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農と人手不足

農とは実際に手元にある物理的なものを取り扱う仕事です。データ、サービス全盛期の現代においてはある意味、遅れた産業とも捉えられるかもしれません。実際、そう思うことも多くあります。


この21世紀に素手で草を抜いたり、スコップで穴を掘ったり、鍬で耕したりしているわけですからね。ソフト産業が全盛の時代に、農というハード産業は苦しい状況になっています。


しかし、食品というものは人間がどれほど高度な技術を持っても替えが効かない基礎的なものです。植物工場や環境制御型農業がもてはやされていましたが、それでは到底国民全体への食糧供給は不可能です。


しっかり基本に沿って運用されている土の畑は100年、200年と維持できますが、上記のような人工的な構造物を軸とした農法はそうはいきません。もって30〜40年。その度に数千万円の投資が必要になるでしょう。それでは維持できないわけです。


では、みんな露地で生産すれば良い。

というわけにもいきません。

それは面積が広がれば、その分人手が必要になるからです。農業という産業で最も大きな支出は人件費と設備投資費です。


経営していく中で、人件費は利益の40%までに抑えればいい、と言われるほど人件費の割合が高くなります。他の産業ではこの数字が10%とか20%が上限とも聞きます。それほど人手が必要なわけです。


ですが、多くの農家にはそこまで大きな資本金はありません。なので技能実習生という形で人件費のかからない外国人を呼んでいるわけです。


しかしこの技能実習生もコロナ禍で呼べなくなり、農家はかなり厳しい状況で戦っていく必要性が出てきました。この状況が続けば、首を括る農家が相次ぎ、生産量が落ちていきます。そして確実に野菜の値段は上がるでしょう。


食糧生産が不十分な国はどれほど軍備をしていても、国力そのものが低くなります。私たちが思っているほど、食糧というファクターは不要なものではありません。誰もがよく言う 農業の人材不足、人手不足 は決して平和な話題ではないのです。


では一次産業に縁のない人はどうすれば良いのでしょうか?
それは、知ること だと私は考えています。
ぜひ、良い話も悪い話も知っていただけたらと思います。
それがあなたの人生や暮らしを豊かにもしますし、
世間の形も変えていけると信じています。

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