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秋の星々(140字小説コンテスト第4期)応募作 part6

季節ごとの課題の文字を使ったコンテストです(春・夏・秋・冬の年4回開催)。

秋の文字 「深」
選考 ほしおさなえ(小説家)・星々事務局

「秋の星々」の応募期間は10月31日をもって終了しました!
(part1~のリンクも文末にありますので、作品の未掲載などがありましたらお知らせください)

受賞作の速報はnoteやTwitterでお伝えするほか、星々マガジンをフォローしていただくと更新のお知らせが通知されます。

優秀作(入選〜予選通過の全作品)は雑誌「星々」(年2回発行)に掲載されます。
また、年間グランプリ受賞者は「星々の新人」としてデビューし、以降、雑誌「星々」に作品が掲載されます。

雑誌「星々」既刊ご購入▼


応募作(10月31日)

投稿日時が新しいものから表示されます。

10月31日

藤田硯(サイトからの投稿)
授業中だった。
「大人になっても辛いことは辛いままだし、苦しいことも苦しいままだよ」
あなたは私だけをまっすぐに見て、言った。「だからね。いま逃げるんだ」
海よりも深い静けさのあと、真っ白な校庭の砂を蹴って、もう二度と教室には戻らなかった。

ささや @sasayakana11
「滋味深い味ですね」息子は満足そうに言いながら、母親が作ったかぼちゃのポタージュをスプーンで掬った。
「そう言って頂けて光栄よ。貴方に美味しい料理を食べさせてあげたくて、料理教室に通った甲斐があったわ」そんな様子を見ながら、私はため息を吐き出した。こんなんだから結婚できないんだ。

ときのき @towani2003jp
頭頂部を大きな手のひらで圧され、硬くなった身体が足先から水底へゆっくりと沈んでいく。視界の明度が下がり、青から黒へと段々に変化する。腰までが泥の中に消え、背骨と付随する肉も、下りのエスカレーターのように少しずつ深みへと呑まれていく。開いたままの瞳孔が暗闇に動くものを捉える。蟹だ。

Sei(サイトからの投稿)
このバスに乗らないと教習に間に合わない。私はバス停に向かって全力疾走した。

「乗れた!」

そう思った瞬間、深海にいるような気分になった。
いつもと違う興味深い風景。なんとなく不安になる奇妙な静けさ。だが自分では抜け出すことができない。

これ、違う教習所に向かうバスじゃん。

浅葱佑 @telra12
今日は秋で昨日は冬で明日は梅雨。ひとつひとつの日々が大切だと確認するためには、連続していると知るためには何が必要なのだろう。 駅前のロータリーに霰の残骸があった。虹が出ている間私は深く眠っていたけれど、夢にずっと雷の音を聴いていた気がする。声を出して止めるだけの生活感。

まかず @yiloperr
雨が降る。傘のない僕はなす術もなく濡れる。服は体に張り付いて、靴の中はぐちゃぐちゃで、もうびしょ濡れで。でも倒れるなんてことはないし、別に溶けもしない。眼鏡を取れば視界も良好、雨宿りの必要なんかない。この水たまりだって大きいけど大して深くない。そこのだって、あっちのだってきっと。

藍沢 空 @sky_indigoblau
あなたに手紙を書きたかったけど、手が痺れてうまくペンが持てない。せっかく用意した深海色のインクも、満月の便箋も封を開けられずに待っている。やがて記憶は遠くなって、伝えたかった想いも萎んでしまった。こうして私はまた歯車になっていく。軋んで磨り減って動けなくなるまで、日常に繋がれる。

鬼姫ライム @KiKi_lim224
自己療養のために近くの山麓の川へ向かっていた。秋の紅葉は枯れてハゲ山になっていた。落葉の絨毯は踝まで沈むほど深くなっていた。お母さんに妊娠報告してくるね、と言って海へ身投げした亡き妻はもういない。川岸に着くとシャケの死体が散乱していた。北西から吹く風が残された照り葉を奪っていく。

真読 @setusame
深海の底はまるで夜空に包まれているようだった。ほんの少し鱗のある魚が僅かに煌めいて。海月は何処吹く風で漂っている。静寂が心地いい。忘れられる事は安穏に生きる術だ。己の意思で深海に沈んでいる。悪目立ちは生命に関わる。肉も涙もやるもんか。一人でも私は強く生きる。

雷田万 @light_10_10000
受験勉強とは、己との孤独な戦い。けれど、時計の針が重なる時、私を励ましてくれる友が現れる。もっとも、私が勝手に友と思っているだけなのだが。
「深夜のラジオ、今夜も最後までどうぞお付き合いください」
箱型の機械から発せられているのに温もりを感じるその声に、もう一息と己を奮い立たせる。

