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”子供心を忘れた”という大人は嘆く前に「チームラボ」の展示に行くべき

先日、久しぶりに”展示会”というものを見に行ってきたのですが、これがとても面白かった。その時の感想はこちらの記事で書いてます。

もともと、沖縄から東京へ出てきてからは、頻繁に美術館に足を運んでアート作品を鑑賞するのが好きだったのですが、仕事の悩みなどから徐々にアートを楽しむ余裕がなくなってしまっていました。

私はHSPかつ人見知りかつコミュ障なので、社会で生きていくのにわりと必死なわけですが、最近はすこーしだけ落ち着いて仕事ができるようになったため、再び”アート熱”が蘇ってきているように感じます。

そんな折、ふらっと訪れた「佐藤可士和展」がおもしろかったので、もっと他のやつも見たい!ということで、前々から気になっていた「チームラボプラネッツ」に行ってきました。

心が不感症になってきて、「子供心を忘れてしまった」と嘆いていた私ですが、この展示を見に行ったことで明らかに”心の感度”が良くなりました。

YoutubeやNetflixに慣れていた私は少し躊躇した

私は日頃から引きこもりなので、YoutubeやNetflixを見て一日を過ごすことが多いです。あとゲームもよくやります。

最近のサービスはコスパが異常に高く、Youtubeは広告さえ我慢すればタダ、Netflixは良質な作品が見切れないほどあるのに月額約1000円、ゲームは中古で買えば大体3000円くらいで50時間くらい遊べます。今の時代は本当に引きこもりに優しいですね。

そんな私ですので、月々の娯楽費はおそらく5000円くらいだと思います。

さて、今回行ってきた「チームラボプラネッツ」の入場料は3200円。Netflix3ヶ月分か…と最初躊躇しましたが、心の中から誰かの「いいから外に出ろよハゲ」という声が聞こえてきたため、行くことにしました。

あんまりおもしろくなかったらイヤだなーと思いつつ、元々チームラボが半端ない謎の集団だというざっくりとしたことは知っていたので期待を胸に抱きながら豊洲まで出かけました。

ちなみにチームラボを知らない人に向けて簡単に紹介すると、

チームラボは、様々な分野のスペシャリストで構成する「ウルトラテクノロジスト」集団。特定の事業は定めず、技術、科学、アートなどの垣根を越えた創造活動を生業としている。

というテクノロジーを用いて様々な分野で活躍する人たちです。その活動があまりに斬新かつ革新的なため、ウォール・ストリート・ジャーナルやBBC、CNNなど世界的なメディアに取り上げられるほど注目されています。

片道一時間くらいかけてようやく到着。

入り口にそびえ立つ「空から降り注ぐ憑依する滝」という作品。画像だと伝わりませんが、CG(?)で滝が流れ落ちる様子が再現されています。わりと迫力あります。

スタート前からすでに凄い!と胸を高ぶらせ、いざ中へ!

感動で涙が出そうになる、圧倒的な作品群

中に入る前に、色々注意事項について説明されますが、「膝下まで濡れるから裸足&ズボンまくってね」とサラッと言われます。

膝下まで濡れる??一体なにがあるの?

とりあえず言われるがままに靴と靴下をロッカーへ入れ、財布とかも全部中にしまいます。

そしていよいよ展示エリアへ!

中はかなり暗く、足元の淡いライトがおしゃれに誘導してくれます。通路がすでにアート。そして通路の先には...

なんじゃこりゃあ!通路に水が流れてる!

水に濡れるというのはこれのことか、と思いつつ水の通路を登る。素足で水を感じながら地面を踏みしめる感覚は、なんだか懐かしい感じがしました。

そして最初の展示は「The Infinite Crystal Universe」。無数の光がさまざまな動きで見るものを圧倒します。まるで宇宙の中をさまよっているかのよう。

地面と天井がすべて鏡になっているため、空間が無限に続いているような錯覚に陥ります。四方が光に包まれるため、私を含め迷子になる人が続出していました(その迷っている時間も宇宙を彷徨ってるみたいで楽しい)。

もう最初の作品から期待値を遥かに超えてきて頭がクラクラしました。テクノロジーを活用することで、こんなにも壮大な体験ができるなんて...

