynote Session資料より

AIがアドオン
生成AI、予測分析、自然言語処理、インテリジェントチャット(AIエンジンが搭載されたチャット)、画像生成
ほとんどのHRソリューションがこれに対応している。

AIがビルトイン
機械学習、予測分析、高度な応募者マッチング、学習等のコンテンツのレコメンド
Workday, SAP, Oracle, LinkedInがその代表

AIの上に構築
大規模言語モデル(Large Language Models、LLM)(非常に巨大なデータセットとディープラーニング技術を用いて構築された言語モデル)、ニューラルネットワーク(neural network; NN、神経網)(生物の学習メカニズムを模倣した機械学習手法)、ベクトルデータベース(データをベクトル形式で保存・管理するデータベース)、社外の様々なデータの取り込み
Eightfold, Gloat, Phenomがその代表

AIカンパニーは単なるソフトウェア・カンパニーではなく、データ・カンパニーなのである。

HR Technology Conference & Expo. 2023 Josh Bersin Keynote Session資料より

AIによる支援の仕組みを「Copilot」と呼び、データソースから様々なコンテンツを生成してくれたり、ドキュメントやビデオ、オーディオファイルを検索してくれたり、様々なアプリケーションのも連携をとってくれたりする。(しかしながらAIは万能薬ではない。)

HR Technology Conference & Expo. 2023 Josh Bersin Keynote Session資料より

AIは、採用、社内異動、組織設計、従業員セルフサービス、学習・人材開発、報酬管理、従業員体験、後継者計画、パフォーマンス管理、等のありとあらゆる領域で活用される。

HR Technology Conference & Expo. 2023 Josh Bersin Keynote Session資料より

生成AIの活用が最も簡単、タレント・インテリジェンスの本格活用は難易度高め、チャットとの対話の仕組みはあらゆるところで活用される。

HR Technology Conference & Expo. 2023 Josh Bersin Keynote Session資料より

「スキル」に関するトレンド

HR Technology Conference & Expo. 2023 Josh Bersin Keynote Session資料より

従来型の人事
「ジョブ」中心、人材は豊富
まずジョブが定義され、そこに人材(適材)が当てはめられて、ジョブ定義された通りの仕事をこなしていく。

体系化された人事
「人」が中心、スキルと人材ともに枯渇
まず「人」がいて、その「人」が保有するスキルに応じて、そのスキルを活用しながら仕事をこなしていく。

従来型の、ジョブベースのアプローチ

HR Technology Conference & Expo. 2023 eightfold.ai社の講演資料より

まず「ジョブ」が中心にあり、「インサイドアウト」の発想で、1つのオポチュニティ(機会、チャンス)についてなるべく多くの「候補者」(社内の従業員も含む)に情報が行き渡ることに主眼を置く。

「ジョブ」に関して下記のようなデータを投入すると…..

  • ジョブタイトル、ジョブディスクリプション(ジョブの概要説明)

  • 所轄部門、コストセンター

  • 採用担当者

  • 勤務地と勤務開始日

次のようなことになる。

  • 非効率で柔軟性に欠ける。

  • 御用聞きとしての人事

  • 情報過多

  • ジョブベースの意思決定

  • ジョブ、肩書き、職位・職階にフォーカス

タレント(人材)およびスキルをベースとしたアプローチ

HR Technology Conference & Expo. 2023 eightfold.ai社の講演資料より

まず「タレント」(人材)が中心にあり、「アウトサイドイン」の発想で、1人の人材(候補者や従業員)についてなるべく多くのオポチュニティ(機会、チャンス)の情報が行き渡ることに主眼を置く。

「タレント」(人材)に関して下記のようなデータを投入すると…..

  • スキル、ケイパビリティ

  • ペルソナ(人物像やプロフィール)、モチベーション(がどこにあるか)

  • 学習可能性(学ぶ力)、保有スキルに隣接するスキル(スキルの応用可能性)

  • 仕事上の選好と、体の空き状況

次のような効果が得られる。

  • スピード、アジリティ、シナジー

  • (人材に対する)アドバイザーとしての人事

  • 個別化(パーソナライゼーション)

  • 人材中心の意思決定

  • 仕事内容、タスク、スキルにフォーカス

HR Technology Conference & Expo. 2023 eightfold.ai社の講演資料より
HR Technology Conference & Expo. 2023 eightfold.ai社の講演資料より