祥寺真帆 @lily_aoi
シワは年々深くなる。鏡をのぞきこみ、薄くなりますように消えますようにとクリームを塗りこむ。てかてかになった顔で寝室に入ると、本を読んでいた夫がこちらを見る。老眼鏡を枕元に置き「明日もきっとかわいいねえ」と落語みたいな口調で言う。「孫じゃあるまいし」言葉とは裏腹に声が弾んでしまう。

祥寺真帆 @lily_aoi
先祖は珍しい医者だったそうだ。代々伝わる話がある。みな心の深いところに森を持っている。ちんまりとした、明るい感じの森だ。大人になるとそこに忘れ物を取りに行ったり、お祈りに行ったり、泣き言をこぼしに行ったりするという。お墓参りに行くと、森のかおりが鼻をかすめるときがある。

染井吉野 @ddYbyK4vTUJWAJ9
草むらに仰臥し濃紺を瞳孔に映す。僕は諦観にあって再び深く嘆息した。魂はうねうねを昇って星になる。

フフ・タルヒ(サイトからの投稿)
故郷に戻ると病弱の母はシュガードーナツを出してくれた。三年前に母は死んだが、私はそれを思い出さないよう努めた。壁紙の黒の深さに少しぎょっとする。コチコチいいつつ時計の針はちっとも進まない。何もかも普通じゃないのに、何処か母の眼玉の生々しさを信じている。

祥寺真帆 @lily_aoi
深い意味はないんだけど、と温泉まんじゅうをもらった。「じゃあ課のみんなと」「いや、元気出して。福々しい頬が痩せてるよ」余計なお世話だったが、身内をなくした私を気遣ってくれているらしい。これ日持ちするのかなと思いながら「深い意味、あってもいいんじゃない」と赤い顔の背中に声をかけた。

藍沢 空 @sky_indigoblau
実家を片づけにいったら、だいぶ昔の恋の欠片がいくつも出てきた。よくもまあ、こんなに深いところから。薪を焚べて燃やしてしまいたかったが、火の始末も大変だ。仕方がないので、夜空に向かって丸めて投げたら、張りついて瞬きだした。そうか、今度は毎夜見張られるのか。ずっと忘れていてごめんね。

三丈夕六 @yuumitake
深い深い海の中。君は息ができずに踠いてる。なんでこんなに苦しいの。なんで行かなきゃいけないの。海面上がって息継ぎをして、必死に深く潜ってく。だけどホントは持っている。立派なエラを持っている。それに気付かず思ってる。苦しいものだと思ってる。大きく息をしてみれば、意外と楽に泳げるよ。

三屋城衣智子 @Miyagiichiko
霧の濃い中を、ぬかるんだ足元に気をつけながら進む。陽が沈むまでには次の予定地点に着いておきたいが、行く手を鬱蒼とした緑色が阻んでいる。二人ずつ組み六人程のグループで挑んでいたが、気づけば隣に誰もいなかった。ふっと顔に影がかかる。上を見た。木々の葉達の奥深くに吊るされていた。私も。

横田昌彦(サイトからの投稿)
冷蔵庫のケーキを見つけそわそわする子供。その不審な挙動に気付き、先手を打つ母。「ダメよ!さっきママと一緒に今日のおやつを食べたばかりでしょ!部屋で宿題しなさい!」無念さをにじませながら退散する子供。その様子を見ると素早くケーキに手を付ける母。偉大な母も、ケーキの前では欲深い。

横田昌彦(サイトからの投稿)
「わたしは深窓の令嬢だわ……」小さな部屋の、小さな窓からのぞく青空。いつからここに居るのだろう。いったいどうすれば自由になれるのか。だんだんと薄れゆく意識の遠くで、妹の声が聞こえる。「お姉ちゃん早く出てよ!私も入りたいのよ!」彼女はまさしく深窓の令嬢である。

横田昌彦(サイトからの投稿)
彼女は今まさに悩んでいる。固く握るカゴの中には、じゃがいも・にんじん・玉ねぎ・豚こま。北海道産の野菜たちに赤札の国産豚肉。ここまでは何の問題もない。
しかし、あとひとつがどうしても決まらない。歩みを止めてしまった彼女。カレールウか糸こんにゃくか。彼女の悩みは、非常に奥深い。

武川蔓緒 @tsurutsuruo
イトコの家に遊びにゆく。ナッちゃん、ユウくん、叔父さん……あと、叔母さんじゃない、知らない女のひと。「久し振り」笑むそのひとは「長女よ」と云う。頬に眼尻に皺が深く、叔母さんよりずっと年上と思う。舞台演劇の娘役みたく高い声を響かせ、はしゃぐそのひとに、ほかのみんなは少し、虚ろな眼。

