B.

チェスと将棋について。 チェスも将棋も完全初心者ですが、日々の勉強の記録を綴ります。

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最近の記事

【チェス】王道の古典定跡を識る-14-

KIDのエクスチェンジバリエーションをみていきましょう。今回取り上げる盤面は、以下の<テーマ図>です。 初形から数手進んでkIDの一般形から6手目黒e5と指した盤面。白のナイトとポーンが利いているため、一見e5のポーンをテイクできそうにみえますが、フィアンケットを組んだビショップのディスカバードアタックが良い味を出しています。 <テーマ図>で、白がdxe5とポーンをテイクするエクスチェンジバリエーションについてみてみます。ナイトに攻撃が当たっているため、黒はdxe5の一択

    • 【将棋】初手の指し方は30通り!

      初手では動かすことのできない、角行と桂馬を除いて、将棋における初手は実に30通りもの指し方が存在している。歩兵は9枚あるのでそれぞれを前進させる9通り、香車の2通り、銀将の4通り、金将の6通り、飛車の6通り、そして玉将の3通り。合わせて30通りである。 しかし、この30通りの指し方のなかでも、好手や悪手が存在し、初手をいかに指すかがその後の展開を大きく左右することもある。 今回以降の記事では、各駒ごとの初手を検証し、良い手・悪い手という形勢判断を試みたい。 まずは歩兵か

      • 【チェス】王道の古典定跡を識る-13-

        KIDの変化についてみていこうというところでした。最も一般的な変化であるクラシカルバリエーションから。KIDの一般形から5手目白Nf3と指すのがクラシカルバリエーションです。 KIDにおけるクラシカルバリエーションの具体的な変化をみていくまえに、今回の記事では、この盤面からほかの定跡に合流する可能性を模索してみましょう。前回の記事でもkIDは手順前後でほかの定跡にトランスポーズしやすいということは言及しました。 例えば、白Nf3と指した盤面からシシリアンドラゴンに合流する

        • 【将棋】駒組みは序盤の土台である

          駒組みをするとは、序盤戦において攻撃の体制を築き上げつつ防衛の囲いを固めることである。序盤では、互いにこの駒組みをしながら睨み合う状態となり、駒同士がぶつかり合って戦うのは中盤戦以降になる。 ”ヒモ”をつける意識を持つことの重要性は以前に記している通りであるが、初形の段階では、この”ヒモ”が既についている駒とついていない駒がある。 初形では、<第1図>でマークした6枚の駒にヒモがついていない状態である。特に居飛車を指すときには、☗7八金や☗4八銀というように金将・銀将を上

        【チェス】王道の古典定跡を識る-14-

        • 【将棋】初手の指し方は30通り!

        • 【チェス】王道の古典定跡を識る-13-

        • 【将棋】駒組みは序盤の土台である

          【チェス】王道の古典定跡を識る-12-

          さて、今回の記事からしばらくはみかける頻度は高いものの複雑で忌避する人も多いであろうキングスインディアンディフェンス(KID)について頑張って勉強してみることにする。 KIDは高レート帯でも通用する定跡で、私のような初心者が手を出すには時期尚早かもしれないが、手順前後でさまざまな定跡に合流することや黒番をもったときの駒組みの基本的な考え方が身につくことから取り上げてみた。 KIDの最も典型的な盤面は<第1図>のようなもので、黒はあえて中央への干渉を遅らせ非対称形で指すこと

          【チェス】王道の古典定跡を識る-12-

          【将棋】角頭を正しく守るということ

          初形から考えて、角頭の守り方はいくつか候補があります。もっとも即効性がある手は☗7八金です。後手が飛車先を伸ばしてきて☖8六歩と攻め込まれたとしても、☗同歩→☖同飛→☗8七歩で受けられます。 他にも角道を開けて角頭を守る方法もあります。初形から☗7六歩と角行の移動できるスペースを空けることで、後手が8五のマスまで歩兵を進めてきたとしても、8六のスペースは歩兵と角行で2回守られているため、受けきれます。 同じ角行の移動するスペースを空けるという考え方でも、☗9六歩と端歩を突

          【将棋】角頭を正しく守るということ

          【チェス】定跡のその先へ-2-

          「王道の古典定跡を識る」シリーズから少し発展させて、応用的な定跡や変化を考えていく本シリーズ。2回目となる今回の記事では、前回に紹介したACDについて、さらに深くみていきます。 ACDがユーゴスラブアタックに対してめっぽう強いのは、前回で紹介しました。しかし、通常のシシリアンドラゴンと異なり、ACDでは、黒はdポーンを突かないという選択をすることになります。これは、将来的に一気にd5と突ききる選択肢を残しておくことで、手得を狙い、攻撃を仕掛けていく狙いがありますが、一方で、

          【チェス】定跡のその先へ-2-

          【将棋】角頭を守らないとどうなる?

          前回の記事では、初形から角頭が弱点になりやすいことを軽くみてみました。今回は、タイトルの通り、角頭を守らずに攻め合うとどういった事態になってしまうのかみていきましょう。 角頭をフォローせずに互いに一直線に攻める最もシンプルな盤面が<第1図>です。飛車先の歩兵を伸ばし合い、互いに角頭を狙い撃ちます。 <第1図>から先手が☗2四歩と歩兵をつっかけてみます。次の後手の応手としては、そのままノーガードで攻め合う☖8六歩もしくはいったん攻めてきた歩兵を取る☖2四同歩の二通りが考えら

          【将棋】角頭を守らないとどうなる?