既存のジョブをベースに人材のパイプラインを考えると、まず「適材」を特定して、人材開発プログラムを実施しながらそのパイプライン上に乗せて育成していくことになる。

  • 従業員からすると、自身の保有スキルやキャリアについての主導権が限定的になる。

  • それぞれの「仕事」は職域毎にサイロ化される。

  • 直線型のキャリアとなり、水平方向への異動は限定される。

  • キャリア階層は複雑化する(ジョブグレード毎、在籍期間毎)。

  • ワークフォースに関して得られるインサイトも限定的。

  • 人間関係やビジネス上の興味関心をベースとした配置が行われる。

他方、タレント(人材)を中心に考えるときは、組織をまたいで「適材」を特定したら、可能性あるキャリアの未来に広がりをもたせて多様化も促進させ、事業戦略の動的な変化にも対応できるようにしていくことになる。

  • スキルとキャリア成長について可視化され、自身で管理しやすくなる。

  • 職域を超えて、アジャイルに、かつ流動的なチームで仕事ができる。

  • タレントマーケットプレイスが実現され、社内異動の文化が醸成される。

  • スキルとパフォーマンスをベースとしたキャリアモデルが構築される。

  • ワークフォースに関して深いインサイトが得られる。

  • スキルと興味範囲に応じてプロジェクト単位で従業員のマッチングが行われる。

人材の需給バランスを一致させる新たな方法

HR Technology Conference & Expo. 2023 eightfold.ai社の講演資料より

タレント(人材)とスキルにフォーカスを当て、組織のアジリティを高める。
ジョブに対する人材の供給について分析すると、ヘッドカウント、コスト、空き状況にフォーカスされることになる。
それに対して「仕事」に対してどのようなスキルが必要なのかについて分析すると、成果、稼働率、ケイパビリティ(組織能力)にフォーカスされることになる。

「スキル」が、人事のあらゆる領域に影響を与える。こちらの記事を参照のこと)
採用、異動、キャリア開発、ラーニング、報酬計画。
まずコアHR(人事の基幹システム)がベースにあり、その上にジョブ体系と組織体系が構築され、さらにその上にタレント・インテリジェンスのデータベースが構築される。
エンプロイー・エクスペリエンス・プラットフォーム(EXP)の活用のためにも、まずスキル体系ありき。

HR Technology Conference & Expo. 2023 Josh Bersin Keynote Session資料より

ただし、スキル体系の構築はかなり複雑。(こちらの記事を参照のこと)

HR Technology Conference & Expo. 2023 Josh Bersin Keynote Session資料より

エンプロイー・エクスペリエンス市場が急成長

新たなベンダーが登場。

HR Technology Conference & Expo. 2023 Josh Bersin Keynote Session資料より

SIMPPLR

firstup

workjam

workvivo

bob

Lattice

unily

15five

staffbase

そんな中、servicenowが急成長。

HR Technology Conference & Expo. 2023 Josh Bersin Keynote Session資料より

ウェルビーイング市場も急拡大
次の4領域に分かれる。

HR Technology Conference & Expo. 2023 Josh Bersin Keynote Session資料より

「身体の健康」
代表例 Teladoc

「メンタル・ウェルビーイング」
代表例 Lyra

「財政面の健全性」
代表例 nudge

「社会性とコミュニティ」
代表例 BetterUp


AIがエンプロイー・エクスペリエンスを全面的に変革する。

HR Technology Conference & Expo. 2023 Josh Bersin Keynote Session資料より

支援のためのチャットボット、給与・報酬支払いの自動化、メールやその他コミュニケーションの自動生成、パーソナライズされたチャット

コーチングのためのチャットボット、学習経路の自動化、ドキュメントやスライドの自動生成、ウェルビーイングのためのcopilot

人材管理のためのチャットボット、キャリア計画の自動化、分析の自動化とバッジの自動付与、ラーニングのためのcopilot

管理者育成のためのチャットボット、ハイブリッドワークを支援するツール、連絡先の自動生成、リーダー層のためのcopilot

AIベースの採用管理(人材獲得)ソリューションが激増

タレント・ライフサイクル管理
タレント・エクスペリエンス・プラットフォーム
タレント・インテリジェンス・プラットフォーム
インタビュー・インテリジェンス・プラットフォーム
と、どのような言い方をしていたとしても、AIが今や中核となっている。

HR Technology Conference & Expo. 2023 Josh Bersin Keynote Session資料より

機能としては、人材調達(ソーシング)、アセスメント、インタビュー(オンライン面接)、オンボーディング、キャリア支援が含まれる。

採用活動における、「最後の詰めの一歩」にフォーカス。

HR Technology Conference & Expo. 2023 Josh Bersin Keynote Session資料より

代表例
Hire*Vue (オンライン面接)

SHL (アセスメント)

PARADOX (conversational recruiting)