感動が冷めらやぬまま、次の作品へ。

「人と共に踊る鯉によって描かれる水面のドローイング - Infinity」という作品。これで私はノックダウンしました。

膝下まで水で満たされた真っ暗な空間に、光る魚たちが遊泳している。

その場でじっと立っていると、魚たちはぐるぐると人の周りを泳ぎ始める。そして人に触れると花びらとなって散ってゆく。

なにこれ楽しすぎる。気がつけば、年甲斐もなく子供のようにはしゃぎ倒していました。

自然の風景もふくめ、こんなに幻想的な光景を見たのは人生で初めてでした。写真ではあまり伝わりませんが、「ファンタジーの世界に迷い込んでしまった感」が半端ないです。

頭の中にFF10のあの名シーンがよぎりました。

↑これ。ティーダが思わずユウナとキスしたのも頷ける。

実際、端っこの方でカップルがキスしてました。気持ちはわかるけども、やめとけ!

皆さんにこの作品の凄さを伝えたいのですが、私の文章力では全く伝えられる気がしません。こればっかりは本当に体験したほうがいい。とくに幻想的な世界観が好きな人は必ず虜になります。

放心状態のまま、次の展示へ。次はどんな驚きをプレゼントしてくれるんだろう、とワクワクが止まりません。

お次は「変容する空間、広がる立体的存在 - 自由浮遊、3色と新しい9色」という作品。

なんか、私の写真では"人間の血液の中"みたいな感じになってしまったので一応公式のやつも貼っておきます。↓

人の体よりも大きい球体が敷き詰められていて、それを押しのけながら進んでいきます。

どういう仕掛けか分かりませんが、球体は押し上げると半無重力のようにフワッと落ちてきます。球体の色もライトでさまざまな色に変わり幻想的です。

周りのものを押しのけて進んで行く感じが満員電車のそれに似ていて、「満員電車でも周りがこんなふうに球体だったらいいのに」と思いながら進んでいました。

そして最後の作品。これも圧倒的な感動をくれる作品でした。

作品名は「Floating in the Falling Universe of Flowers」。まるで巨大な花が浮かぶ宇宙の中に漂っているような感覚にさせてくれる作品です。

ここも地面が鏡になっていて、まるで雄大な空間の中に取り残されたかのような気分が味わえます。

ちなみにこのスペースは横になることもでき、私は30分ぐらい延々と過ぎゆく花々を眺めていました。この空間で瞑想したらめっちゃはかどると思います。

時代は必ず「視聴」から「体験」へシフトする

私は「チームラボプラネッツ」の作品群を"体験"して、時代は必ず「視聴」から「体験」へシフトするだろうと確信しました。

現在はYoutubeやNetflixなどの「一方的に眺める」メディアが主流ですが、やはりどんなに優れた作品でも「体験」には敵わない。

たとえば、アカデミー賞を総ナメした神映画を観て感動した後でも、帰り道にうんこを踏んでしまったらその記憶だけが強烈に残りませんか?

極端なたとえで申し訳ないのですが、私が言いたいのは「人は自分自身で経験したことに対して喜びや悲しみを感じやすい」ということです。

実際、体験を伴いやすいディズニーランドなどのテーマパークは入園料が高額でもリピートする人が後を立ちません。

もともとエンタメや娯楽というのは、スポーツや競技といった自分の体を動かすもので創作されてきました。そして、これからもその性質は変わらないと思います。

今でも映画館などでは、ただ見るのではなく4DXのように体験型のものが出てきていますが、今後技術の発達によりその傾向は顕著になっていくはずです。

YouTubeやNetflixも例外ではなく、必ず何かしらの体験を取り込んだサービスになっていくでしょう。

近い将来、自分自身が主役になれる映画のようなものが登場するかもしれません。そう考えると、かなりワクワクしませんか?

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ということで、今回は「チームラボプラネッツ」に行ってきましたが、想像を遥かに上回る体験が得られてとても楽しかったです。

圧倒的な幻想世界の中を素足で歩き回る、まるで子供に戻ったかのようでした。そして「感動ってこういうことだな」と久々に思い出すことができました。

行く前には3200円って高くない?と思ってた私ですが、見終わった後は「安くない?」と真逆の感想を持ちました。

チームラボの作品に興味があるけどまだ行けてない、幻想的な世界観が好き、恋人とのデート場所に困ってる、という方々はぜひ訪れてみてください。


大事なお金は自分のために使ってあげてください。私はいりません。