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年を取るにつれ、感情が薄くなってきている気がする。

年を取るにつれ、感情が薄くなってきている気がする。それはおそらく”1回目”という経験をすることが少なくなっているからなのかもしれない。

良くも悪くも生きていればそれなりの経験をするものだし、一度経験したものは次に出会った時には「ああ、あの感じね」と理解したつもりになってしまう。

本当は何一つとして同じ出来事なんてないのに、勝手に一緒くたに括って心に波風が立つのを避けてしまう。

それはある意味では生きるための立派な知恵だし、そうしなければ心だって病んでしまうかもしれない。

だけど、日常にありふれたものの中でも、人の死や誕生や誰かを愛する気持ちについては、いつだって初心のままであり続けたい。

いつも隣にいるからってそれは当たり前なんかじゃない。明日には突然この手を離れてしまうかもしれない。

大切なものをきちんと大切に扱える大人になりたい。当たり前と思える日常の中にどれほど奇跡が孕んでいるかを想像できる人になりたい。

最期の最期になってようやく気づくなんて、そんな悲しい人生はまっぴらごめんじゃないか。

大事なお金は自分のために使ってあげてください。私はいりません。