下記のそれぞれの領域においてAIが機能し、採用に変革をもたらす。

HR Technology Conference & Expo. 2023 Josh Bersin Keynote Session資料より

AIによるソーシング、ジョブ体系の分析、職務記述書の自動生成、自動で匿名化

スキル体系の構築、スキルベースのロケーション分析、候補者とのコミュニケーション管理、賃金平等及び採用通知書の分析

タレントマーケットプレイス、候補者に対するアセスメント実施の自動化、スクリーニングのための質問事項の自動生成、インタビューの自動化

社内異動、報酬額設定と採用通知の自動化、面接時の質問項目の自動生成、アルムナイと臨時雇用・派遣社員の管理

それでも、採用活動は「人」中心こちらの記事を参照のこと)

HR Technology Conference & Expo. 2023 Josh Bersin Keynote Session資料より

タレント・マーケット・プレイスの価値が増大

(まず、こちらの記事を参照のこと)

HR Technology Conference & Expo. 2023 Josh Bersin Keynote Session資料より

リーディングベンダーのビジネスは盛況。

HR Technology Conference & Expo. 2023 Josh Bersin Keynote Session資料より

代表的なベンダー
gloat

fuel50

eightfold.ai

ラーニング&キャリア開発がAIにより大変革

HR Technology Conference & Expo. 2023 Josh Bersin Keynote Session資料より
HR Technology Conference & Expo. 2023 Josh Bersin Keynote Session資料より

eラーニングとブレンディッド・ラーニング(1998年から2002年)←※とあるが、我が国はいまだにこの辺りと思われる。。。。(汗)
フォーマット:コースカタログ、オンラインユニバーシティ
フィロソフィー:教育設計、カークパトリックモデル(教育や研修において評価すべき項目を「反応」「学習」「行動」「結果」の4段階で示したもの)
ユーザ:自己学習、オンライン学習
システム:eラーニングプラットフォームとしてのLMS

タレント・ドリブン・ラーニング(2005年から2012年)
フォーマット:ラーニング・パス、キャリア・トラック
フィロソフィー:ブレンディッド・ラーニング、ソーシャル・ラーニング
ユーザ:キャリアにフォーカス、トピックが豊富
システム:タレント・プラットフォームとしてのLMS

デジタル・ラーニング(2012年から2018年)
フォーマット:ビデオ、モバイル、YouTube
フィロソフィー:ロミンガーの「70-20-10」の法則(「人が成長する7割は業務経験、2割が薫陶、1割は研修である」という個人の能力開発についての影響度合いを示すもの)
ユーザ:オンデマンド学習、組み込み学習(ユーザーが使用しているツールに直接統合されるあらゆる種類の学習)
システム:エクスペリエンス・プラットフォームとしてのLMS

日常の仕事の中でのラーニング(2023年)
フォーマット:マイクロ・ラーニング、クリエイター エコノミー(インフルエンサー エコノミー)(コンテンツ クリエイターやインフルエンサーが自分の作品から収益を得ることができる、ソフトウェアによって促進される経済社会)、インテリジェント・スキル・システム
フィロソフィー:ラーニング体験、ケイパビリティ(組織能力)開発
ユーザ:全ての人が、あらゆる時間に、あらゆる場所で
システム:持ち運び可能で、スキル情報と統合されたLXP,LMS

どこでもラーニング(2024年)
ケイパビリティ・アカデミー

SP総研作成資料

タレント・マーケット・プレイスとの連携(統合)
ユーザ自らコンテンツ作成
AIが組み込まれ、コンテンツの自動生成とキュレーション(必要な情報をたくさんの情報源から収集、整理、要約、公開(共有)すること)の自動化が実現。