          【チェス】定跡のその先へ-1-

          さて、シシリアン・ディフェンスにおいて、ナイドルフバリエーションの次に選択される黒の応手として、ドラゴンバリエーションがあることは「王道の古典定跡を識る」シリーズでみてきたところである。 オープンシシリアンの一般的なドラゴンバリエーションの変化は以下の手順である。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 1. e4 c5 2. Nf3 d6 3. d4 cxd4 4. Nxd4 Nf6 5. Nc3 g6 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー ドラゴンバ

          【チェス】定跡のその先へ-1-

          【将棋】初形の特徴をみる

          当然のことを言いますが、将棋においては初形―つまりは対局を開始するときの駒の並び―が決まっています。自分も相手もおんなじ並び方。当たり前のことですが、今一度この初形の特徴を理解しておくことで、序盤の戦略が立てやすくなります。 改めて初形をじっくりと観察してみることで、なにかしら発見があるかもしれません。初形の特徴を理解しておくことは、特に序盤で駒を動かすにあたって実はとても重要なのです。 例えば、将棋というゲームの要である玉将をみてみると、初形では5九のマスに位置していま

          【将棋】初形の特徴をみる

          【チェス】王道の古典定跡を識る-11-

          前回の記事の続きから。 〇アムステルダムバリエーション ナイドルフバリエーションの変化で、6手目白f4と指すのがアムステルダムバリエーションである。 この応手の一番の目的は、e5のマスを牽制し、キングサイドに激しい攻撃を仕掛けることにある。白はここからビショップやクイーンを展開して、将来的にキングサイドキャスリングをし、斜線を利かせた積極的な攻めを実現する。 しかし、白はfファイルのポーンを突いたことによって、f2の斜線が弱点となり、黒はこのマスを狙うようにしてカウン

          【チェス】王道の古典定跡を識る-11-

          【将棋】金銀で自陣に厚みをもたせる

          将棋において、金将・銀将の果たす役割は意外と大きく、序盤ではいきなり大駒を動かすのではなく、きめ細やかなケアや柔軟な動きができる金銀で厚みをもたせることが大切になってくる。 金将・銀将をまったく動かさずに詰まされてしまったケースが<第1図>である。 極端なようで、実はよく見かける詰みの一種である。<第1図>のような状況となるのを防ぐために、どうすればよかったのか。少し前に盤面を戻して考えてみる。 <第2図>は、<第1図>の展開になる前段階であり、後手には桂馬の持ち駒があ

          【将棋】金銀で自陣に厚みをもたせる

          【チェス】王道の古典定跡を識る-10-

          まどろっこしい前置きは抜きにして。前回の記事の続きから。 ナイドルフバリエーションの盤面からの変化を考えていました。 〇メインライン 6手目白Bg5と指すのがメインラインです。 近年ではあまり指されない応手ですが、白の狙いとしては、リヒターラウザーアタックのように、次の黒e6を誘うことにあります。リヒターラウザーアタックの記事で述べているように、黒は放置するとダブルポーンによって構造上の問題を抱えてしまうため、e6と応手せざるをえません。 白は、f4と指して次のe5の

          【チェス】王道の古典定跡を識る-10-

          【将棋】序盤は小駒から攻めるべし

          タイトルの通りのことが言いたいだけの記事。 将棋は、8種類の駒をブキに盤上で戦うゲームであるが、そのなかでも強力な駒である、飛車と角行を合わせて大駒と呼ぶ。それに対して、歩兵を筆頭に、桂馬や香車といった駒を合わせて小駒と呼んでいる。 序盤は特にこの小駒から攻めていくことが肝心な要素だ。理由は単純明快で、取られたときに損害が少ないからである。チェスもそうであるが、将棋でも、駒の取り合いは損得勘定で決まる。むやみに駒損をすると、ただただ形勢が不利になる一方である。 例えば極

          【将棋】序盤は小駒から攻めるべし

          【チェス】王道の古典定跡を識る-9-

          さて、―この前置きも常套句になってきたが―「シシリアン・ディフェンス」の変化について4パターンに大別してみてきた。今回は、オープンシシリアンのなかでも最も指されやすく、人気の高い変化として有名な5手目黒a6と指すナイドルフバリエーションについてみていく。 ・・・とはいったものの、ナイドルフバリエーションはさらに大きく6パターンに分岐し、複雑な変化になりやすいことが特徴である。今回の記事では、ナイドルフバリエーションの分岐のなかでも最も指されている変化について取り上げる。

          【チェス】王道の古典定跡を識る-9-

          【将棋】駒損を防ぐための"ヒモ"

          バンジージャンプをするときに、命綱をつけずに飛び降りる人はいない。御者が馬を走らせるときに、手綱を握らないことはない。私たちの命を繋ぐための紐。こういう例を出すと聊か極端かもしれないが、盤上はまさに戦場である。敵地に赴くのであるから、それ相応の策を講じる必要があるのは自明の理だ。 さて、将棋において、最も戦況を悪くするのは、タダで相手に自分の駒を取られるという事態である。相手はその駒を持ち駒として、好きなときに好きな場所へ打つことができるのだから、単純に戦力差は倍増する。そ

          【将棋】駒損を防ぐための"ヒモ"