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[短編]星空への誘い③

それから、嫁いだ先で私はなんとなく上手くやっていけていた。お姑さんとも良い関係を築いて、肝心の相手とも。

最後まで見終わった私は、一息ついて数歩後ろにいた男性を振り返る。微笑みを絶やさずにいる彼を私はほんの少し疑っていた。何に対してかは分からないけれど。

何しろ彼はさっきの私の記憶の中にいたから。そんなこと一言も言っていなかったのに。記憶の中で彼は、私が婚姻した相手だった。何か知っているなら言ってくれても良いのに、何故彼は黙っていたんだろう。

私の訝しげなまなざしを察知したのか、彼はより一層微笑みを深くして言った。

「私が誰なのか、については最後に貴女が見る記憶でご理解いただけるかと思います」

私は彼に対して警戒心を抱きながらも、誘われるままに次の記憶へと踏み出した。

次の光は藍色だった。さっきと同じように光の中へと入る。二つ目の記憶は恐らく縄文時代ぐらいだろうか。教科書で断片的に紹介されていた土器や貝塚があるものの、もちろん一度も見たことのない世界で呆気にとられる。

自分の前世の記憶であるはずなのに、さっきの江戸時代よりも受け入れがたかった。まるで、一つの映画を見ているようだ。

それから私は、何かの作業のように黙々と記憶達を見ていった。

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