AIがラーニング&人材開発のかたちを変える

HR Technology Conference & Expo. 2023 Josh Bersin Keynote Session資料より

AIによるコンテンツの生成
既存のドキュメントとレガシーコンテンツの統合
研修コースの概要説明も自動生成
自動でコンテンツ解析

コンテンツや研修コースのレコメンド
AIによる確認テストやアセスメントの自動作成
「学習内容の要約」を自動生成
ラーニング・パスの自動作成

スキル・アセスメント(スキルの認定)の自動化
AIによるティーチング支援
マイクロ・ラーニングのオブジェクト(部品)の自動生成
キャリア・パスウェイの自動作成

シミュレーションの自動生成
キャリアナビゲーター機能

コーチング市場もAIによって破壊的変化

HR Technology Conference & Expo. 2023 Josh Bersin Keynote Session資料より

具体例
BetterUp

CoachHub

エンプロイー・リスニングとピープル・アナリティクス

新たに統合化されたエンプロイー・リスニング・プラットフォーム

HR Technology Conference & Expo. 2023 Josh Bersin Keynote Session資料より

サーベイ、傾聴、会話、フィードバック
具体例
Medallia

Perceptyx

Peakon

Microsoft Viva Glint

joyous

ナッジ、人材開発、育成計画、アイディア・ファクトリー
具体例
qualtrics

UKG

VISIER

体系化されたピープル・アナリティクス

HR Technology Conference & Expo. 2023 Josh Bersin Keynote Session資料より

古いやり方:
人材管理システムのリプレースとして、データレイクを構築し、一箇所に集約されたデータベースの中にありとあらゆる従業員データを格納する。

新たなやり方:
体系化された分析プラットフォームを実装し、あらゆる人事系のプラットフォームから従業員データをそこに集約し、人事部門およびその他の事業部門のユーザにそれらのデータを提供する。

ピープル・アナリティクスの進化

ほとんど統合化されることのない、単なるレポーティングシステムから、
AIの支援を得た仕組みへと進化。

HR Technology Conference & Expo. 2023 Josh Bersin Keynote Session資料より

<進化のプロセス>
人事データ分析
(分析対象)
従業員数のカウント、コストの集計、DEI指標、離職率、候補者数、採用活動、報酬額、福利厚生コスト、ラーニング&人材開発の成果
(特徴)
ERP、レポーティングツール、IT部門主導、静的データ

ピープル・アナリティクス
(分析対象)
人材維持、エンゲージメント、ウェルビーイング、フィードバック、不満と苦情、報酬水準、マネジメント効率、生産性
(特徴)
サーベイ、離職分析、事業分析プロジェクト

体系化された分析
(分析対象)
営業活動、生産活動、カスタマーサービス、生産性、スケジュール、賃金平等、ウェルビーイング、組織文化醸成のドライバ、ONA(Organization Network Analysis、組織ネットワーク分析)
(特徴)
人材データとビジネスデータがマージされ、全ての人事データ分析が相互接続

タレント・インテリジェンス
(分析対象)
スキル、ジョブロール、候補者のソーシング、キャリアパスウェイ、組織設計
(特徴)
候補者モデル、異動モデル、スキル推定、ジョブ体系分析

人事領域におけるAIの活用

スキルベースの組織へ移行することの重要性

HR Technology Conference & Expo. 2023 Neobrain社の講演資料より
HR Technology Conference & Expo. 2023 Neobrain社の講演資料より

その目的は、
1. 業績向上
2. 変化に対する素早い対応とそれに合わせたイノベーションの創出
3. 優秀人材の維持ならびに効果的な採用

もたらされる利益は、
・生産性の飛躍的向上と組織としての機敏性の獲得
・多様性の促進
・タレントプールの可視性向上と社内異動の促進

退職してしまった従業員のうち77%もの人たちが、もし事前に社内でのキャリア開発の機会が提示されていたら辞めずに留まった、と回答している。(調査元:SHRM)

体系的なタレントマネジメントの成熟モデル

HR Technology Conference & Expo. 2023 Neobrain社の講演資料より

フェーズ1 データ
スキルデータの整備
(常に正確なデータが使用可能な状態で整備されている。)
スキルフレームワーク(スキルの情報を、AIが読み取れるように整理、記述されている)

フェーズ2 オポチュニティ
スキルデータの戦術的活用
(新たなジョブや異動配置といったようなオポチュニティが提示され、これらと従業員とのマッチングがスキルデータをもとに行われる。)
タレントマーケットプレイス

フェーズ3 アップスキル
新たなスキルの獲得
(ラーニングの仕組みによってスキルが獲得されていく。)
LMS(ラーニングマネジメントシステム)

フェーズ4 パフォーマンス
スキル開発
(実践によりさらにスキルが開発されていく。)
パフォーマンス管理

フェーズ5 プランニング
スキルデータの戦略的活用
クリティカルスキルが識別され、スキルギャップを埋めるための計画立案が行われる。
将来求められる人材・スキルに応じた人員計画(Strategic Workforce Planning:SWP

生成AIの活用状況

HR Technology Conference & Expo. 2023 Neobrain社の講演資料より

ビジネス領域における生成AIの活用事例のデータによると、サービスオペレーション、セールス&マーケティング、製品開発といった領域における活用が目立ち、人事領域における活用はまだまだアーリーステージの状態といえる。
使いどころとしては、タレントマネジメントの最適化、人材開発の最適化、における活用が先行している。
その結果、例えば具体例として
・(人材とジョブとの)マッチングの透明化による多様性の促進
・従業員のプロフィール情報の自動生成による大幅な時間の節約
という効果が見込まれる。

