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【ワイン】時の流れをいただく

昨夜は、赤坂のワインバーにうかがいました。まずは、キリっとした白のワインから。そして、赤ワイン。チーズフォンデュをいただきながら、とっても楽しい時間を過ごしました。とにかく、マスターがワインに詳しくて、その語りをきいているだけで楽しくなるお店でした。

月曜日から営業を再開したばかり、とのことで休業期間中の話もきかせていただきました。最初は良かったのだけど、すぐにやることがなくなって、話し相手も奥様だけになってしまったとのこと。めっちゃよくわかります。仕事がなければ、みんなそうなんですよね。

大昔は人類は集団でないと生きていけなかったのに、現代はお金さえあれば一人で生きていけますからね。それがまた、かえって怖い。でも、話し相手がいるならまだいいほうですよ。なんていう話をしながら、僕もいろいろと考えていました。

この期間を可愛い盛りの子供たちと過ごせるのは、とってもラッキーなことだなぁとか。すんごくエゴイスティックな言い方ですけど。もちろん、子どもたち視点では良いことではないですよね。友達も含め、いろいろな人と触れ合うことで学んでいく年頃のはずですから。

まぁ我が家の場合は飽きることなく、だぁだぁと会話を重ねて生きていけているので、もしかしたら「家族っていいなぁ」って感じてくれているかもしれません。そしたら、それは逆に良いことかもしれません。この災禍が同世代の子供たちにどんな影響を及ぼすのか。誰にもわからないですよね。

というわけで、僕が昨夜ワインバーのマスターの話しをきいていて感じたのは、時の積み重ねについてです。1948年物のボルドーの話になりました。そのとき、マスターが「持ち運ぶときにオリが攪拌されるので、一週間くらい置いてから飲んだほうがいい」と言っていたんです。

1970年。僕の生まれ年のワインを、以前、持ち運んだ直後に開けたことがありました。濁ってて全然美味しくなったんですよね。比較的できのよい年だったはずなんですが、そういうことだったんですね。もったいないことしたなー。

また、年を経たワインはオリが溜まるので赤黒い色がどんどん落ちていってしまうんだという話もしていました。オレンジ色というか黄色というかそっち寄りの色になるそうです。

日本酒は古酒になるほど、まろやかになって色がついていきますよね。そして、これもオレンジというか黄色寄りの色になります。その色の共通点がなんだか面白いなぁと思いました。

実際、ボルドーの1948年の色なんて僕は見たことがないですから、古酒とは全然違うのかもしれません。でも、いずれにしても僕たちはお酒を飲むとき、酒が抱えている「時の流れ」を味わっているんだなぁとあらためて感じさせてくれたお話でした。

といいながら。

今朝剃り残した無精ひげを撫でつつ、今僕は缶入りのレモンサワーを飲んでいます。昨日は尾崎牛をいただいて、かつ美味しい年代物のワインをいただいて、とっても良い一日だったなぁと振り返っています。一方今日は、仕上がった印刷物を都心に取りに行く時間もないほど、めいっぱい仕事をしました。

こうして僕も時を積み重ねていくんですね。自分で決めて自分で重ねていくこれからの時の流れの中で、人として幅があって、包容力があるジジイになれたらいいなぁ。ということを考えている、51歳の文系ヒロ。本気でまだまだ成長するつもりでいる自分が、ちょっと怖いです。

でも同質な人たちと一緒に時間を過ごすサラリーマン生活を離れて、全く異質の環境に飛び込んだのですから、成長はあって当然だと思います。そうでなければ、依怙地なジイさんになってしまうだけですからね。「普通そうでしょ」とか言って怒ったりしないように、気を付けたいと思ってます。

そもそも「普通」なんてないですし、「普通」だと思っているものは以前に属していた世界の「普通」でしかないのですから。いろいろな「普通」を体験しながら、時を積み重ねて幅を広げていく、そんなバウムクーヘンみたいなイメージを考えています。

おい!ワインじゃないんかい!?

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