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Episode 193 水玉模様ができるのです。

ASDの私にとって「原理原則」を知るということは非常に重要なことです。
例えばクルマなどでエンジンからの動力伝達に使われるトランスミッションなどは、バルブシステムと並んで、つい最近「下町ロケット」で一躍注目を集めた工業製品ですよね。

トランスミッションは毎分数千回転もするエンジンの動力をタイヤに伝えるための動力伝達装置なのですが、基本的な考え方は自転車のギアと全く同じなワケです。
一番わかりやすい自転車を例に取れば…。
ペダルの1回転はペダルに繋がっているクランクの1回転、そこに繋がっている歯車の数だけチェーンが進むワケです。
50個の歯が付いている歯車であれば、1回転でチェーンは50コマ進むワケです。

後輪に繋がっている歯車の歯が10個ならばペダル1回転でタイヤ5回転、歯車の歯が25個ならばペダル1回転でタイヤ2回転…これがギヤ比の問題。
当然後輪の歯車の歯が多い方が軽く漕げる…でも進まない。
だって、ペダルを回す力が変わらなければ、タイヤ1回転分の力は歯が10個ならペダル1/5回転分の力しかもらえないし、25個ならば1/2回転分の力が受け取れるワケですから。

この関係が分かっていて自転車やクルマに乗れば、どうやったら効率よく快適に走れるか分かるわけですよ。
クルマの場合は燃費に直結したりするワケで、いくら低燃費をウリにしたクルマに乗っていたって、急発進や急停車を繰り返すような運転をしていればカタログ通りの燃費なんて確保できるわけがないのです。
そうでなくても実際にはカタログ値なんか至難の業ですけどね。

…って、考えながらクルマの運転をしている人はあまりいないでしょうね。
「ふんわりアクセルとふんわりブレーキで愛情運転」は、交通安全と燃費向上の基本ですが、そのぐらいの意識で十分のハズ…。

私はその「どうでもいい」根本的な理論が分からないと気がすまなくなってしまうのです。
ギターの弦のテンションを緩めると音が下がる…その理由は?…っていうか、楽しく趣味で演奏する程度ならチューニングが合っていればいいワケですよ。
こうやって興味関心がある事柄をロックオンしてはトコトン理論の深堀をして理解を深めるのです。

ただ…深堀するには時間が掛かるのです。
「急発進と急ブレーキはダメだよー。」
「はーい!わかりましたー!」
たったこれだけのことなのに、トランスミッションの仕組みとは…それで、ギヤ比が…。
そこまで理解するのに手間も時間もかかるのです。

そして、それはまるで水玉模様の生地のように、すごく理解できていることと全く知らないことの差が出来上がっていくのです。
「広く浅く」全体的に…が一般的な人の社会の認知方法なら、私は過集中と解除を繰り返すことで畑のモグラのような社会認知を作り出しているのだと私は思うのです。

発達障害は発達凸凹。
出来ることと出来ないことの差が激しい…うん。
でも、それは先天的な凸凹以外に、後天的に自ら作り出してしまった凸凹も多々あるのではないか?

「そんなことも知らないのか?」
それは私自身の過集中に起因することもいっぱいあるのだろうな…と思うこともしばしばなのです。

旧ブログ アーカイブ 2019/3/26

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