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稀な人(『岩田さん』) | きのう、なに読んだ?

岩田さん」とは、任天堂前社長の岩田聡さんのことだ。4年前、胆管腫瘍のため55歳の若さで亡くなった。

本書は、岩田さんが生前、「ほぼ日刊イトイ新聞」に登場したコンテンツ任天堂社の「社長が訊く」から、岩田さんの語ったものを抜粋し編集したものだ。だから、内容だけで言えば、今もウェブで無料で読める。でも、この本にはお金を出す価値があるし、ウェブ記事より長く読み継がれる可能性もある。「編集」が本書の価値を作っているからだ。

私はゲームを全くしない。岩田さんのことは、ほぼ日を通してしか知らない。それでも、私が働くこととか経営について考えていることは、実は、岩田さんの影響がけっこうあるようだ。これまで自覚してなかったけれど、本書を読んで、初めて明確に認識できた。編集の力は、すごい。

本書は岩田さんの書き言葉ではなく、話したことを読めるようにしてある。当然、話し相手がいた。それは殆どの場合、糸井重里さんだったんだと思う。そして、本書を編集した永田さんは、ずっと岩田さんの話をきき、編集してきた人だ。だから、この本は、岩田さん、糸井さん、永田さんの合作なんだと思う。

本書を作るにあたっての永田さんの思いが、こちらに連載されている。

私が岩田さんの考えにどう影響を受けているか、岩田さんがどうすごいのか。私には到底説明できない。読みながら付箋を貼った箇所を抜粋して notion にメモしたので、リンクをおいておく。

岩田さんはご自分について、一対一で話す人について、チーム内の力学、クリエイティブ、事業戦略、そして世の中の流れについて、ものすごく高い解像度で見つめていた。そして、実際に、実行していた。この本にある岩田さんの話したことは、すべて、ほんとうにやったことの裏付けがある。

今日は、以上です。ごきげんよう。

2019年10月24日追記:本の前半、第1章、2章、3章が無料公開されました。ほぼ日のサイトで読めます。



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