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【不治の病】先延ばし癖を克服できない大人の末路

私には幼い頃から患っている不治の病がある。それは”先延ばし癖”である。

小学生時代は夏休みの宿題を最終日に気合で終わらせるのがデフォだったが、それはまだ可愛いほうだった。一応提出期限は守っていたからだ。

中学、高校と年齢を重ねるにつれ、私の先延ばし癖は増長していき、ついには「もはややらない」という境地にまで達していた。宿題は基本シカトで通すのはもちろんのこと、読書感想文などの課題ですら提出しなかった。理由はシンプルで「面倒くさい」からだ。

そのことで何度も職員室に呼び出されては注意を受けたが、まったく心に響かなかった。私は昔から期限だとか校則といったルールに縛られるのが大嫌いだった。好き勝手に自由に生きることが正義だと信じて疑わなかった。たとえそれで周囲に迷惑をかけようが、知ったことではなかった。

そんな痛々しいまでの自意識過剰な思考は大学に入っても変わらなかった。グループワークの課題ですら全く参加せずに一緒にやっていた人たちに大きな負担をかけたこともあった。そんなことだから、単位を落としまくりついには留年一歩手前になっていた。

さすがに留年するのは面倒くさすぎるので、なんとか単位を取得して留年は免れたものの、すでに周囲が就活やそれに向けて資格試験の勉強をしているなかで、私はなにもしなかった。いつものように先延ばしをしていた。

おかげで私は大学卒業後、ほぼ一年間ニート生活を送ることになる。

その後上京してなんとか就職したものの、私の先延ばし癖は改善する気配を見せず、会議資料の作成なども前日に慌ててとりかかり結局間に合わない、ということを何度も繰り返していた。

その後、私は「この業界は向いていない」ということで全く別の業界へうつることになるのだが、それも学生のうちから「自分が本当にやりたいこと」について真剣に考えることを先延ばしにしてきた結果である。

かくして私は何事も先延ばしにする癖を克服することなく30歳になってしまった。30歳といえば中堅にさしかかる年齢であり、後輩に対して色々と指導していく立場だ。しかし、20歳そこそこの子たちでさえ、私よりは物事を先延ばしにせず前倒しで行っている。むしろ私のほうが教わることが多いぐらいだ。

色んなことを先延ばしにしてきたから、その分だけチャンスを逃してきた。面倒なことから逃げずにきちんと向き合っていれば、もっとましな大人になれたかもしれない。

ようやくそんな当たり前のことに気づき、最近は意識して面倒なことから先に終わらせるように心がけている。はじめは己の怠惰に打ち勝つ必要があるが、結局やってしまえば清々しい気持ちになれる。

もちろんまだまだ私の先延ばし癖はそう簡単に治りそうにない。でも、毎日一つずつでも先延ばしにすることをやめていけば、それが習慣になるかもしれない。

面倒なことから先にやる。

今年度の目標はこれにすることにしよう。

大事なお金は自分のために使ってあげてください。私はいりません。