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これまでnoteでは自己紹介をメインに書いてきた。
このカテゴリー以外に何か凝った記事を書きたいと思うのだが、
これだという文章に、なかなか仕上がらない。

やっぱり自己紹介で書いてきたように、
自分が経験したことを思ったままに語ることしか、
不器用な私にはできないのかもしれないと感じた。

そこで今回は相談員、カウンセラーとして、
人の悩みを聞く仕事をする私が、
話の聞くときに大切にしていることを
記事にしていこうと思う。

これを読んで、皆さまに何か得られるものがあれば嬉しく思う。

私の言葉で、人を変えることはできない。
これは一般企業でも福祉の現場でも同じだと思う。

人は指示を受けて言う通りに行動するのではなく、
自分で考え、自ら行動を決めたいと思う。
だから私は答えを教えるのではなく、
話をよく聞いて、何に悩んでいるのか
一緒に考えることが大切だと思う。


私は福祉の現場で相談員という仕事をしている。
地域で生活している方の自宅に訪問し、
日々の困りごとを聞き、
生活が少しでも豊かになるようお手伝いしている。

これまで私がお会いした中には、
何かをきっかけに病気や障害を持ち、働くことが出来なくなった方や、
高齢で認知力が低下し、社会生活が困難になった方などがいる。

そこでお話を聞いていると、私も他人事ではないと思えてくる。

会社員時代は
「いつか年を取ったら人に世話をかけるのかな、想像したくないな」と
その程度にしか考えていなかった。

でも自分が交通事故に遇い、歩行が困難になったら、
私も彼らと同じように、人の手を借りないと生活できなくなる。
自分も支援を受ける側になる可能性は、
そこら中に転がっているものだ。

私がご本人や関係者と面接していて、
外出できず公共料金の支払いが困難だと思われるときには、
支払代行をしてくれる福祉事業者に繋げることがある。

こういった面接で私が大切にしていることは、
ご本人が何に困っているのかよく聞き、
どうすればいい方向に向かうか一緒に考え、
納得してもらえるサービスに繋げるということである。

今の仕事に関わっていて、
福祉のサービスを受けたくない人は多いと感じている。
その気持ちは、私にも何となく分かる気がする。

福祉のサービスを受ける側にとって、
サービスを受けるということは今まで出来ていたことが
出来なくなったと認めることである。
「人に頼らなければ、余生を生きていけない」
そう考えると私なら切なくなりそうだ。

だから私は、
ご本人に必要なだけの福祉のサービスを受けて欲しいと思う。
そのためにはご本人の話をよく聞く必要がある。
どんな性格の方なのか、何に不便に感じているのか、
もし自分が面接を受ける立場だったらどんな気持ちになるか、
想像しながら話を聞いている。

そして本人の助けになりそうなサービスがあれば提案するが、
今出来ていることにまで手を出さないように、
求めていないサービスまで提案しないようにしている。


これは福祉の現場の話であるが、
一般企業の職場づくりにおいても、
この「話をよく聞く」という習慣がとても重要である。

例えば、仕事量の多い職場や、個人業務の多い仕事において、
どうしても必要なコミュニケーションが取りづらくなる。

その弊害として、
上司は自分の仕事で忙しく部下の話を聞く時間が取れない、
部下はこんな質問したら迷惑になるのではないかと思い相談しづらい、
というような会話の不活性化が起こる。

これを改善しないままでいると、
従業員が悩んだとき上司に相談できない。
良い人材がなかなか育たず、作業効率が上がらない。
そんな職場に嫌気がさし、離職してしまうことだってある。

そうならないためにも、
話をよく聞く」習慣を職場に作ってほしい。

上司が「いつでも話しかけてもいい」という雰囲気を作り、
相談を受けたときには何に悩んでいるのか考え、
必要な助言をしてあげて欲しい。

人を思い、話をよく聞くことは、
一般企業も福祉の現場でも大切なことだと思う。


-最後に-

転職理由で1番多いのは人間関係だと言われている。
だがそれは人間関係が仕事を楽しくするということの裏返しだと思う。

「自分の話をよく聞いてくれないのに、自分の悩みが理解できるものか!」
と上司に対して反発していたときがあった。(もちろん口には出さないが)
しかしその会社を辞める頃には、
一緒に仕事をしている時間がとても楽しくなっていた。

その上司とはファッションのセンスも違うし、好きな音楽も違う。

しかし同じ顧客を担当し、同じプロジェクトで悩むなかで、
お互いに得意な仕事、任せた方がいい仕事が見え、
上手く仕事を分担できるようになったのだと思う。

仕事に対するやりがいはもちろん大切だが、
社員同士の関係性が良く仕事が楽しいということも、
職場の理想のかたちだと思う。


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