もとし @motobaritone
俺は匂いに敏感だ。深い洞察力も相まって現場で重宝されている。今回の犯人はきっとアイツだ。衣服に付いた血の臭いは、中々取れないからな。厄介なのは隣にいる女だ。妙に妖艶で良い匂いがするし毛並みが最高だ。俺は職務を忘れ尻尾を揺らし、相手の顔を舐めそうになった。警察犬である事を忘れてな。

石森みさお @330_ishimori
感覚全てを使って深く物語に没入できる能力は、十歳頃で失われてしまうそうだ。子どもの頃に味わった読書体験はもう帰ってこない。泣きたくなる現実を前に、せめて夢想する。きっと、物語の世界へ旅立った小さな私は、まだ心に帰ってきていないだけなのだ。ゆきてかえりし物語の、きっと途中なのだと。

一文字 @hoshino_kuro
ケンカをした翌日。遅刻ギリギリの時間になって家を飛び出した。朝食は抜きになるし、昨日のことを考えると腹が立ってくる。定期券を取ろうとバッグの中を探ると何かに手が触れた。
疑り深くも引っ張り出すとゼリー飲料が現れた。貼られた付箋には一言「ごめん」の文字。
現金だなあ、と我ながら思う。

荒金史見 @af_viz0319
色を持たずに生まれた少年が誕生日に欲しがったのは、真っ白なスニーカーだった。彼は真新しいそれを履き、青と黄色の家から出て、緑と茶色と赤と黒の森へと向かった。ピンクの犬小屋に住む犬を撫で、紫の塀の上で眠る猫には敬礼を。深い森を抜け、自分の家に戻った少年は、様々な色を手に入れていた。

三屋城衣智子 @Miyagiichiko
星の中を沈む。深く、深く、段々と紺色はひだを纏って暗闇色へと変わる。遠くなるその光に手を伸ばしたけれど、掴むことができたのは透明なひと雫だけだった。天と地とその境目さえ曖昧な地平線のその奥底、足元すら覚束ないふわふわとした心地の床か天井へと片足がついた。手の平にころりと丸い、夢。

阿透(サイトからの投稿)
夜深し。目に見えているのはすでにあるような小説の下書き。午前五時にずっと真夜中でいいと溢していたらいいだろう。それがこの小説を成仏させる方法だ。僕は物語のなかに深く潜る。沈みゆく意識のなかで祈った。どうか残り香になって。この夜に溺れないように。

ミツ(サイトからの投稿)
彼以外に乗客のいない終電の車両に若い女が乗ってくる。わざわざ自分の向かいに座り、煽情的に組んだ脚を見せつける。終点の間際、女が立ち上がる。そして車両に揺られながらふらふらと彼を見下ろすように立つ。彼が女のとろんとした意味深げな視線に応えようとすると、女はまともに男の顔に嘔吐した。

ミツ(サイトからの投稿)
つばの広い帽子を目深に被る女が傘もささずに雨の深夜に歩いている。彼は雨の音に紛れて女をつけた。距離を保ちながら最初の一言を考える。あるいはまず追いついて傘に入れてやって顔を確認してもいい。足を早めると急に女は振り返った。ぎょっとする。彼は確かに首のない女が甲高く笑うのを見たのだ。

きり。 @kotonohanooto_
そこは暦が春になっても雪深く、からだ全部が凍ったように寒かった。その日は私の誕生日で、隣にいる彼に言った。私の名前って、産まれたときに桜が咲いてたからついたんだよ。彼は、じゃあここなら深雪とか、そんな名前だ。と笑って、誕生日おめでとう。あったかいココアを飲もう。そっと手を握った。

れん(サイトからの投稿)
深い闇から生まれ出た時、また愛という字が入った名前なんだと思った。前の人生の愛が足りなかったのか、逆に溢れたせいなのか…記憶にはない。今の愛は私を踊らせたり静めたりしながら、いくつもの四季を超えていく…私は一生を終える時に思った。結局、愛とのバランスは良かった。叶うなら次も、と。

兎谷薬局 @Sailor_Satur208
異性の後ろ姿を見て歩く時、性器に最も近い臓器が露出狂の如く服を脱ぐので、それに対抗して、曲を聴いている事実に酔える曲をイヤホンで聞いて臓器の温度をやや高めて歩いた。
祭りの音が小音だけど深く入り込んできて、あえて早歩きしたけど速すぎるから白しか踏まないようにして帰った。

きり。 @kotonohanooto_
好きになってはいけないひとだと、頭ではわかっていた。けれど気づくと、深みにはまっていた。どうしよう。あのひとのいない時間を過ごせない。いつのまにか、眠れないようになっていた。かならず夜中に目を覚ます、浅い眠りしか得られない。月明かりの中、ぽとり、雫がこぼれた。目から、手首から。

荒金史見 @af_viz0319
母が死んだ。憎みきれず長いこと離れていた私は、祖母に呼ばれて弔いの場を訪れた。初めて来た母の実家の庭に古い井戸を見つけ、中を覗き込んでみる。どのくらいの深さだろう。遠く微かに水面らしきものが見える。水面に母の顔が映り、私は思わず叫んだ。「お母さん!」古井戸は震え、やがて沈黙した。

