マガジンのカバー画像

22
運営しているクリエイター

#自由詩

君達が共に過ごすその夜に、

君達が共に過ごすその夜に、

僕はなりたい
その夜になりたいのだ
比喩だとか擬人化とか
そんな小さな事は置いといて
君達が共に過ごす
あの寒空の夜に
僕はなりたい

過ぎ去った明日

過ぎ去った明日

コンビニでなんとなくいつもとは違った番号を
呟いた
ひと吸いで いつも が恋しくなってしまった
残り19本
ただ火をつけた煙はゆらゆらと
踊っている
君の手のひらの上で

昨日やっと残り2本になってしまった
今朝の番号はいつもどおりで
何となくきみの名前を呟いた
ただ煙に巻かれた日々はだらだらと
過ぎ去っている
君の手のひらの上で

いつしか他の誰かとみたドラマ
言葉をコピー&ペーストして
君に気

もっとみる
全てが絶妙なバランスで出来ている

全てが絶妙なバランスで出来ている

誰かが置いた小石
デザイナーのパッケージ
あの日のライターに
いつもの煙草
予報から逃れた分厚い雲
果てしなく昔からある山と
今日だけの波の音
吐いた煙は粒子となって
君の体内へと溶け込んでいく

2人はまるで溶けたチョコレート

2人はまるで溶けたチョコレート

ギリギリにお互いの輪郭を保っている
そんな二人
触れ合っている面積よりも
溶け合っていたい
甘い
なんかよりも
苦く
ありたい
君の甘さを
足して二で溶けて
ちょうど
ギリギリ輪郭はうっすらと残って
二人は一人じゃなくいられる
君になりたいわけじゃないけれど
溶けた分だけ君をください
チョコレート

半分世界を食べてみる

半分世界を食べてみる

朝の埼京線はなんだか薄紫がかっている

いつも乗る横浜線とは違い

少しヤンチャそうな若者と

携帯から漏れる音を気にしないおばさんが

入り乱れている

紫陽花も咲いていないのに

そんな季節でもないのに

紫陽花の香りがした

不思議なくらいに

世界は丸いんだよと

誰かが言っていた

あれは地元の公園によく居る

お爺さんだったろうか

それとも一昨日スーパーで偶然に再開した

飲んだくれ

もっとみる
猫の目に宝石が

猫の目に宝石が

優雅に歩く

こともできるけれど

しなやかに飛び越える

ことも容易いけれど

うずくまって

君を見つめる

去年のこのころは

君たちを見つめていた

するとしゃがんで

何やら話しかけてくる

「目をえぐり出したい」

「それほどに美しい瞳」

「それを宝石として売ったなら」

しばらくすると何か納得したように

「生きているからなのか」

「命と瞳その輝きなのか」

思い立ったように過ぎ

もっとみる
愛 夢 そして言葉のようなもの

愛 夢 そして言葉のようなもの

愛してる

愛を伝えるのに彼女達は言葉のような
何かを纏った温度のようなものを用いた

ただ
抱きしめる

たったそれだけでも愛を伝えられるような気がした

夢みてる

夢を語るにも少年たちは言葉ような
何か孕んだ眼差しのようなものを使った

ひたすらに走った

その足跡が夢の骨格を形成しているような気もする

そして綴った

愛や夢のような形のない光だけを通して
自分を映し出す窓は明かりを消した

もっとみる