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困ったときに相談、カウンセリングが受けられる場所

自分のことを人に話したり、相談するのは勇気がいることだ。

 もっと人に頼れ。人とコミュニケーションを取れ。これは私が20代前半に職場でよく言われたことだ。仕事にやる気がある一方で、目の前の仕事に熱中してしまい、人とのコミュニケーションが上手くいっていなかった。

上司への報連相にも苦労していた。「自分の案件についてどうせ最後まで話を聞いてくれない」「顧客とのトラブルがありしんどい。でも弱音を言うと上司の印象を悪くしそうだから言えない」と当時はよく考えていた。このまま仕事を続けるかどうか悩んだ時、それを隠しながら仕事をするのもまた健康的ではない。

 一人で解決策を考えた方が良い答えが出せる、そんなことはあるだろうか。誰かに相談した結果、やっぱり自分の考えは正しかったということはあるだろう。しかし、誰かの意見を取り入れることで、もっと早く、もっと問題が小さいうちに解決することもある。転職の悩みごとだって、信頼できて、秘密も守ってくれる上司や同僚が職場にいたら、どれだけ心強いだろうか。

私の考える『カウンセリング』はここに原点がある。一人で考えるより誰かと一緒に考えた方がいい。じゃあ周りに相談できる人がいないとき、頼れる場所はどこにあるのか。その場所づくりが、私のカウンセリング事業である。


カウンセリングの分類②

 相談を受けていて、人が抱える悩みごとは大きく分けて4つあると感じている。それが上の表である。

「仕事」「日常生活」どちらに関する悩みごとがなのか、それが「ポジティブ」「ネガティブ」のどちらなのか。このように悩みごとによって相談先を選ぶことが重要である。

例えば仕事が上手くいかなくて悩んでいる人の話を聞ていると、実は私生活で親族が亡くなり、人とのつながりを失われ、気持ちが落ちていることが原因だったということがあった。
このケースで言えば、仕事が上手くいくように自己啓発セミナーに参加するよりも、死別による喪失感を誰かに打ち明けて、気持ちを切り替える方が優先である。

 この記事では、その悩みごとを解決したいとき、相談するのに適した場所・人についてまとめていこうと思う。長文なので、気になる項目だけでも参考にしてみてほしい。


1.メンタルヘルス

カウンセリングの分類 メンタルヘルス

 人事異動や昇格、営業成績やパワーハラスメントなど、職場で慢性的にストレスやプレッシャー。受け続けると、その人の本来の力が発揮できなくなります。そんな日が続き、仕事を続けるのがつらくて悩みが解決しないのであれば、メンタルヘルスに関して知識のある人に相談しましょう。

〇人事、人事担当の総務
 仕事を続けるのがつらいと感じるのであれば、まず会社の人事に相談しましょう。ストレスチェック制度の普及により、メンタルヘルスに関して勉強している人事担当者も増えてきています。人事部には守秘義務がありますから、体調が気になるのであれば、まず相談してみてください。

〇カウンセリングサービス
 社内で相談しづらければ、社外のカウンセラーを検討してみてください。カウンセリングに関する資格は様々あり、労務、産業衛生に強い産業カウンセラー、メンタルヘルスの知識のある臨床心理士、人事や働き方についての相談を受けるキャリアカウンセラーなどあります。それぞれ専門分野が違います。悩みごとと心身の状態から、ご自身にあった相談先を選ぶと良いです。近年需要が増えており、相談方法もメールやLINE、電話面談、オンラインカウンセリングなど様々ありますので、調べてみてください。

〇心療内科、精神科クリニック
 心療内科やクリニックには精神科医の他にカウンセラーも働いています。診察や処方だけではなく、相談だけなど気軽に利用できる医院も増えてきています。病気と診断されるのではないかと気が引けるかもしれませんが、ご自身の状態を知るには有効な相談先です。医院を探すなら、「精神科指定医がいる」「カウンセリングだけでも受け付けられる」ところがおすすめです。


2.キャリアアップ

カウンセリングの分類_キャリアアップ

 働き方が多様化し、年功序列・終身雇用の考え方が変わりつつあります。今いる会社で活躍するのはもちろんですが、このまま仕事を続けることにモヤモヤしているのであれば、ご自身の強みを生かせる仕事は何か考えてみてください。このまま会社で頑張るのも、転職を考えるのも、どちらが正解ということはありませんが、自分が好きなことや人から「上手だね」と言われることを仕事にした方が、良い商品・サービスを提供できるでしょう。
 自分の強みを一人でじっくり考えることも必要ですが、誰かに自分の考えていることを話し、それに対する反応を見て、客観的な視点を得ることも大切です。

〇職場の先輩、上司、会社の人事
 今の会社で相談するなら、まず職場の先輩や上司、人事部に相談しましょう。活躍している先輩の話やどんな人材を会社が求めているかなど、貴重な話が聞けるかもしれません。興味があれば、会社が勧める研修に参加してみましょう。