きり。 @kotonohanooto_
ひとり暮らしをはじめて、テレビもつけず、静かな部屋でソファーに横たわっていると、夜が、海になったような気がしてくる。さしずめ、わたしは深海魚か。どうしようもない孤独を感じる反面、ずっとずっと、このまま潜っていたくなる。このまま眠れば、何日、何年、経つだろうか。わたしは瞳をとじた。

吉良 荒紀(サイトからの投稿)
真新しいインスタントコーヒーの瓶を開ける。深爪のせいで、貼ってある紙がとれない。なんとか縁のあたりをつまみ、慎重にはがす。瓶口に紙が残る。これもはがす。紙を持った手でごみ箱のふたを開けると、おれは袋にコーヒーの粉を注いでいた。誰かに笑ってほしかった。

吉良 荒紀(サイトからの投稿)
戦隊のグリーンに選ばれた。5人で偉い人に会ったところ、「お前は渋いからグリーンじゃない。深緑だ」と指をさされ、変身アイテムを返すように言われた。せめてビリジアンにしてほしいと懇願したが、「お前はカタカナを名乗る男ではない」と聞き入れてはもらえなかった。アイテムはまだ返ってこない。

夏巳 @N_natsuo
私と君の思い出の場所に、タイムカプセルを埋めよう。誰にも見つからないように、深い深い穴を掘って埋める。掘り返すのはいつがいいだろう。10年後、20年後?そんな遠い未来まで、君と一緒にいられるだろうか。深い深い穴に埋めたタイムカプセルを迎えに行けるほど、深い仲になっているといいけれど。

たーくん。(サイトからの投稿)
最初は軽い気持ちで、沼に足を入れただけだった。
すぐ引き返すつもりだったのに抜け出せず、少しずつ沈んでいく。
気がつけば頭の上まで沼に浸かっている。
沼の中に居た人の話によると、この沼はまだまだ深いらしい。
推しにハマって沼るというのはこういうことなんだと、身をもって実感した。

立藤夕貴(サイトからの投稿)
紅葉のような手が天に伸びる。茜色に染る楓の葉を追う姿は愛おしい。爽やかな風と共に駆け抜けていく。
きっと私は早くに貴方と別れなければならない。けれど、深愛があったことは感じてもらえるようにしたいと思う。些細な一瞬でも共にしたい。綺羅星のような貴方の存在が私の生きた証なのだ。

籾木 はやひこ(サイトからの投稿)
男には、一千二百万の借金があった。そして、結婚相手にも一千二百万の借金があった。そして生まれてくる子供にも一千二百万の借金がある。深く考えた。なんで少子化問題が進まないのか。みんな将来に不安を感じている。なんでこんな世の中で子供を作れるのか。奪い合いの生き残りゲームになるだろう。

八木寅 @yagitola
僕は竜になりたかった。誰もなり方を知らなかったけど、深い谷に竜が棲むと教えられ、旅に出た。谷も竜も中々見つけられない。そのうち、ただ旅をしているのもいいと思えてきた。そうして、幾星霜を経て、深い谷に辿り着いたとき、僕は竜になっていた。タツノオトシゴの僕が空を自由に泳ぐ竜に。

鈴木林 @bellwoodFiU
世界でただひとり私は印をつけられる。隣を歩く人は私を山深いところへ連れていきながら話した。一応祭壇には寄るけど、その先には道があって、大きな音がする黒い乗り物が待っているよ。私はそれが車という物だと知りながら黙って頷いた。本当は生贄など信じていない皆々が、儀式の準備を進めている。

おんぷりん @GJBgugkgHCneBk3
窓の向こうで雪が降りつもっていた。しんしんというより、深々《しんしん》と。静かで、何もない、時間が消えたような夜。何を言おう、何を書こう。指を惑わせ、ぼすっと布団に埋もれる。

おんぷりん @GJBgugkgHCneBk3
夜の色が黒より深くて、明るいことに気づいたのはいつからだろう。ぶらぶら歩く。立ち止まる。下を向く。なにかを追いかけて道を辿る。
何やってんだろ。夜に溶けたい。プシュッと空気が弾けた。

ぬるい炭酸を飲み干した。

おんぷりん @GJBgugkgHCneBk3
あまりに深くて息ができない。吐き出す息のような泡になって、このまま消えて散ってしまいたかった。

右近金魚 @ukonkingyo
リンドウの青が灯り山がしずもる。花を覗き込んでいると、図らずも目線を滑らせ青の深みに落ちてしまった。花底はラピスラズリの玲瓏さで溜め息すら真珠になる。私は何故か一心に祈りたくなる。千の祈りを青に染めたら、きっと蜘蛛の糸が降りてくる。私は青い一枝の灯を掲げ、どこまでも野を行こう。

