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【詩】切先

滾る念い(おもい)を打ちつけ
研ぎ澄ます

洗練された言葉の横面は
二日月の如く薄く張りつめ

振り下ろすのではなく
言葉の重さに身を委ね
一切を過ぎ行く

全ては過程でしかない
批評家などいない
立ち塞がるものは顧みず
ただ言葉を馳せるのみ

燃えよ
鍛えよ
打ちつけよ

研げよ
捨てよ
身を委ねよ

切先は常にあるべき場所に向かう
己もそこに辿り着くのだ

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昔、真剣を振らせてもらう機会がありました。
力いっぱい振っても上手く斬れなくて、適切な軌道を描き刀の重さで落としていくことで斬ることができました。
斬り終えた場所に刀がおさまるイメージでしょうか。

自分の書いたものを誰かに評されるのは時に嬉しくもあり、時に腹立たしくもあります。
だから、鍛えて研いで、言葉の、切先の向かう先に己を置く。
有無を言わせぬ一太刀となるよう、精進して参ります。

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