HR Technology Conference & Expo. 2023 Neobrain社の講演資料より

タレント・インテリジェンスに関する考察

HR Technology Conference & Expo. 2023 eightfold.ai社の講演資料より

62%の企業は、今年度中になんらかのジョブロールを撤廃したか、撤廃しようとしている。
90%の企業は、なんらかのジョブロールを新設した。
65%の企業は、今年度すでに組織内の「スキルギャップ」を特定した。
69%の企業は、新たな市場機会を見つけた。
50%の企業は、M&Aを実施した。

といった統計データがある中で、

HR Technology Conference & Expo. 2023 eightfold.ai社の講演資料より

72%の企業はタレント・インテリジェンスに対する投資を増やそうとしている。がしかし……
そのうちの28%しか、それがどのようなものであるかはっきりと分かっていない。さらに、27%の企業しか、どのベンダーがタレント・インテリジェンスを提供しているのかを知らない。

とうデータもある。

タレント・インテリジェンスとはどのようなものか。

HR Technology Conference & Expo. 2023 eightfold.ai社の講演資料より

一般的には、下記のようなことができる人事システムあるいは人材管理システムのことであるとされている。
(メジャーな認識の順)

  1. データを収集、管理し、意思決定を促進する。

  2. ラーニングや人材開発プログラムを、スキルや具体的オポチュニティと紐づける。

  3. 社内外の市場データをも用いて、人材に関する意思決定をより適切なものにする。

  4. 社内外の人材に関するなんらかのインサイトを得る。

  5. AIを活用して従業員の保有スキルの特定をしたりポテンシャルを把握する。

タレント・インテリジェンスの使いどころ

HR Technology Conference & Expo. 2023 eightfold.ai社の講演資料より
  1. (多い順)

  2. 人材獲得・採用

  3. パフォーマンス管理

  4. エンプロイー・エクスペリエンス(の向上)

  5. 人員計画

  6. 社内異動の促進

  7. オンボーディング

  8. 報酬計画

  9. ピープル・アナリティクス

  10. 一括採用(大量の採用)

タレント・インテリジェンスの活用がうまくいくために必要な要素

HR Technology Conference & Expo. 2023 eightfold.ai社の講演資料より

(影響度の高い順)

  1. スキルデータ

  2. 個々の担当者や従業員のポテンシャル

  3. タレント・インテリジェンスの領域の経験

  4. パフォーマンス・レビューの仕組み

  5. 給与情報

  6. 福利厚生に関するデータ

  7. 雇用の履歴

  8. 教育・研修の仕組み

  9. 会話履歴

  10. 外部の労働市場のデータ

タレント・インテリジェント・プラットフォームによりもたらされる最も重要な成果は?

HR Technology Conference & Expo. 2023 eightfold.ai社の講演資料より

(重要度順)

  1. 従業員エンゲージメントの向上

  2. 従業員のパフォーマンスの向上

  3. リテンション(人材維持)の改善

  4. DEIの促進

  5. 採用コストの低減

  6. 人材に対するアジャイル・アプローチの加速

  7. 人員計画の最適化

タレント・インテリジェンスに対する投資の傾向

HR Technology Conference & Expo. 2023 eightfold.ai社の講演資料より

<投資がますます加速している領域>

  • Time to fill(オープン・ポジションに人が採用できるまでに要す時間)の改善

  • 「採用の質」の向上

  • リテンション(人材維持)の改善

  • 候補者体験と従業員体験の向上


<投資がそれほど加速していない領域>

  • DEIの促進

  • 意思決定支援

何よりも、95%もの企業が「従業員の昇進といった段においては、ジョブタイトルよりもスキルのほうが重要だ」と述べている。

HR Technology Conference & Expo. 2023 eightfold.ai社の講演資料より

「スキル」に関して、企業はどこまでやっているか。

HR Technology Conference & Expo. 2023 eightfold.ai社の講演資料より
  • 64%の企業が、「スキルベースアプローチ」の仕組みづくりに投資している。

  • 23%の企業が、まだ何らかの施策を始めたばかり。

  • 7%の企業が、まだ何もやっていないが2年以内に始めることを計画している。

  • 4%の企業が、ノープラン。

「スキル・タクソノミー」については何をしているか。

HR Technology Conference & Expo. 2023 eightfold.ai社の講演資料より
  • 67.3%の企業が、自社が現有しているスキルやスキル体系のデータにアクセスすることから始めている。