瀬都 @setoka_kazahana
陽が傾き水平線が光る。千尋の海はどこまでも広く深く、幾千幾万の色を見せるのだろう。世界は広いと言う。まだ見ぬ景色に溢れていると言う。ぱしゃり、と水面を弾いた。雫は舞い上がり、夕陽を透かして、儚く散った。世界は広いと言う。けれど私はここにいる。あの煌めく雫のような今を抱きしめて。

森林みどり(サイトからの投稿)
仕事を辞め家に引きこもって半年。急にリュックを買いたくなった。買ったリュックを背負ったらどこかに行きたくなった。川へ向かった。冷たい水に足を浸した。流れに足を掬われた。水が体の奥深くに入り込み、私は溺れた。リュックに導かれたようだった。でもこうなることが私の望みだった気もする。

森林みどり(サイトからの投稿)
電車を降りると夜道を歩いた。昼のように明るい予備校から、学生たちが吐き出された。後ろから誰かついてくる。振り返ると、足の太い色白の少女なのだった。追いつかれたくない。私は足を速める。ひたひたと足音。体臭が濃くなる。私は恐怖にとらわれる。冷たいものが首筋を流れ、深い闇の中に落ちた。

森林みどり(サイトからの投稿)
深夜、目が覚める。どこかでモーター音がする。音は次第に大きくなる。不意に胸の奥に痛みを感じる。彼女との思い出が蘇る。スマホの予測変換には、やり取りの断片が残されたままだ。別れの日、一緒に珈琲を飲んだ。随分苦くて舌がしびれた。会話が途切れ、二人で店の換気扇が唸るのを聴いていた。

武川蔓緒 @tsurutsuruo
向日葵が、誕生日に届く。可愛い黄薔薇や霞草に縁どられていたそれは、もぞもぞうごき束より抜けだし、這い。横たわる私の胸に、気づけば留まる。私、まるで暢気に葬られたみたい。私、生きてる? ときけば、生きてる、と誰かこたえ。向日葵はやがてフワリ浮き、半円窓の空へ。鱗雲の深淵に、消える。

あられ @klavmlDG6wGoHNk
「私のことが好きなんでしょう?」
「もちろん」
僕がそう答えると彼女は僕の腕をガッと掴んだ。女性とは思えない強い力で僕を海の中へ引き摺り込む。ろくに空気を吸うことができなかった僕の息が海の中で続くはずがなかった。
「ようこそ、深海へ」
最後に人魚の彼女が笑顔で言うのが聞こえた。

武川蔓緒 @tsurutsuruo
電車に乗る。知人ばかり乗っている。やけに昔の変な髪型をして顔も若返った男友達。逆に老いて白髪となり着物を巻いた女の同僚。深海を征くようなトンネルにはいり、頭が重い。灯の殆ど点かぬなか、目前の、昔の彼氏か最後の恋人のようなひとと、影をかさねキスする。煙草の匂い。懐かしい? こわい?

れん(サイトからの投稿)
深い秋の街。奥の教会から出てきたオープンカー。後部座席に乗っている純白の君と照れくさい僕。祝福のシャワーの中、車は金木犀が香る道を滑っていく。その光景を目を細めて眺めていたら、君は右手をぎゅっと握り、早く行きましょうと僕を急がせた。孫のプレゼント選びが楽しみでしょうがないようだ。

sayaka.s(サイトからの投稿)
きらきらしていると思っていたけれど、それだけではないことを知る。
ただ好きだとか、そんな単純なものではなくもっと複雑なことを抱えている。
人の深層心理なんてそんなものなのかもしれない。
なんだか不思議な気持ちだった。
でもきっと素敵なものに違いない、そう夢見心地に浮かれている。

sayaka.s(サイトからの投稿)
「ミルクティーが上手く作れない」
彼女が深刻そうな顔をしているからとても心配していた。美味しいよ、そう言って温かいカップを手に取り一口啜る。ミルクと紅茶と砂糖の味がした。
「今度は別のもの入れることにする」
「例えば?」
「うーん、塩とか」
それも案外美味しいものかもしれない。

泥からす @mudness_crows
「だから、これは浮気とかじゃなくて……」深海の底の様なファミレス。僕は、彼女の口から漏れる言い訳の気泡を眺めていた。(そんなに空気を吐いたら大変だよ。それに、海の底はもう少し静かな方がいい)そんな事を考える僕の胸の穴からは口の無い虚が顔を出し、彼女の目の中で嘘の大群が水を跳ねた。

sayaka.s(サイトからの投稿)
深深と雪が降り積もる。冷たい空気を窓越しに感じながら、私はカーテンを引いた。どうか積もりませんように。でも、雪で作られた密室もそう悪くないかもしれない。幻想的で、綺麗で。足跡をどうやって隠すのか考えながら瞳を閉じる。
まるで殺人事件を創造しているかのようで、ときめきが止まらない。

