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太陽光で前に進むソーラーセイル

こんにちは。本日は、太陽光をうけて前に進むソーラーセイルについて勉強した時のメモを残します。

風や水と同じように光にも圧がある

前提として私たちが目にしている光は電磁波の一種。

下記の図で言うところの可視光線。

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ただし目に見えなくとも、光(電磁波)はあるし、絶対零度(-273度)以上の物体は電磁波を発しており、人間も赤外線を出している。

太陽光の約半分は電磁スペクトルという可視光線であり、残り半分は赤外線や紫外線が占める。

そして光(電磁波)はエネルギーの流れでもあるので、この光エネルギーの圧(=光圧)を活用することで、風をうけるヨットのように前に進もうとしているのがソーラーセイル。

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※画像はイメージです。

光圧の活用

光をあびることによりある一定の力が働く。我々もあまり感じないが光圧を受けている。太陽からは強力な光が放射されているがそれでも、空気の摩擦力や地球大気の風の力に比べると、光圧は微弱

1つの光粒子が帆に当たるインパクトは手のひらにペーパークリップを乗せるほど。

そのため、太陽光の光圧を地上で推進力にすることはできないが、真空状態の宇宙空間では大きな力になる。

このソーラーセイルの開発に日本はいち早く取り込んでおり、2010年には世界で初めて帆だけで宇宙空間の航行に成功しました。それが"IKAROS"。

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IKAROSは、超薄膜の帆を広げ太陽光圧を受けて進む。帆の一部に薄膜の太陽電池を貼り付けて大電力発電を同時に行う。この電力を用いて高性能イオンエンジンを稼働することで、ハイブリッド運航を可能にし効率的な航行を可能にしている。

IKAROSは、航行と電力不足状態の冬眠を交互に繰り返している。

2015年に5回目の冬眠モードに入ったところで、予定していたミッション(余剰ミッションも含め)を終えた為、プロジェクトチームが解散している。今も冬眠モードにありどこにいるかはわからないが、もしかしたら稼働する、、かもしれない。

ちなみに、このソーラーセイルの概念は100年ほど前からあり、欧米でも研究が進められてきたが、ソーラーセイルに最も重要な、軽くて薄いセイル(帆)の膜を安定的に作る技術がなく実現に至らなかったそう。

イカロスに使われた素材は、ポリイミド樹脂。馴染みが全くないですがプラスチック部品などに使われるもので、この素材の世界シェアは日本が1位。

太陽光だけで進むライトセイル2号

前述したIKAROSはイオンエンジンとのハイブリッド航行だったが、昨年アメリカの「ライトセイル2号」がついに太陽光だけで進むソーラーセイリングの実験に成功した。

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とってもエコで軽い宇宙船ですね。

ちなみに打ち上げたのは最近何かと話題のスペースX(イーロン・マスク)。

ソーラーセイリングは長い時間をかけて徐々に速度が上がり、燃料を持ち運ぶ必要がないため、支持者が多い。

将来、この技術を使って、宇宙旅行もエコに行き来する時代が来るかもしれない。




参照1:名古屋大学太陽地球環境研究所

参照2:JAXA

参照3:Forbes

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