  • 18.2%の企業が、スキル体系を自社独自にスクラッチで構築しようとしている。

  • 14.2%の企業が、ベンダーもしくはサードパーティ製のスキル体系集を購入し、それをカスタマイズしたり補強したりしようとしている。

「スキルベースアプローチ」に関する課題(お悩み) TOP 3

HR Technology Conference & Expo. 2023 eightfold.ai社の講演資料より
  1. そもそもチェンジマネジメント戦略そのものがない

  2. 組織内のスキルデータにアクセスする方法がない

  3. スキルベースアプローチを実践していくためのシステムを有していない

スキルをベースとした変革の道のり

Step 1  基盤の構築

HR Technology Conference & Expo. 2023 eightfold.ai社の講演資料より
  1. スキルのデザイン
    スキルを定義する。

  2. インサイトを得る
    担当職務に求められているスキルが何であるかを理解する。

  3. スキル分析
    組織内で、自身が保有するスキルについて理解する。

  4. 人材計画
    業界内の「破壊的イノベーション」によって、求められるスキルがどのように変化するのかを理解する。


Step 2  人材計画の策定

HR Technology Conference & Expo. 2023 eightfold.ai社の講演資料より
  1. 現在の人材計画とパフォーマンスデータを理解する。

  2. 組織としての成長目標を設定する。

  3. 再編計画を策定する。

  4. 人材をどのように異動配置するかのシナリオを策定する。

  5. 将来性のある人材計画を策定する。


Step 3  トップタレント(優秀人材)の獲得

HR Technology Conference & Expo. 2023 eightfold.ai社の講演資料より
  1. イベントとキャンペーンの実施
    空きポジションに対してスキル面でマッチするトップタレント(優秀人材)を探す。

  2. ワークフローの自動化
    優秀人材を惹きつける。

  3. キャリアサイトの個別化
    スキルベースでベストマッチのポジションを提示する、といったような使いやすい応募プロセスを実現する。

  4. マッチング
    スキルの習熟度情報をベースに、候補者がベストフィットするジョブロールがどこなのかを把握する。

  5. AIの信頼性確保
    ダイバーシティの要素もケアする。


Step 4  人材の管理と維持

HR Technology Conference & Expo. 2023 eightfold.ai社の講演資料より
  1. スキル評価
    保有スキルとその習熟度を評価する。

  2. アップスキル
    アップスキルさせる人材を特定し、個別化された人材開発プランを策定する。

  3. 後継者計画
    クリティカルロールとそこで求められるスキルを特定した上での後継者計画を行う。

  4. リソース計画とプロジェクト
    社内でプロジェクト化し、短期的なエンゲージメント向上に向けた計画を立てる。

AI活用の成熟度

HR Technology Conference & Expo. 2023 eightfold.ai社の講演資料より

15.8%の企業は、現時点では人事領域におけるAI活用を検討または計画をしていない。

34.7%の企業が、人事領域におけるAI活用事例について評価・検証をしている最中である。

16.7%の企業は、シンプルなタスクの自動化のためにAIを活用し、いくつかの業務プロセスを効率化している。

17.7%の企業は、人事業務全般にわたってAIを導入し、エンプロイー・エクスペリエンスのさらなる向上を狙って新たな活用法を模索している。

15.1の企業は、複数のプラットフォームをまたがってさまざまなタスクの自動化のためにAIを活用し、さまざまな活用事例を通して人事機能を補強したり人材の専門性を強化している。

そしてこれらのうち69%の企業が、今後もAIに対する投資を増やしていくと回答し、33%の企業は、AIは業務プロセスをより一層「人間らしい、思いやりのある」(more human)に変えていくポテンシャルを秘めている、と回答している。

AI活用により、人事の役割もアップグレードされる。

HR Technology Conference & Expo. 2023 eightfold.ai社の講演資料より

具体的には、下記のようなことができるようになる。

  1.  採用管理システムにおいて、人材要件を定義する。

  2.  例えば「データサイエンティスト」のような具体的なポジションに対する人材要件定義としてその内容で適切か、AIに判断させる。

  3. これまでの人材採用の成功事例と照らし合わせて、人材要件定義が自動調整される。

  4. 調整結果に基づき、ジョブディスクリプションが正式に生成される。

  5. キャリア採用のサイトにその募集ポジションの情報がポストされる。

  6. ポジションにマッチする、上位100人の候補者がリストアップされる。

  7. ポジションに応募してきた候補者に対してコンタクトを取る。

  8. 候補者のパイプライン情報が採用チーム内に共有されるとともに、面接のスケジュール調整が行われる。

System of RecordからSystem of Intelligenceへ
(情報を溜め込むだけのシステムから、「知」がつまったシステムへ)