泥からす @mudness_crows
永劫を体現するかの如く夜空にさざめく星々も、いつか消えていくのだろう。ほんの数瞬、燃えて流れた僕と彼女の関係の様に。今の僕には、星々の語るロマンスは聞こえない。その輝きにさえ、慰められる事はないだろう。この深い沈黙の夜の中に孤独に灯るあの星を除いては。フォーマルハウト。十月の光。

neko @neko_nicolson
月の光の中、お湯も肌に心地よい。
「贅沢に露天風呂付きの部屋で大正解!」
そう言いながら入ってくる彼は温泉街の深まる山肌の色合いを明日の朝風呂でも楽しむようだ。
「朝はもやがかかると思うけどね」
「それはそれでまた来ようって思うでしょ」
お風呂のあとの指輪を受け取るお話は次の機会に。

一文字草(サイトからの投稿)
夏にはガラス、藍や青磁の爽やかな色の物。冬には落ち着いた素朴な陶器。温かくどっしりとした安定感。柄物もいい。白も欠かせない。ワンプレートでは味気ないけれど皿数が多いのも考え物。だから深皿が食卓の主役。今日も食卓には深皿が並ぶ。根菜と鶏肉の辛味噌炒め。炊き上がった新米にぴったりだ。

一文字草(サイトからの投稿)
何事も深けるに越した事はない。夜も深ければ穏やかな時が流れる。我武者羅に生きた時間はいつしか無駄ではなく深く色づく。浅はかな必死さも、積み重ねればいつしか重みを持つ。深々と重ねた絶望と涙。いずれ海となり山となり自分の中に壮大な風景を築くだろう。そしてただ穏やかにその中に沈み眠る。

紫妃(サイトからの投稿)
爪を切っていて、ふと思い出した。「出掛ける前や夜に爪を切っちゃいけないよ。夜爪と出爪は不吉なことが起こるからね」と、死んだ祖母がよく言っていたのだ。「痛っ……!」無意識に深爪をしてしまい、爪裏の皮膚が痛い。「ほら、いわんこっちゃない」そんな祖母の小言がかすかに聞こえた気がした。

一文字草(サイトからの投稿)
多くを見失い、色を失った時間。たった一人残された世界。他には何もない。音の無い空間は時間の方向性を見失う。唯一あるのはその身一つ。浮ついた、なんの重みもないその体の奥深くに深紅の血が淀んでいる。深紅は黒く、闇に溶ける。黒は無色。何もない。色のない時間。深紅はゆっくりと無へと還る。

若林明良(サイトからの投稿)
詩がわかるとはどういうことか。まるい言葉、きらきらした言葉、透明な盾のような言葉。わかった気になってへんに深読みをし勝手に傷つき去ってゆく。ひりひりした心が立っていた。あれは私を遠ざける言葉だったのか。今となってはわからない。詩の縁から明日を見て、ただうっとりとさせてほしいだけ。

かまどうま @nekozeyakinku
黒に近い茶色の表面。
底は見えなかった。先々代から継ぎ足しで作られてるから当然だ。
仕方ない。僕はお玉をそっと入れる。落とした結婚指輪と鍋底に、すぐにぶつかるはず。
あれ?深い?なんで?
気がつけば、お玉も飲み込まれていた。
底が無い?なにこれ?本当にデミグラスソースなのか?

おしぼり(サイトからの投稿)
隣の席のおじさんは、いつも深爪をしている。ネイリストが、あのハイポニキウムの一切見当たらない爪を見たら、きっと発狂するだろう。
「昔はあまり気にしてなかったけれど、子供と遊ぶためにマメに切っているんだ。」
そう言って、赤ん坊の映ったスマホの画面を、自慢げに見せてくる。

カカリヤ @cacalia232
飼っていた文鳥が冷たくなり、私はまた一人になった。秋の夜は漫ろに寒く、私は心の洞穴へ松明を持って深く深く潜っていく。誰も知らない安全な場所に、私は宝物を隠しているのだ。がらくた混じりのその宝箱の中に、そっと文鳥の魂を横たえた。今夜はここで眠ろう。明け方にまた、洞穴を出ると決めて。

彩葉 @sih_irodoruha
美しい言葉を紡ぐあの子の心のなかに入りたい。深いところで言葉が生まれてくる様を見てみたい。きっと夜空に星が増えていくようだと思う。紡がれた言葉はやさしく光るようにどんな哀しみにも寄り添っている。あの子は知らない哀しみにも寄り添える流れ星のよう。平和を静かに祈っている。

