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【将棋】初手の指し方は30通り!

初手では動かすことのできない、角行と桂馬を除いて、将棋における初手は実に30通りもの指し方が存在している。歩兵は9枚あるのでそれぞれを前進させる9通り、香車の2通り、銀将の4通り、金将の6通り、飛車の6通り、そして玉将の3通り。合わせて30通りである。

しかし、この30通りの指し方のなかでも、好手や悪手が存在し、初手をいかに指すかがその後の展開を大きく左右することもある。

今回以降の記事では、各駒ごとの初手を検証し、良い手・悪い手という形勢判断を試みたい。

まずは歩兵から。

〇9六歩

<第1図>

動けなかった角行と桂馬が移動できるスペースは空いたので、完全な悪手とはいえない。ただ、その目的をもって指すのなら☗7六歩のほうがよっぽど合理的であるし、ただ単に端歩を動かしただけの結果に終わることも多々。

〇8六歩

<第2図>

最も悪いとまでいえるほどの悪手。最大の弱点である角頭を自ら危険にさらしており、☖8四歩→☗2六歩→☖8五歩→☗同歩→☖同飛で受からない形となる。☗7八金で一応の挽回は図れるものの不自然には変わりない一手。

〇7六歩

<第3図>

スマートな好手。角道が開いて敵陣まで角行の利きが伸びている。また、7七のマスに金将や銀将を配置することで弱点である角頭を守りやすくなっている。

〇6六歩~3六歩

ほとんど意味のない初手であり、むしろ駒組みが終わった段階で動かすことの多い歩兵たち。無駄な1手となるため、自ら1手損をしている状況になってしまう。

〇2六歩

<第3図>

非常に良い初手。飛車先を伸ばして大駒の利きを活用しようとする目的がある。研究され続けている一手であり、さまざまな定跡に合流する可能性を秘めている。よく見られるオーソドックスな一手。具体的な指し回しについてはいつぞやの記事でみていきたい。

〇1六歩

<第4図>

香車と歩兵を連結させて1筋から攻めていこうという目的は感じられるものの、1筋の攻めは歩兵を前進させてからの☖同香までで香車損の結果しか生まない。☗1六歩自体はそこまでの悪手ではないが、その後の攻め方が繊細になってくる。


今回の記事では、30通りあるうちの3割を占める9通りの歩兵の初手について検証した。結論としては、歩兵の初手は☗7六歩あるいは☗2六歩と大駒の利きを伸ばす2択になりそうである。

ここでもやはり肝心となるのは目的をもって指すということである。むやみに歩兵だけを前進させていてもいけない。初手から連続して歩兵ばかりを動かすのも悪手とされているため注意が必要である。

次回も引き続き初手の指し回しについてみていきたい。

             ―B.―


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