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〜淡い恋〜④


病室に戻るなり険しい顔をしたセイヤが座っていた。
「俺も行くわ」そう一言呟くと「また女の所にね」と嫌味を言うあたしに「うるせーよ、行かねぇわ」とだけ言い放つとあたしの前から姿を消した。

それ以来、あたしの入院中にセイヤが面会に来ることはなく、あたしも10日ほど入院してその後、退院した。



家に戻っても、母親の監視はもっと酷くなった、まだ完全に体調が良くなったわけでもないあたしを、これでもかってほど見張り、携帯を止めて外に遊ばせない様に必死だった。

退院後、セイヤは一度だけ家にきたが、あたしはさよならを告げた。
そんなあたしに逆ギレしたセイヤは、すぐに家を飛び出して、その後、あの女の元へ行ってたらしい。


地元にいれば情報なんてすぐ入って来たが、もうどうでも良かった。疲れてしまった。怒ることも泣くことも・・・



その頃・・・・・・。皮肉なことに、世の中はクリスマスモード一色で、それがまたあたしを深い悲しみにおとしいれた。

「あんた出かけないの?」

クリスマスイヴの当日、部屋に来てはそう話しかけてきた母親に「行かねぇよ」なんて言い放つとベッドに潜り込んだ。

こんな日に何が楽しくて女友達と出掛けるのか、それでも、もしかしたらセイヤが来てくれるんじゃないかと少しだけ期待している自分もいて、そんな自分に嫌悪感を抱いていた。

つづく→⑤




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