彩葉 @sih_irodoruha
小さいころのぼくは大きく笑い、飛び越せないような水たまりにも無防備だった。今は空気を読み、笑ってもいいのかを見極めている。水たまりがあれば、長靴を用意する。あの頃のぼくも今のぼくのなかにいるはずだけど、きっととても深いところにいる。それとも深い眠りのなかにいるのだろうか。

飛龍さつき @ryuhi_T
目の前で知らない女がずっと、自分のお尻を指差しながら必死に何かを訴えている。しかし俺は元々耳が良くない上、今は大きなヘッドホンをしている。困ったようにオロオロするその表情に深いため息をついてヘッドホンを外した俺に、この女は大きな声で俺のお尻を指差した。
「お尻、穴空いてますよ!」

いち子聡(サイトからの投稿)
近所を散歩している茶トラの猫を最近見かけない。「あそこにいるわよ?」指を差された場所には何も見えない。「よく見て」私が目を凝らすと風もないのにガサゴソと落葉が揺れている箇所がある。「秋深くなると見られる風物詩よ。あの子はよく木の下でお昼寝しているから」起きた猫が落葉を振り払った。

チカ @_akihc
別れて欲しい、と告げたことに、実は深い理由などなかった。秋の枯葉が落ちるように、私の心はあなたから剥がれ落ちてしまった。正直に告げたらもっと傷つけてしまうから、好きな人ができたと嘘をつく。辛そうなその表情を見ながら、今夜はおでんにしよう、と上の空で思っていた。

いち子聡(サイトからの投稿)
外ヨガで思いっきり体を伸ばす。鼻から深く息を吸いゆっくりと吐き出す。終了は仰向けに伸びた後の屍のポーズ。そのまま体を休めて少しうとうとする。目を覚まして、再び体を伸ばすと態勢を崩して木の枝から落っこちた。無事着地に成功したが驚きで身の毛がよだつ。「うにゃぁ」そう、吾輩は猫である。

norio(サイトからの投稿)
昨日出来たことが今日は出来ない。今日出来たことも明日は。後退の恐怖に身体が冷える。程なく、果たして後退は哀しみばかりを意味するのかと疑いが湧く。空の高みを目ざした者が意図もせぬまま踵を返し、光に背を向け、地中深くへと降りていく。そのとき新たに立ち現れる美しさがあるのでは、と。

まりこ(サイトからの投稿)
気がつくと、僕は深い湖の底で横たわっていた。足に重りがつけられ、体はびくとも動かない。水中にいても息は苦しくない。ちがう。僕の体はもう呼吸をしていないみたいだ。そうだ、思い出した。あの夜、僕の体は船で運ばれ、キミの手で湖の底に沈められたんだ。ねえ、あの時、なぜキミは泣いてたの?

まりこ(サイトからの投稿)
深夜、ふと目を覚ました。ベッドの隣では、あなたが毛布にくるまって、寝息を立てている。闇の中にいると、世界で二人ぼっちな気がしてくる。時々、わたしとあなたの境目がわからなくなる。でもね、今日こそ、あなたに「さよなら」を言うんだ。そしたら、わたしはわたしの何%を失うんだろう。

立藤夕貴(サイトからの投稿)
日が短くなり、深む藍墨色の夜がすぐそこに迫っていた。一人歩くと心許なさがいつの間にか迫り上がってくる。ふと見遣ると煌々と輝く星が居た。それは沈みゆく心に寄り添ってくれる道導。心の淀みが薄れ、足の運びが軽くなる。冷えていく世界でその明け星はまた朝、私を出迎えてくれるだろう。

ヒトシ(サイトからの投稿)
秋はゆっくりと、でも確実に進んでいくものだ。まず、草むらの虫の大合唱が先陣を切り、次いで、空が高くなり、雲がしなやかに流れ始める。そのうちに太陽も通り道を南に下げてきて、弱まった日差しに風も冷えてくる。里山が美しく色づき始めると、そこからはもう坂道を転げ落ちるように深まっていく。

六郎 @yFgvzRdE8zsUjSr
電話ボックスは宇宙船。旅の途中で、宇宙人のマコトを拾う。
「僕、痛覚がないんだ。思いっきり噛んでみてごらんよ」
差し出された小指を口に含む。強く噛んだつもりはない。マコトは泣きそうな顔をした。
「ほら平気でしょ」
ガラスが息で白く曇る。深々と町は暮れていく。

六郎 @yFgvzRdE8zsUjSr
深い秋を縫って、あいつを追いかけて走る。
無口な背中が、ずっと語りかけてくるみたい。バイクの動きに、気持ちがぜんぶ乗ってる。ぜんぶわかってしまう。
信号で前に出た。今度は、あたしが見せる番。
展望台で、あいつがバイザーを上げた。
「上手くなったじゃん」
なんで何も伝わってないんだよ。