HR Technology Conference & Expo. 2023 eightfold.ai社の講演資料より

System of Record
安定稼働を重視して設計されている。
構造化データを活用する。
ジョブとポジションが中心で、具体的解決策もジョブを埋めるために特化したものが提示され、一つひとつがサイロ化されたデータ。

System of Intelligence
何かについての「理解」を促進することを目的として設計されている。
社内外問わずあらゆるデータが活用され、しかもそれらは自動で、勝手にアップデートされていく。
スキルとタレント(人材)を中心に捉えている。

ベンダーの選定にあたってのポイント

HR Technology Conference & Expo. 2023 eightfold.ai社の講演資料より
  • (「海を沸騰させる」ごとく)無茶なことはやらない。

  • ビッグピクチャーを描ける。

  • 変革に向けたマインドセットの醸成につながる。

  • タレント・インテリジェンスの活用を人材獲得(採用)領域に限定させない。

  • データの質と透明性にこだわる。

AI 活用にあたっては、人間の特性に注目してこれを活かすことが大切。

  • 共感力(人の感情や気持ちを理解する)

  • 思いやりや慈悲の心

  • 真の意味での理解

  • 経験や十分な情報に基づいた道徳的意思決定

人事領域におけるAIの活用により、決して人間の仕事が置き換えられるわけではない。むしろ、人の能力を高め、より良い意思決定をより早く行うことを可能にしてくれる。

人事領域におけるAI活用の具体例

コンテンツ作成

  • ジョブ・ディスクリプションの作成

  • チームや組織、あるいは従業員個人の目標設定

  • 従業員レコグニション(組織やチームへの貢献や良い働きを認めて正当に評価する)

インサイトの獲得

  • レポートの即時作成

  • スキルの推定

  • 市場データの分析

要約

  • 応募者情報の要約

  • パフォーマンス・レビュー(従業員の業績や能力の評価)

  • サーベイ結果の要約

レコメンド

  • 最適なジョブやギグワークの提案

  • 受講すべきラーニングの提案

  • サーベイの質問項目の作成

【用語解説】リアクティブマシン (プログラミングのコンセプトであり、応答性と弾力性を持つシステムを構築するためのアプローチ)

大容量のデータを扱う際、大多数の機械学習モデルは概ね似たような技術を使用している。適切な回答を生成するために、対象となるデータを綿密に調査分析する。データのさらなる精査のために、統計数理の技術も使用される。

事業主に対する、AI活用の実態調査

ビジネスにおいて、実際にAIをどのような領域で活用しているか、あるいは、その計画があるか。

Forbes Advisorの資料
  1. カスタマーサービス

  2. サイバーセキュリティ、詐欺管理(組織や企業が詐欺行為を防止し、検出し、対処するためのプロセスや戦略のこと)

  3. デジタル・パーソナル・アシスタント

  4. CRM

  5. 在庫管理

  6. コンテンツ制作

  7. 製品のレコメンド

  8. 会計業務

  9. サプライチェーン業務

  10. 採用・人材のソーシング

  11. 顧客層の細分化

AIを活用した採用

  • 候補者のスクリーニングとランク付の自動化

  • 候補者からの質問に対する回答

  • 面接日時のスケジュール調整

  • トップタレントを識別するための予測分析

AI活用によるエンゲージメントの向上

  • 新入社員からの質問に対する回答

  • 手厚いガイドを伴ったエクスペリエンスの提供

  • ペーパーワークの自動化

  • 個別化されたキャリア開発プランのレコメンド

AIを活用したパフォーマンス管理

  • フィードバック内容の要約

  • コーチング内容の示唆

  • 目標設定のレコメンド

  • チェックイン(1 on 1ミーティング)の支援

AIを活用したラーニング

  • 現保有スキルの分析

  • 将来身に付けるべきスキルのレコメンド

  • 目標に到達するためのラーニングパスのレコメンド

生成AIにより新たにもたらされる機会とリスク

AIによる自動化の可能性

Valoir Inc. CEO Rebecca Wettmann氏によるメガセッションの資料より引用
  • 仕事に充てている時間のうち40%は自動化が可能。

  • 多くの企業においてすでに自動化が進められており、過去2年間で20%の手作業が自動化されたとの報告もある。

  • 労働者の50%以上が、職場あるいは自宅にて生成AIの活用を経験している。

  • この先2年間で、48%もの労働者が自動化によって置き換えられるだろうと考えられている。

職種ごとの自動化の可能性

Valoir Inc. CEO Rebecca Wettmann氏によるメガセッションの資料より引用
  • IT職が最も自動化される可能性が高い。

  • 人事の仕事のうち35%は自動化される。

AIによってもたらされる潜在的メリットが大きい領域

Valoir Inc. CEO Rebecca Wettmann氏によるメガセッションの資料より引用
  1. 採用

  2. 学習および人材開発

  3. タレントマネジメント

進んでいる業界と出遅れている業界(今後2年間で自動化される予想)

