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Episode 278 消去法で拡げます。

Twitter でプレゼントの話が話題になったので、もう少しプレゼントの話題を引っ張ってみようかと思います。

子供のお誕生日プレゼント決まった!
木琴に決定です、実は夫の提案
三輪車がいいかなと思ってたけど、子供が自力で焦げる月齢って北海道は雪降る時期で…w
棒振り回すの好きだし、大人が演奏して聞かせてもいいし
大きくなってもながーく楽しめそう
(中略)
あれは似たようなの持ってる、三輪車は季節に左右される
とダメなパターンを提示したのが良かったかもしれません
いいパターンだと無数に選択肢あるけど、ダメの共有をすると選択肢が絞りやすいのかも
今まで持ってない種類のオモチャがいい、というシンプルな希望が良かったのかもです!


というツイートを見かけて、思わず私は「ASDは消去法が得意かも」というリプライを送ります。アカ主さんはこれが意外だった様子…。

私の思うASD像というのは、私自身を含めてコミュニケーションが上手ではなくて、幼いころからの経験の蓄積が弱いのだということは、何度かこのブログで書いてきたことです。
そこの原因の根本に「過敏/鈍麻」があると私は思っています

コミュニケーションが限られるが故に、広く浅くの情報収集をする力が弱い…いろんな人と接することで色々な興味のキッカケや人の考え方に接するのですが、その機会自体が少なくて、結果的に全ての人に平等に与えられた時間を深堀の方向に向けるのがASDの特徴のひとつなのだと思います。
そうですね、例えば100ccの水を、大きな皿の上に注ぐのか、コップに注ぐのかの違い…とでも言ったら良いでしょうかね。
だから「そんなことも知らないのか!」という常識を疑うような子どもっぽいところがあるかと思えば、「なんでそんなことを知っているの?」ってカルト的な知識を持つ分野があったりするのです。

ASD者にとって「プレゼントを決める/贈る」ということは、自分の限られた知識を最大限使って相手に似合うものを選び出すという作業です。
私がパートナーにプレゼント選ぶとして、私が知識として分からないものからプレゼントを選べるのか…と言えば、それは無理です。
自ずと自分の知識の中で、パートナーの興味とリンクする分野を選ぶことになる…。
もちろん、「パートナーにどんなんものが似合うのか」ということは必死で考えます。
その為には新しい知識を仕入れて、あれこれと調べて、「私が」納得のいくものをキチンとチョイスするのです。

先日話題にしたモグラの話と同じです
例えばパートナーは畑で、私はそこに住むモグラ。
これから夏野菜の季節…キュウリに茄子にトマト。
真っ先にキュウリが実りだして、トマトの実はまだちょっと青いかな…。
茄子はまだ花が付いていない…。

私はキュウリが苦手でね、トマトか茄子なら…。
でも、今食べるならキュウリなんだよね。
旬の野菜に勝てるものはない、私が苦手でもパートナーはそうではないワケで…。

にもかかわらず、苦手なものだからキュウリを選択肢から外して、まだ青いトマト…え、今トマト?
これが昔買った「浴衣」の話
典型的な独りごちるASDの消去法ですよ。

ダメを共有するってことは、旬に一歩手前のトマトと茄子を消去するという作業です。
なら、今美味しく食べれるキュウリ。
苦手な私でも美味しく食べられる調理法は?
発見、焼酎のカッパ割なら美味しくいただけますよ!
美味しく一緒に呑みましょうか!

ASDの人は、そもそも持ち合わせているフィールドが水玉模様のことが多いのです
限られたフィールドから合わせられるものを探そうとすれば、自ずと消去法が身に付くのだろうと思います。

その一方で、積極的な消去法を使うことで、フィールドが広がることもあります。
合わせられるものがない!
どうやったら合わせられるか、必死で方法を探すわけです。
この方法でキュウリの味が苦手ではなかったのだと、焼酎のカッパ割を飲んで知ったのです。

こうやってモグラは興味や知識という地下通路をつなげていくのだと思うのです。

旧ブログ アーカイブ 2019/6/19

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