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2021年に読んだnote10選

今年もじっくりと振り返りに時間を費やしています。

色々なことがあり、色々なことを感じ、色々なチャレンジができた2021年でした。得たものもあれば、失ったものもある。

でも、何とか、自分の知性や感性を悪魔に受け渡しませんでした。僕ひとりだったら心が折れてしまっていたかもしれないけれど、たくさんのnoteクリエイターの皆さんに励まされながら、一年を過ごせた気がします。

相手のテキストを、読むこと、聴くこと。

今年僕が読んだnoteのうち、印象に残った10記事を、クリエイターの皆さんに感謝の気持ちを込めつつ紹介します。

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1. 結城浩さん

高校1年生から大学受験に関する質問を『数学ガール』の著者で知られる結城浩さんが答えています。

質問は「「解けない問題」が出てきたときは、どうしますか」というもの。その回答が素晴らしかったし、日々の仕事においても常に意識しなければならない姿勢だなと思いました。解くことではなく、解いた後の「振り返り」が大事だといいます。『メモの魔力』の著者・前田裕二さんもおっしゃっていた「抽象化」がキーワードです。

常に目の前に解けない問題があり、そこに対峙できる環境は有難いなと思えます。

2. 片山 悠|Ubie|マドベさん

関係 ≒ 期待 + 不安」という図式にハッとしました。期待と不安は表裏一体で、絶対値のように数値化をするならば、どちらの方にも急激には振り幅を作らない方が無難そうに見えます。

それでも片山さんのようなPRを熟知されている方がいれば、思い切ってジャンプすることに踏み切れるかもしれない。不安を恐れて期待値を下げるのも、それはそれでリスクがある。期待と不安の関係を知りつつ、上手く付き合っていくことの大切さを気付かせてくれるnoteでした。

3. 鈴木ゆうりさん

コロナはたくさんの人たちの生活を変えてしまいました。その「変え方」は人それぞれで、生活を困窮させるようなものもあれば、生きがい / やりがいを減じさせるようなものもあります。

鈴木さんの場合は後者。「今しか走れないこともある」と感じながら海外マラソンにエントリーしたものの、コントロール不可な事柄によって断念。世の中の不条理を象徴するnoteでした。

それでも「わたしにできるのは、諦めないこと」という言葉には希望があります。来年はたくさん走っていきましょう。noteやYouTubeの更新も楽しみにしています。

4. 八木志芳さん

誰しも多かれ少なかれコンプレックスを抱えているが、ラジオDJを務める八木さんのような「人生を変えた」人を僕は知りません。

ラジオ「アシタノカレッジ」で、ゲスト出演していたジェーン・スーさんが「勉強ができる人に勉強法を聞いても役に立たない。勉強ができなくてそれを克服した人の話は役に立つ」と話していました。

コンプレックスを乗り越えた八木さんだからこそ紡げる言葉には説得力があるし、実際、アイキャッチの写真は「容姿の美醜」という物差しを遥かに超えて美しい。自分を好きになる大切さ、僕も見習おうと思います。

5. 渡邊 明日香さん

美粧研究家、おくりびととして、人よりも多く「死」に向き合っている渡邊さん。物理的な死は、必ずしも「終わり」を意味するわけではないのでは?との視点を投げ掛けます。

僕の祖父が死んだとき「じいちゃんはみんなの心に生き続けている」なんて言葉が聞こえて、そんなの嘘じゃん!と思った記憶があります。

でも時間を経て、何かの節目を迎えるにあたり、祖父が僕を見守ってくれている感覚は確かにあって。生と死の境目は、僕が思っている以上にずっとずっと曖昧なものなのかもしれません。

6. 安田菜津紀(フォトジャーナリスト)さん

昨年、アメリカ元大統領であるトランプさんの支持者が連邦議会議事堂に乱入する事件が起こりました。人はなんて愚かなんだろうと、ある意味で対岸の火事だと決め込んでいた自分がいました。

けれど日本人は、関東大震災後の虐殺など、社会の未熟さを露呈したような歴史を抱えています。それはひとつずつ、今を生きる日本人が罪を償っていかねばなりません。だからこそ歴史修正主義者により過去を「なかったもの」にしようとする主張や態度は、「良く生きる」上で不誠実なものと言えるのです。

色々なことが隠蔽されています。今年開催された、東京オリンピック、パラリンピックは典型的なスポーツウォッシングに成り下がりました。今では「良く生きる」と決めることすら覚悟が要ることなのかもしれません。

7. Masafumi Gotohさん

障がい者は、何と戦っているのだろう。

敢えて言うならば「せっかく可哀想だと思ってやっているのに、なんでそんなに生意気なことをするんだ」「もっと穏やかに伝えなければ、世間の人からわかってもらえませんよ」という偽善に対して、なのかもしれません。

そもそも障がい者が何かと戦う必要もないし、誰かに理解を求める必要もありません。この社会を作っている僕らが変わるのが「筋」です。後藤さんが抗い続けている暴力性に、僕もまた対峙しなければならないと強く思いました。

8. あべかずひこさん

『FACTFULNESS』という本が契機となり、ファクトやデータを重視する風潮になりました。それ自体はすごく良いことだと思います。

しかし「それっぽい」データを「それっぽく」加工することによって、「真実らしいもの」を演出するような手法が増えてきたのも事実です。あべさんのnoteは、無責任なコメンテーターの発言を見事に批判しています。リテラシーばかりでなく、権力や影響力を正しく監視・批判することは、現代社会で必須な態度だと言えます。

9. 玉響さん

人事の世界では「人材管理」ということでHuman Resourceを捉えます。採用フローに則ったテンプレート面接を僕は否定しませんが、初めて面接を担当した玉響さんだからこそ感じる視点に、改めて「採用」という行為の倫理観を見直すきっかけになりました。

何のために採用するんだろう。何のために組織があるんだろう。

利益をあげるため、なんて答えだけだとしたら、あまりに「つまらない」と僕は思ってしまうのです。

10. 鷹野 雅弘さん

文章を書き、編集の仕事に携わっている中で「読みやすさ」への配慮はとても重要です。もちろん全て「ひらく」ことが正しいわけではなく、読み手への配慮のみを優先させた文章にはどこか既視感を抱くこともあります。

それでも「なぜ“ひらく”のか」という問いは普遍性が高いように僕は感じました。「ひらく」とは、社会に対して「開かれている」ことをも意味するからです。

良いバランス感覚を持ちながら、2022年も、文章と向き合っていけたらと思います。

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まとめ(紹介したnote)

・結城浩さん「自分の勉強法、これでいいの?(学ぶときの心がけ)
・片山 悠|Ubie|マドベさん「「関係づくり」とは、期待と不安のマネジメント | Public Relations再考
・鈴木ゆうりさん「ウィーンにいるはずだった今日
・八木志芳さん「コンプレックスだらけの女子アナが、全裸ヌードを撮影して人生が変わった話。
・渡邊 明日香さん「わたし達は、一体いつ死ぬのだろう。
・安田菜津紀(フォトジャーナリスト)さん「溢れる「デマ」と、関東大震災後の虐殺
・Masafumi Gotohさん「その社会を作っているのは他ならぬ「健全者」つまりあなた方一人一人なのです。
・あべかずひこさん「悪い推定
・玉響さん「「志望動機はなんですか?」のテンプレ面接に終止符を打ちたい
・鷹野 雅弘さん「「なぜ、“ひらく”のか」への考察

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