〇家族、信頼できる友人
 人に話すだけでも頭が整理されて、やりたいことが明確になるものです。さらに家族や信頼できる友人に話すことで、自分とは違った考え方が聞けて、視野を広げてくれるかもしれません。ただしあなたのために貴重な時間を使って、話を聞いてくれているという自覚はしっかり持ちましょう。

〇(有料の)勉強会、セミナー
 なるべく有料のものに参加しましょう。その方が出席者の学ぶ意欲が高いですし、講師も報酬をもらって開催しているのですから、あなたに価値ある学びを提供しようとしているはず。出席者全員が来てよかったと思えるように、ワークには積極的に参加し、発言するように心がけましょう。
 もし出席者の中に、この人みたいになりたいという人がいたら、話しかけてみて、自分がこれからすべきことについて、意見をもらってみてはどうでしょうか。

〇資格学校、リカレント
 関心のある資格や、社会人になって興味を持ったことなどあれば、学校に通うのも良いです。私の体験談ですが、営業時代に人事に関するトレーニングプログラムに参加したことで、今までいかに固定概念にとらわれていたか気づくきっかけになりました。実際に資格学校に通うなら、公共職業安定所(ハローワーク)に申請することで、条件を満たせばの補助金が出るかもしれません。ぜひ活用してください。


3.孤立

カウンセリングの分類 孤立

 いじめ、病気、失業、近親者との死別、家族関係のトラブルによって、今ある人のつながりがいつ失われるかは、誰にもわかりません。それがその人にとって数少ない大切なつながりであればあるほど、喪失したときのショックは大きくなります。そんなときは誰でも、何もかもが上手くいかないと生きる気力を失い、気持ちが沈んでいってしまうものです。無理して頑張り過ぎず、目の前の悩みごとを一つひとつ解決していきましょう。

〇コミュニティ、サロン
 人のつながりが希薄になり、孤独感があるのであれば、まず初めての人と話をしてみてください。自治体や社会福祉協議会、ボランティアが運営しているコミュニティやサロンであれば、身元がしっかりしているので安心して利用できます。私の住む街では地域活動センターという機関が、さまざまな交流の場や民間団体の活動情報を提供しています。

〇就職支援機関、人材紹介事業者
 働いていないのであれば、まず仕事を探してみると良いです。決して働くことを急ぐ必要はありませんが、お金と居場所が確保されることで、孤立感は軽減されます。仕事を探すなら公共職業安定所、わかものハローワーク、東京しごとセンターなどに行けば、スタッフの方からアドバイスをもらうことができます。すぐに正社員になるのが心配であれば、タウンワーク、JOB aidem、indeedのようなフリーペーパーを活用するのも良いでしょう。

〇最寄りの役所(生活困窮者支援、生活福祉課など)
 直ぐ行動を起こせない状況であれば、まず生活の立て直しから始めましょう。最寄りの役所に行き、今の生活状況を伝えましょう。必要に応じて、行政サービスを紹介してもらえるかもしれませんよ。


4.人のつながり

カウンセリングの分類 人のつながり

 理想とする生き方は、人それぞれだと思いますが、自分のことをよく知っている人がいることは大切なことだと思います。私自身一人でいる時間が多く、知り合いと過ごすことは少ないのですが、何かあった時に肩肘張らずに話せる仲間がいてくれることは、とてもありがたいことだと思っています。
そんな仲間と出会うために、興味があることがあればまず挑戦してみましょう。そこで何かワクワクするようなつながりが出来たなら、人生がとても楽しくなりそうですよね。

あくまで私の参考例です。小さなことでもチャレンジ、行動していきましょう。
・新しい環境、分野に身を置き、自分のやっていることを発信する
・副業でアルバイト、ボランティアを継続してやる
・共通した趣味、価値観をもつ人が集まる場所に行く
・喫茶店、居酒屋、BARなど居心地の良いお店を見つける
・自分がお世話になった人を大切にする


ー最後にー

答えは貰うものではなく、見つけるものである。

転職先が見つからず困っている時に、姉から「友達に相談したら?」と言われたことがある。しかし私は全くその気になれなかった。それはおそらく、自分の今の状況を理解してもらえ、欲しい助言をもらうことなんて出来ないだろうと思っていたからだ。

しかし今考えると、相談すること=答えをもらうことではないと思う。カニがサルから「お腹空いたのなら、そこの木に生っている柿を取って食べたら」と助言をもらうようなもので、人ぞれぞれに出来ること生活する環境が違うのに、自身が探している答えを人からもらうのは難しいことだ。

相談というものは、自分の思いを人に話すことで頭の中を整理する、また相手の反応を見て、客観的な視点を得て、自身なりの答えを見つけ出すための手段である。

もし相談できる人がおらず悩むことがあれば、ぜひこの記事を参考にして、あなたの答えを見つけ出して欲しい。


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