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机の上に労いを。

やる気を出して行動したことが、どれも漏れなく不発に終わるときがある。
その不運は一日だけだったり、数週間続いたり。
本当に嫌になる。
最終的に、やはり向いていないのだという定型の着地点が待っている。
「魔女の宅急便」のウルスラ曰く。
描いて描いて描きまくる。
(それでだめなら)描くのをやめる。

当たり前かもしれないけれど、それに尽きる。
二、三時間粘ったところで、何も進まない日もある。

筆のせいだろうか。
いや、我が身の未熟さを道具のせいにしてはいけない。
しかし弘法筆を選ばずと言えど、物にも寿命はやってくる。
物の命は使う人が看取るべきもの。
よく見ると、手にした筆の先はもう充分に終の形をしている。

さらば。
そう言って、心を一瞬だけ鬼にして傍らのゴミ箱にそっと沈める。
今日の作業はそれで完了。
それでよしとする。

徒労の一日で学んだことがある。
手で操るものはひとつひとつ、点呼と状態確認を怠ってはいけない。
捗らなさは、足踏みする道具たちからの叱咤かもしれない。
手が止まったときは、掌の中を見直す時間にしてみようか。








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