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ドット絵バイオレンス

ずいぶん前に、世界の国々の国旗をドット絵にしていくのを趣味にしようとして描き始めたのですが、ちっともやれていませんでした。

というわけで今回は、先週末に武装組織ハマスに急襲されたイスラエルと、そのイスラエルのなかで迫害を受けているパレスチナの国旗をそれぞれ描いてみました。イスラエル旗の中央にある六芒星(ダビデの星)がこのサイズで描くには「どうしろっていうのよ」的な複雑さだったのですが、あーでもない、こーでもない、とやっているうちに意外とそれらしくおさまってニッコリです。

一方、パレスチナの現実についてはもう悲惨すぎる状況で、ゲッソリです。

両国の置かれた立場や歴史的経緯については一応報道でも解説される傾向があるようなのでくどくど話しませんけどね。

経緯はともかく、命がけの戦いが起きれば人類も野生に逆戻りするのは当然のことで、自分の身を守るために敵を殲滅するのを自発的にやめるのはほぼ無理です。戦時においては、人はもはや人ではないと言っても過言ではありません。

それを「ハマスがテロを行なった」「イスラエルがやっているのは虐殺だ」と、レッテルを張って非難しても仕方ありません。「あいつらは悪いやつだ」という評価を高めても、攻撃を正当化する口実になるだけですし、それによってどちらかがひどい目にあったときに喜ばしい気持ちになるのは避けたいところです。

エルサレムはユダヤ教、キリスト教、イスラム教それぞれの聖地がある場所ですから、この聖地を巡る戦いには、お互いに融和する以外にまともな解決の道はありません。それには「国家」という枠組み自体が邪魔なのは間違いない――などと国旗を描きながら想うのは、なんとも空しい限りです。

まさにイスラエル国旗の六芒星のように、複雑なものをうまくおさめる手段があればいいんですけどね。あーでもない、こーでもない、と模索する様子は国際社会には見られないまま時が過ぎていきます。せめて「塗り潰してしまえ」なんて乱暴な考えに、ならないことを望みます。

(おしまい)

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