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教壇に立ち続ける 110 ICTと教科横断【note限定記事】

5連勤明けに書いています。仕事したくないよう。今日は「ICTと図書館を使い倒した授業づくり」というお題でいろいろと私見を述べさせて頂きます。今月は仕事の関係で不定期更新になります。ご了承ください。この記事を読んで、参考になったなーとか、いいなと思って頂けたらサポートをお願いします。minneとFantiaはこちら。頑張って更新します……だからお布施してくれないと本当にモチベーションも維持できないので……よろしくお願いします。

タブレットを導入するなら……

事の発端は、勤務先がタブレットを導入すると言い出したことです。それ自体は喜ばしいことでもあるのですが……備え付けの電子黒板は壊れたまま直していないし、厳重な閲覧制限をかけるというのだから「それはおかしい」と吠えてきたのです。そもそも今ある機材を使いこなせていないのに、タブレットを入れたところで混乱するだけだと思いませんか!? まずは今できる最大限をやってからにしてくれ、ということと、どうせ使うなら各教科で使い倒せるようにしてほしい! と勝手に文句をつけてきたわけです。
生徒たちはスマートフォンで調べたいことを検索をしたりアプリを使ったり、そういう使い方はできるデジタルネイティブの世代です。しかし情報の精選がすごく苦手です。最初にヒットした情報を鵜呑みにしてしまうくせがあります。その情報は確かなのか、何が根拠なのか、自分の力で検討できるようになってほしいと思っています。そういうのが本来のメディアリテラシーというものでしょうし、本当にこれから先「生きる力」として身につけるべきは「情報収集能力」だと考えています。だからこそ「コトバンク」や「Weblio辞書」などで単語の意味の引き比べをさせたりとか、メディアリテラシーとして新聞記事や雑誌記事の読み比べもさせたいと思っていたのですが、なかなか実現は難しそうでした。

生徒は情報を適切に選べないから、そういう活動はしない。私はその発言に耳を疑いました。それはやらせなければできるようにはなりません。それなのに「できないから、やらせない」って、本末転倒ではないですか……? すごく疑問が湧きましたし、この学校は「文武両道」の「武」に寄りすぎていると感じています。部活動には力を入れるけれど、教科指導等はおざなり……そのくせ進学率を気にしている、とんでもなくご都合主義というか考え方が甘すぎるところです。このまま私がこの学校でキャリアを積めるのならば、どんどん「文」を重視する方向にシフトさせていこうと思っています。教科横断だとか、TRPGとか、今回お話するメディアリテラシーの授業もノウハウを共有していきたいです。

授業案①辞書と新聞記事を使う国語科

まずはこれから。「辞書で単語引き比べ」と「新聞記事の読み比べ」。
基本的な情報を選別する能力を養います。例えば「やさしい」という単語を引いて、(人柄が)優しいのか、(難しくないという意味の)易しいなのか、文脈に合わせた単語を選択するために「本文を読む」「文脈を追う」のが大事だよ、と伝えるものです。そんなに奇をてらったものではなく、国語科の基本に位置づけられる授業です。そのためにはいちばんいいのが「ジャパンナレッジ」を導入することです。これは非常に使い勝手がいい(辞書も新書もたくさん入っていて、読み放題。しかも良心価格)ので、司書教諭としてもオススメです。
新聞記事の読み比べも、実際に各社の新聞記事を選んでくるのは手間もかかるし、どの記事を選ぶかも難しい問題になります。だからこそ敬遠されやすいですが、大きなニュースについて一面記事の記述を比較するだけでもだいぶわかることがありますし、何よりジャパンナレッジなら準備に手間がかからないです。導入して損はない、それが「ジャパンナレッジ」。調べ物の基本的な練習ができるのも優れたポイントです。学校図書館を死蔵している勤務先にぜひ入れさせたい。

授業案②デジタルアーカイブで教科横断

続いて、これが一番やりたかったこと。「国立国会図書館デジタルコレクション」等の視聴覚メディアを活用した教科横断授業。
このデジタルアーカイブは、各出版物の本文にアクセスできるというもの。論文や古典文献など、幅広くカバーしているのがすごいです。さすが国会図書館……!! 授業で初めて古典に触れた高校1年生や、その前段階の中学生に、もっと深い話をする際にこの古典の絵図を示せるのは非常に大きいですし、日本史とも関連付けができるので、各担当者とすり合わせができれば教科横断も簡単に構想できます。絵図を使って国語科と社会科で、どこを重ねて教えて、どこを専門的に深めるのかを棲み分けすればよいのです。他にも絵図なので、日本画と西洋画など、美術史や技法との関連も実践できます。これはぜひともやりたいので、勤務先には頑張ってもらわなくてはならない。
そして「国立科学博物館」のかはくVRも逸品です。これは科博に展示されている動物の剥製や化石をVRで閲覧できるのです。理科との教科横断ができる国語科ってかなり面白いですよね。実際に教科書で出てきた生き物をVRで示すだけでなく、その生き物について調べ学習をしたり教師からの解説を入れたりすれば、楽しく知識が繋がっていくと思います。

ICTのなかでも電子機器を使って文献にあたることは、大学に入学した後でも使う能力です。これからいっそうデジタル化が進み、一生ものの能力になるのだとすれば、この技能を伸ばさない手はありません。ICT機器は文房具のように、気になったときに自由に使うものであり、自在に扱えないと困るものです。だからこそ、その使い方を教師が学んで、生徒に伝えていく必要があると考えます。この企画が実現するのを楽しみにしつつ、司書教諭としてのスキルを伸ばして、もっと授業提案ができるようにならなくては、と思ったのでした。それでは、また。

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