六郎 @yFgvzRdE8zsUjSr
通過待ちの間に、隣の男性と打ち解けた。
あえて友達みたいに口をきく。父親ぐらいの齢なのだ。相手も乗ってきて、軽薄なネタを「浅い」「深い」とやっつけ合う。
「キスした後で、好きになって」
そんなことまで話してしまっている。
「浅い……いや、深いよ」
いたわるように言い、彼は目を細めた。

tomodai @phototomop
ずうっと長い間、深い森の奥で、豊かに実る木の実を齧りながら穏やかに暮らしてきた。近頃、よい季節が短くなり、木の実も足らず途方に暮れる毎日だ。食べ物を求めて里におりた仲間は命を落とした。この世界では誰もが平和に暮らしたい。里の住人も僕ら熊も、同じ月を眺めて深いため息をつく。

如月恵 @kisaragi14kei
地下深く掘り進んで来た。直に資源を取り尽くしてしまう。籠の中で坑道のカナリアが鳴いているうちに引き返すべきだ。地上に戻ったら籠から出してやろう。青空に黄色の羽が映えるだろう。ミサイルや攻撃ドローンが飛んでいなければよいのだが…。深みから引き揚げよう、カナリアの歌声が止む前に。

ケムニマキコ(サイトからの投稿)
ようやく会えたのに、君はもう骨だけになっている。案外、凶暴な顔をしてたんやね。そう言おうと思ったけれど、伝える方法がない。でもそれは、骨になる前からそうだ。どこかの深海に、受け取れなかった52ヘルツのハロー・グッバイが漂っている。それとすれ違っても、やっぱり私は気が付かないのだ。

想田翠 @shitatamerusoda
男性と対峙する時、まず初めに手を見てしまう。今まで出逢ってきた深爪の人は、幼稚な人が多かった。思慮深さを感じる落ち着いた話し方の彼に深爪の理由を問うと「女の子を傷つけないためだよ」と笑った。深追いしない方がいいと危険を察知したのに…既に沼へ深く嵌っていて、身動きできそうにない。

ケムニマキコ(サイトからの投稿)
「深い理由もなく、命を捨ててはいけないよ」心臓男はそう言って、ハンマーで僕らの頭を順番に砕いた。命は綺麗なのに、頭は汚いことばかり考える。きっと人間の頭は、宇宙からやってきた別の生き物だ。僕の心臓は右にあって、それが僕の唯一の自慢だった。心臓が綺麗なまま死ねて、良かったと思った。

桐田 聡史(サイトからの投稿)
あの人を生き返らせる方法を本気で考えた季節だった。あらゆる本や言い伝え、パワースポットのことなどを調べて、怪しげな魔術もかじった。蜥蜴も蝙蝠も手に入らなかった。異星人の力を借りるためにUFOを探して歩いた。そんな夜に大きな月を見てたら、生きていたあなたをより深く思い出した。

ちぃひろ @chi_hirobunko
帰省した際、裏山の山小屋の掃除を頼まれた。久しぶりに山に入る。鹿にでもなった気分で、独り紅葉を踏み分け、森の奥深くまで入ってゆく。それにしてもここは静かだ。「寂しいな」思わず呟いたその声は、すぐに森に吸い込まれた。誰も聞いていないからこそ、語れる本音があるのだとしみじみ思った。

楢﨑古都(サイトからの投稿)
“太古よりこの星の生物は種の存続を遺伝子に深く刻み込んできた。然しAI技術の台頭により人類は生命の構造をより精緻な情報として保管することに成功し…”
荒廃しきった星で我々が発見した無数の石版。そこに埋め込まれたチップには電脳空間に刻まれ死の概念を忘れた生命体の存在を明らかにした。

ケムニマキコ(サイトからの投稿)
深泥池の浮島はな、植物の遺体が積もってできてるんやって。ほんでな、そこに根を張って、新しい草木が生えるねん。私らも、そんな風にしよな。私が一つの島になって、あんたの居場所になったげる。ズタズタにされた上履きを放り投げ、私達は駆け出した。キンモクセイの匂いは、夕方みたいやと思った。

斑鳩(サイトからの投稿)
晩秋の夜。急ぐ田んぼ道で不意に張られた群青色の天蓋。深く刻まれた星座。果ては出羽丘陵に消えていく小さな星。思い出した。小さな頃から、生まれ育った盆地の地形を少しだけ深い茶碗のようだと思っていた。器の底から山と空と未来を見つめていた幼子は十三で山を越え、奉公に出た祖母の記憶。

月澤にもじ @Tsw_Nimoji
お気に入りのバンドTシャツで家を出た。玄関を出て間もなく後悔するほどに鋭い空気だった。今日は天文部で月を観測する日だ。望遠鏡は学校にあるので担いでいく必要はない。まだ午前二時には程遠い、深くもない夜だけど、僕には二分後にやってきてほしい君がいる。荷物はたぶん大袈裟じゃないけれど。

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