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きのう、なに読んだ?

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日々読んだ本や長文記事などの、読んだ部分について紹介と感想をメモします。
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#新型コロナウイルス

この状況は私たちに何を問うているのか(「夜と霧」) | きのう、なに読んだ?

この状況は私たちに何を問うているのか(「夜と霧」) | きのう、なに読んだ?

緊急事態宣言が出るのか出ないのかヤキモキしていた2020年3月末から4月上旬にかけて、「夜と霧」を読んだ。

ちゃんと読むのは初めてだ。これまで、本書の内容についてきく機会は数多くあったが、何となく手にとらずにいた。新型コロナウイルスの影響で外出を自粛するようになり、初めて自分ごととして読もうという心構えができたのだろう。

本書の前半では、収容所の過酷な様子、収容された人々が身体的・精神的に追い

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「科学的に正しい」と「不安を解消」のはざま (「知ろうとすること」) | きのう、なに読んだ?

「科学的に正しい」と「不安を解消」のはざま (「知ろうとすること」) | きのう、なに読んだ?

「知ろうとすること」という本がある。福島第一原発の事故の発生直後から、ツイッターでデータを発信し続けた早野龍五さん(当時、東大の物理学教授)と糸井重里さんの対談だ。早野さんは、福島で放射線の影響を測定し続け、発表した。高校生を指導して、所属してたスイスのCERNで発表する機会も作った。

早野さんのプロジェクトのひとつに「ベビースキャン」がある。赤ちゃんの内部被曝を測定する機械を世界で初めて開発し

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