テレビCMデータの効果検証ってどうすればいいの?(困っているマーケ・広報担当者は必見です)
今回インテージ社で開催されていた「テレビCMデータの活用方法」のウェビナーに参加し、その内容をアウトプットする目的で執筆しました。
TVCMを取り巻く環境
テレビは2020年3月のコロナ突入時に視聴時間があがり、自粛や緊急事態宣言などの情報取得による影響だった
現在テレビの閲覧時間は平日・休日ともに下降気味で、テレビ離れと言われる所以である
ただインテージ社が2022年にデバイス利用率調査したところ、スマホやPCなどと比較してもテレビ利用率がは一番高く、Youtubeなどをネットサービスを大画面であるテレビで閲覧するトレンドのためと考えている
テレビCMデータの種類について
テレビCMデータの種類には大きく2通りあり、テレビCMの広告枠を取引するうえでGRPを基準とした「CM取引通貨」と「プランニングや効果検証用のデータ」だ。
後者の中には「ネットCM用調査データ」もある。
各種類の代表的な機関
●CM取引通貨
ビデオリサーチのパネル調査データ
●プランニングや効果検証用データの種類
Revisio(Telescorp)
every sync(es XSPパネル)
インテージ(i-SSP)
●ネットCM用調査データの種類
CCCMKホールディングス(TVデータソリューション)
インテージ(メディアゲージ)
TVS REGZA(東芝テレビ視聴データ分析サービス)
テレビCMとはどのような効果測定なのか?
インテージ社のソリューションサービスと掛け合わせると以下とのこと。
見る効果
CMへの接触/非接触
CMによる購買行動有無
CMによる態度変容
掛け合わせる測定ログ
i-SSP/MGDP(メディア接触データ)
SCI(購買パネル)
i-SSP Vois/Cueモニター
効果検証・分析事例
1.清涼飲料水・アルコール飲料での検証事例
検証したいもの:テレビCMによる商品購入率の効果
[悩み]
・CM放映したのに売上が伸びていない…
・テレビCMがKGIへどの程度貢献したのかわからない…
・購入率がどのくらい向上したのか知りたい…
[解決策]
・テレビCM接触有無の購入率の違いをみる
・テレビCM接触前後での購入率・購入金額の変化率をみる
SCIの購買パネルと掛け合わせてこのように知ることが可能だ
ただしここにはテレビCM以外の外部要因も含まれてしまっているため精緻ではない
なのでテレビCM接触前後の期間で売上のリフト値を測り、接触者と非接触者のリフト値から差分を測る方法が有用だという。
接触者のリフト値-非接触者のリフト値=外部要因を排除した推定の影響度合いとなるロジックだ
具体的に示したのが上記の図となる。左のAは接触者のリフトが大きく増加し、非接触者はほぼ変わらない状態にある。
Aの接触者リフト値ー非接触者リフト値=0.79がリフト値となり、結果効果があったとなる。
一方右のBでは接触者はほぼ変化なし、非接触者は大きく下がった形となり、テレビCMに接触させたことで下げ止まり効果があったと考えられるわけだ。
接触者リフト値ー非接触者リフト値=テレビCMのリフト値を基の接触前の購入者とかけ合わせれば、テレビCMでの購買推定数も算出できるロジックだ。
2.購買でないKPIとなる指標への貢献度合い
検証したいもの:ブランド認知度、好意度など
[悩み]
・テレビCMが貢献したのか説明できない…
・アスキング(記憶ベース)の認知でテレビCMを評価しているが、正確な効果が把握できていない…
・クリエイティブ評価は把握できてるも、メディアが良かったのかわからない…
・テレビCMの出稿継続が判断しづらい…
[解決策]
・データログとアンケートを組み合わせてファネルの貢献状況を測る
・フリークエンシーでの効果把握
この場合はデータログとアンケートをクロスさせる方法が有効だという。具体的にはファネル毎に接触者と非接触者の回答を回収し、集計データを基にファネル毎でリフト値を算出していく。そうすると各ファネルの評価軸でのリフトが確認できるというわけだ。
接触回数は、アスキングに頼っても人の記憶は精緻でないため、データログを思いっきり頼るべきである。
3.エナジードリンクの事例
検証したいもの:購買効果が見込めるCM枠
[悩み]
・スポット出稿しているが適正枠がどこか判断できない…
・デモグラでなく、購買効果が判断できるメディアプランを立てたい…
[解決策]
・SCIデータと掛け合わせた商品カテゴリ購入者の局×曜日×時間の接触率を算出し、カテゴリ購入者軸でのメディアプランを作成
接触ベースのログデータを保有するサービスは、世間的によくあるそうだが、購入者を掛け合わせてヒートマップ化するのは他もなかなかできないそうだ。
本日のまとめ
インテージ社の本ウェビナーは非常に参考となる部分が多く、また保有する様々なビッグデータを掛け合わせることができる彼らの凄味を感じた。ぜひこの機会の共有しておきたい。
引き続きインテージ社のサービスは注視していきたいと思う。
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