Valoir Inc. CEO Rebecca Wettmann氏によるメガセッションの資料より引用

進んでいる業界

  1. 航空宇宙産業

  2. 製造業

  3. ライフサイエンス

  4. ヘルスケア

遅れている業界

  1. 公共部門

  2. コミュニケーション

  3. プロフェッショナルサービス(士業、等)

人事におけるAIの活用領域

Valoir Inc. CEO Rebecca Wettmann氏によるメガセッションの資料より引用
  • 採用の領域で最も活用が進んでいる。

  • 最も遅れているのが福利厚生の領域。次に遅れているのが給与管理。

  • しかしながら、いずれの領域についても「まだ分からない」という回答が最も多い。

人事領域でAIを活用することのハードル

Valoir Inc. CEO Rebecca Wettmann氏によるメガセッションの資料より引用
  1. スキルと経験が不足している。

  2. リスクやコンプライアンスの問題に対する恐れ。

  3. 人的リソースの不足。

  4. AIソリューションの側が未成熟。

  5. 質の高いデータの不足。

潜在的リスク

Valoir Inc. CEO Rebecca Wettmann氏によるメガセッションの資料より引用
  • 倫理面の危うさ

  • データの欠陥(不足)

  • AIに対する幻想(そもそも実践が足りない、プロンプトの経験不足)

  • 誤った行動がとられる危険(人間が関与しない、バイアスのかかったレコメンデーション)

  • 従業員がそれを使いたがらない

根本的な課題

Valoir Inc. CEO Rebecca Wettmann氏によるメガセッションの資料より引用
  • 16%の企業しか、AI活用における倫理面のポリシーを制定していない。

  • 16%の企業しか、仕事で生成AIを活用することについてのポリシーを制定していない。

  • 14%の企業しか、AIの効果的な活用についてのトレーニングを実施していない。

  • 8%の企業しか、置き換え対象となる労働者向けの再教育プログラムを用意していない。

大切な問いかけ

Valoir Inc. CEO Rebecca Wettmann氏によるメガセッションの資料より引用
  • しっかりと人間も関与しているか?

  • どのようなモデルを利用しているか?

  • 自社で構築可能か?

  • モデル構築のために学習にはどのようなデータが使用されているか?

  • どのようにして個人データの秘匿性や匿名性が守られているか?

  • ユーザ側の学びのために、何が必要か?

  • もし何か間違えが起きたらどうするか?

AIの倫理的な活用に向けたポリシー

Valoir Inc. CEO Rebecca Wettmann氏によるメガセッションの資料より引用
  • 排他的でないこと

  • 説明可能であること

  • 人にパワーを与えるような使い道であること

  • 秘匿性とプライバシーを確保すること

  • 良いことに使う

  • 柔軟であること

倫理的なAI活用に向けたトレーニング

Valoir Inc. CEO Rebecca Wettmann氏によるメガセッションの資料より引用
  • 人に何らかのパワーを与えることにフォーカスし、決して「人の置き換え」に主眼を置かない

  • 批判的思考(ここがポイント)

  • 役割や技術的専門性に適合した内容とすること

  • アプリケーションやツールの使い方トレーニングではなく、「(AIの)適用の仕方」についてのトレーニングであること

  • 個別化

  • キャリアの前進・促進に結びつく

  • 柔軟性

コミュニケーションのポイント

Valoir Inc. CEO Rebecca Wettmann氏によるメガセッションの資料より引用
  • 使用法・活用法に透明性を持たせる

  • 具体的な成果をイメージする

  • AIによって人が置き換えられるのではなく、人を手助けするような使い方にしていく

  • 批判的思考を持って(バイアスの掛かったレコメンデーションは排除する)

  • 自分の母親に対して説明したとしても理解してもらえるくらいの分かりやすい表現で

今後に向けて

Valoir Inc. CEO Rebecca Wettmann氏によるメガセッションの資料より引用
  • シートベルトをしめよ!(事態はものすごい速さで変化・進展している。そこには大きな利益があるはずだが、同時に、驚くような失敗もすることになるだろう。)

  • 現実的なポリシーの策定、十分なコミュニケーション、そしてトレーニングが鍵を握る。

  • 全ての人の価値を上げるために、ということを肝に銘じる。

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